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鶴ひろみ

日本の女性声優、女優、ナレーター (1960-2017) ウィキペディアから

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鶴 ひろみ(つる ひろみ[注 2]1960年昭和35年〉3月29日[2][8] - 2017年平成29年〉11月16日[12])は、日本声優ナレーター[8]女優北海道千歳市生まれ[4]神奈川県横浜市育ち[8]。最終所属は青二プロダクション[9]。元夫は声優の難波圭一

概要 つる ひろみ鶴 ひろみ, プロフィール ...
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生涯

要約
視点

北海道千歳市生まれ、その後、茨城県土浦市に転居し、小学2年生の時から神奈川県横浜市で育つ[4]

子役として活動

幼い時からテレビに出演したかったといい、親戚などが集まると前に出てドリフターズ東京ぼん太のモノマネで人を笑わせるのがわりと好きだった[2][3][11]

小学2年生時に自ら希望して、姉と共に劇団ひまわりへ入団[13]。小学校3年生の1968年に『コメットさん』(TBS)のオーディションを受け、第63話「妖怪の森」でドラマデビュー[2][13]1969年には同じ脚本・市川森一、監督・山際永三コンビによる『恐怖劇場アンバランス』(フジテレビ)の第4話「仮面の墓場」にも出演している[13]

その後も、学習誌の表紙や子供服のファッションショー、『彩の女』(フジテレビ)などのテレビドラマに出演していた。『日曜洋画劇場』(テレビ朝日)放送の『ダウンタウン物語』で、ジョディ・フォスター吹き替えも行った。

声優デビュー

神奈川県立鶴見高等学校卒業[2][14]。高校3年生だった1977年世界名作劇場ペリーヌ物語』のオーディションに合格し[3][15]主人公・ペリーヌ役で声優デビュー[8][3][11][13](当時のクレジットは「靏ひろみ」)。『ペリーヌ物語』放送終了後、2年間は声優業を行っていなかったが、1981年に『おはよう!スパンク』でキャット役を担当[4]

1982年、『わが青春のアルカディア 無限軌道SSX』のレビ役のオーディションに受かったのを契機に、本格的に声の仕事に取り組むため砂岡事務所から青二プロダクションへ移籍[4][13]。以後、声優としての活動を活発に行うようになった。

1984年海外ドラマ『超能力プリンス マシュー・スター』で半年間出演したことをきっかけに、恋人役で共演した声優の難波圭一と交際を始める。そして1985年にアニメ『タッチ』で難波が演じた上杉和也の葬儀イベントで婚約を発表し[16][17]1986年1月4日神谷明夫妻を立会人にハワイで挙式した[18][19]

1990年代以降は、バラエティ番組報道番組などにおけるナレーション業が増え、亡くなる直前までこちらを主体とした活動を行っていた[8]。また、舞台に出演することもあった。

死去

2017年11月16日19時30分頃、東京都中央区の首都高速都心環状線の車線上にて、ハザードランプをつけ停車していた車内で、シートベルトをして運転席に座ったまま意識不明の状態で見つかり、病院に搬送されたがその後死亡が確認された[6]。死因は運転中の大動脈解離による突然死とみられる[12][20]。57歳没。関係者によると数日前の収録中に体調不良で途中退席したことがあったが、体調が悪いとは聞いていなかったという[21][22]。大動脈解離に伴う痛みは「この世で一番の激痛」[23][24]と呼ばれるほどのものであるが、それでも意識を持って事故を起こさずに停止した事について、各所から賛美の声が上がった[23][25]

2018年1月13日に「鶴ひろみを送る会」が行われ、山寺宏一増岡弘らが駆け付けた。野沢雅子戸田恵子中尾隆聖渡辺菜生子らがお別れ会の発起人を務め、野沢は孫悟空の口調でメッセージを寄せた[26][27]。山寺は取材に「まだ信じられない思いでいっぱい」とコメントした[28]

第12回声優アワードでは、特別功労賞に代えて2017年度に死去した声優として他の物故者とともに顕彰された[29]。この席上では名前だけでなく、事務所プロフィールの写真と代表作[注 3]がスクリーンに映し出され、鶴のボイスサンプルの一つナレーション3の音声が会場内で流された。

