Loading AI tools
日本の映画作品、『男はつらいよ』シリーズ第11作 ウィキペディアから
『男はつらいよ 寅次郎忘れな草』(おとこはつらいよ とらじろうわすれなぐさ)は、1973年8月4日に公開された日本映画。マドンナ(旅回りのキャバレー歌手:松岡リリー)役に浅丘ルリ子をむかえた『男はつらいよ』シリーズの第11作。同時上映は『チョットだけョ全員集合!!』。
寅次郎が見た夢は時代劇であり、柴又村の農家の娘「おさく」らがヤクザに脅されているところを助ける。
初夏の北海道網走に出向いていた寅次郎は、レコードを売っていた道ばたでドサ回りの三流歌手松岡リリー(浅丘ルリ子)に声をかけられ、お互いの「あぶく」のような生活について語り合い、同じような境遇にあることで意気投合する。別れ際に「日本のどこか」での再会を約束し、寅次郎の「葛飾柴又の車寅次郎」という名乗りに対し、リリーは「じゃ、寅さん。いい名前だね」と言う。[2]
寅次郎は、今のままの放浪生活ではいけないと、職安で紹介された道東の酪農家・栗原(織本順吉)の元で働き始めるが、働き慣れない体力が酪農の重労働について行かずに寝込んでしまい、さくらに迎えに来てもらって柴又へと帰る。
東京に帰ってからずっと寅次郎のことを想い、また会いたいとの気持ちで柴又を訪ねてきたリリー[3]を、寅次郎ととらやの人びとは、温かくもてなす。リリーは、そうした家庭環境に恵まれている寅次郎をうらやましく感じるとともに、「あたしの初恋の人、寅さんじゃないかしらね」と発言する。それまでいろいろな男と付き合ってきたが、心から惚れたことは一度もない、一生に一度でいい、一人の男に死ぬほど惚れて惚れて惚れぬいてみたい、そんな趣旨の発言の流れの中での一言であった。
リリーはある夜、母親との確執・仕事での悩みから、酒に酔い、深夜にとらやを訪れて、クダを巻く。一緒に旅に出ようと言うリリーに対し、寅次郎は同情を示しつつも、あと一歩を踏み出せない。「ここは堅気のうちなんだぜ」とたしなめる寅次郎に対し、リリーは「どうせあたしのような女が来るところじゃないんだろ、ここは」と疎外感・孤独感を覚え、「寅さん、何も聞いてくれないじゃないか…嫌いだよ」と泣きながら飛び出していってしまう。翌日、寅次郎はリリーのアパートを訪ねるが、既に引っ越した後であった。寅次郎は、上野駅にさくらを呼び出し、もしリリーがとらやを訪ねることがあったら下宿させてあげてほしいと、後を託して旅立つ。
夏になり、リリーから寅次郎宛でとらやにハガキが来る。歌手を辞めて、小さな店の女将さんになったとの内容であり、さくらが訪ねると、夫の寿司職人・良吉(毒蝮三太夫)と仲良く店を切り盛りしていた。その頃、寅次郎は栗原の元を訪れ、お互いに元気よく再会を祝すのであった。
かくして例によって結ばれなかった二人であるが、リリーが「あたしほんとはね、この人(良吉)より寅さんのほうが好きだったの」と発言するなど、シリーズの大方の「寅次郎が振られて終わる」という印象[4]とは異なっている。[5]「リリー三(四)部作」と言われる、長い二人の愛の関係の第一歩を刻んだ作品である。
寅次郎の父親で車平造の27回忌が劇中で行われるので1947年に亡くなったことになるが、後の『少年寅次郎』最終話では寅次郎が1949年に家出した後、『少年寅次郎 SP全編』で1年後の1950年に亡くなったことになっている。
『男はつらいよ 寅さん読本』1992、p.618より
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.