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人物・逸話

要約
視点

エピソード

声優デビュー当初は、テレビアニメ『ペリーヌ物語』のペリーヌ役など、大人しい役柄が多かったが、『きまぐれオレンジ☆ロード』の鮎川まどか役をきっかけに、気の強い女性役を数多く演じていた[30]。一方で、あだち充原作の作品の常連であった[30]

ストレートな性格であり、特に美神令子を演じた際は、徐々に性格が感化されていったという。その一方で神経質で、つまらないことでも考えすぎて眠れなくなるとも語っている[13]。しかし、古谷徹は鶴のことを「茶目っ気のある性格」と語っている。また、古谷と並んで昔から共演の多い堀川りょうは、鶴のことを「若い頃はプライドの塊だった」と評している。

方言北海道弁[7]ゴルフ[13]ドライブ[13]テニス麻雀などを趣味とし、ゴルフに関しては、「年に50数回行ったことがある」と発言している。北海道生まれではあるが、「ウィンタースポーツは全くできない」とのことである。

俳優(顔出し)から声優(アテレコ)業に転向したのは、「児童劇団時代に、目標としていた女優たちから嫌がらせを受けたことがきっかけだった」と語っており[31]、有名女優に挨拶をしても返事をされなかったことなどが、子ども心に傷付いたという[13]。また、テレビでの顔写りが悪かったことも気にしており、家で母に「顔出さないほうがいいよ」と言われ、また同じ劇団に入った年上の女優(モデルの仕事が多くすぐに退団)が大変美人であったため、「どうしても比較されて、子供の頃から傷付く人生を送っていた」と述べている[11][13]

声優という職業を意識した切っ掛けは、中学生の頃に観た『ローマの休日』であった。オードリー・ヘプバーンの吹き替えをしていた池田昌子の声が、あまりにイメージにぴったりで驚く。のちに『ペリーヌ物語』で池田と共演を果たした時には感動し、池田の雰囲気としゃべり方に憧れ、ああなりたいと思ったという[13]

幼少期から動物が苦手で、おそらく一生動物が苦手だろうとしていた[32]

業界の師匠として野沢雅子を挙げており「人間的にも仕事の上でも。可愛い方で大好き」とのこと[13]

高校3年生当時、「あれで大学生?」と思う者が周りに多かったため、日本の大学に行く気がなく、アメリカの専門学校で演技の勉強をしに留学することを考えていた。しかし、アメリカ学制は9月入学だったため、高校卒業後も半年間は余裕があったことから、じっくり学校選びをしていたところ、『ペリーヌ物語』のオーディションに合格したため、留学の夢を諦めた[13]

かつては、宮崎駿のようなアニメ作品を望み、安易に数だけ作る、いわゆる内容がないアニメに苦言を呈したことがあった[13]

父は俳優志望であった自衛官[2]、母は北海道出身[2]。祖父は九州出身で元警察官[2][4]

共演・交友関係

松野太紀と古谷徹とは、劇団時代からの旧知の仲。この他、仲が良いとされる声優には、TARAKO、渡辺菜生子、皆口裕子山本百合子[13]三ツ矢雄二野沢雅子中尾隆聖富山敬肝付兼太などがいる。

堀川りょうとは、『ドラゴンボールZ』、『GS美神』、『まじかる☆タルるートくん』など、両者がレギュラー出演していた作品をはじめ、片方のゲスト出演という形などでも数多く共演している。互いに「(共演した作品を)全部は覚えてられない」と語るほど。

古谷徹も『ドラゴンボール』シリーズや『きまぐれ☆オレンジロード』など、共演が非常に多く、堀川同様に恋愛の絡む役が多い。このことに対しては、古谷は「互いの声が合っていたのでは」との見解を示しており、また「仕事がやりやすい」とも発言している[33]。共に劇団ひまわり出身であるが、劇団当時には面識はなかった。

漫画家の椎名高志は、少年期に『ペリーヌ物語』を観て以来の鶴ファンである。『GS美神 極楽大作戦!!』のアニメ化に際しては、主人公の美神令子役に鶴を指名。また、自身の結婚式の際にはその司会を鶴に依頼し、結果的に鶴と横島忠夫役の堀川の2人が担当することになったという。また、同じ椎名原作の『絶対可憐チルドレン』に「『GS美神』ファンへのサービス」[34][35]としてゲスト出演を果たしている。鶴の急死後に掲載された『週刊少年サンデー』2018年1月10日号(第489話)の扉絵では、同作のキャラクターに鶴が演じたキャラクターのコスプレをさせ、感謝のメッセージを添えている[36]

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キャラクター関連

要約
視点

持ち役のうち、思い入れが強いものとして、『ペリーヌ物語』のペリーヌ、『幻夢戦記レダ』の朝霧陽子、『ドラゴンボール』シリーズのブルマ、『それいけ!アンパンマン』のドキンちゃん、『らんま1/2』の久遠寺右京、『GS美神』の美神令子、『きまぐれオレンジ☆ロード』の鮎川まどか、などを挙げている[要出典]

ペリーヌ物語

ペリーヌ物語』は、鶴がアフレコに参加した初のアニメ作品であり、主役のペリーヌを演じている。

高校生だった鶴は、学校帰りに制服ブレザー姿で収録に通ったり、夏には日焼けし、サーファールックにビーチサンダルの格好でスタジオ入りをしたこともあった。その当時を知る人からは「草履を履いてきたんだよね」と言われるという[13]

当時の実写ドラマ作品は自然な演技が流行っていたため、オーバーに演じないと伝わらないアニメ作品の演技がわからず、ペリーヌならこうしゃべるだろうと、自分で勝手に解釈して台詞を言い、演出家から注意を受けたこともあった。結局『ペリーヌ物語』は慣れないまま終わってしまったのが実感とのこと[13]

また、当時の世界名作劇場は高いクオリティを目指して制作されていたため、スケジュールの遅れで動画が完成せず、線に合わせてアフレコをしていた。そのため、「絵がないとわからないじゃない」と思いながら収録していた。その後、『おはよう!スパンク』でアフレコに臨んだ際、絵があることに驚き、「1年間、『ペリーヌ』で線に合わせる修行をしたのに、なぜこの番組には絵があるの!」と怒った[13]

ドラゴンボール

『ドラゴンボール』シリーズで演じたブルマは、鶴の役歴の中で『それいけ!アンパンマン』のドキンちゃんに次ぐ長さであった。『ドラゴンボールZ』放送当時に「この2本(アンパンマンとドラゴンボール)は、すでにライフワークになっています」と述べていたほど思い入れがあり、レギュラー出演者がファミリー化し、プライベートな付き合いも多かった[13]

『ドラゴンボールZ』はブルマの出番があまり無くて見逃していたが、のちにDVDで一気に全話見て面白さに感動したと語っている[37]

ブルマがベジータと結婚したことには視聴者だけでなく鶴自身も驚き、ヤムチャと結婚すると思っていたために、ブルマは「納得できない結婚」と感じた。のち魔人ブウ編のブルマが登場しない回で、ベジータがトランクスに「母さんをよろしくな」と話して死んだことを聞き、鶴自身もベジータに「ちょっと心が動かされた」と語っている[13]

ドラゴンボール改』で再びアフレコを担当した際、「Zの時は夢中でわからなかったけど、改で『ああ、ブルマの気持ちがベジータに揺らいだのはここなんだなあ』と気づいた」、「母親目線になるのでどうしても息子の方が可愛く見えちゃう。トランクスがもう可愛くてしょうがない」と語っている[38]

GS美神 極楽大作戦!!

アニメ『GS美神』では鶴が美神令子を演じたが、原作者の椎名高志は鶴のデビュー作『ペリーヌ物語』を少年期に見ており、それ以来のファンだったことも後押しした。その後、鶴は『絶対可憐チルドレン』でも明石秋江役で椎名作品への再出演を果たしている。また、椎名の結婚式では鶴に司会を依頼した結果、鶴と横島忠夫役の堀川亮(現・堀川りょう)が司会を担当することになったという。鶴の訃報に椎名は「ずっと放置してたブログ、こんなことで更新したくはなかったのですが。ウチの子を可愛がってくださって、ありがとうございました。」とツイートした。

きまぐれオレンジ☆ロード

きまぐれオレンジ☆ロード』の鮎川まどか役は、もともと他の声優にほぼ内定していた。しかし、形式上開催されたオーディションで鶴の声を聞いた関係者が考えを変えて起用されたという経緯がある。その当時の鶴は優等生風なキャラクターが多く、もう少し悪い役をやってみたいと欲求不満になっていたところに、この話が舞い込んだ[13]

その演技については、当初は中学生という年齢を意識していたが、年齢離れした言動から徐々に意識は薄くなり、大人っぽく変わっていったという。また「自分が演じた今までのキャラクターとかけ離れていたため、演技が難しかった」、「役者としての充分な仕事ができなかった」など、苦労を示す言葉を残している。

作品放送中の1988年には、『アニメージュ』の女性声優部門で3位にランクインした[注 4]。鶴は同作品に対してはかなり思い入れを示しており、歴代の演じてきた女性キャラクターの中でもまどかは特に気に入っているという。「本当に悪い子ではないけど、決していい子ちゃんじゃない、影の部分もあって魅力的なキャラクター」[13]、「まどかのお陰で役の幅が広がった」とも発言している。当時はまどかに似せた髪型にしていた。

また、作中でまどかと相思相愛だった春日恭介のような、優柔不断な典型的ラブコメ主人公は、あまり自分の好みではないと語っている。

この作品で鮎川まどかを演じたことが縁で、原作者のまつもと泉とは公私ともに親交があった。2017年11月19日、鶴の逝去に対し、まつもとは病気療養中の身を押して追悼のコメントを自身の公式サイトに掲載した[39]

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後任

鶴の死後、持ち役を引き継いだ人物は以下の通り。

さらに見る 後任, 役名 ...
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出演

要約
視点

太字はメインキャラクター。

テレビアニメ

1978年
1981年
1982年
1983年
1984年
1985年
1986年
1987年
1988年
1989年
1990年
1991年
1992年
1993年
1994年
1995年
1996年
1997年
1998年
1999年
2000年
2001年
2002年
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
2015年

劇場アニメ

1982年
1983年
1984年
1985年
1986年
1987年
1988年
1989年
1990年
1991年
1992年
1993年
1994年
1995年
1996年
1997年
1998年
1999年
2000年
2001年
2002年
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
2016年
2017年

OVA

1985年
1986年
1987年
1988年
1989年
1990年
1991年
1992年
1993年
1994年
1995年
1996年
1999年
2008年
2010年

ゲーム

2019年以降の一部の作品は、鶴の生前の収録音声を使用したライブラリ出演。

1989年
1991年
1992年
1993年
1994年
1995年
1996年
1997年
1998年
1999年
2000年
2001年
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2013年
  • 世界名作童話 親子で読めるゲーム絵本(ジャックと豆の木[116]
2014年
2015年
2016年
2017年
2018年
2019年

吹き替え

俳優

ミーガン・フォローズ

映画

テレビドラマ

人形劇

ドラマCD・カセット

情報・報道・バラエティ

テレビドラマ

映画

舞台

  • 天使の暴走
  • アクターズ・スリル&チャンス
  • 恐いモノ見たさビックリ大会 太紀ちゃん祭り(松野太紀デビュー30周年記念公演)
  • 誰かが誰かを愛してる(鈴置洋孝プロデュース)
  • シンプルレビュー2(劇団アルターエゴプロデュース公演)
  • C-ランド vol.3「Little Wing 〜手つかずの空〜」(TARAKOプロデュース)
  • NAO-TA! vol.1「Little Wing 〜手つかずの空2002〜」(渡辺菜生子+TARAKOプロデュース)
  • NAO-TA! vol.2「dear 〜ガラス越しの〜」(渡辺菜生子+TARAKOプロデュース)
  • NAO-TA!「REPLAY」(渡辺菜生子+TARAKOプロデュース)
  • VS!ぶぁーさす〜とりあえずビール??(WAKUプロデュース主催)※友情出演
  • 三つの時代の物語(岸野幸正戸田恵子演出)
  • 見果てぬ夢鈴置洋孝プロデュース)
  • オンリー・ユー(SPC鈴舟、堤泰之演出)

ラジオ

CM

その他

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ディスコグラフィ

シングル

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歌手参加楽曲

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キャラクターソング

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脚注

外部リンク

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