trans-シクロオクテン
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trans-シクロオクテン(trans-cyclooctene)は、化学式 [–(CH2)6CH=CH–] を持つ環状炭化水素であり、C-C二重結合に隣接した2つのC-C単結合が二重結合の平面の逆側(トランス配置)にある。不愉快な香りを持つ無色の液体である。
概要 trans-シクロオクテン, 識別情報 ...
trans-シクロオクテン | |
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(E)-Cyclooctene | |
別称 trans-Cyclooctene | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 931-89-5 |
PubChem | 5463599 |
ChemSpider | 10265272 |
EC番号 | 213-245-5 |
ChEBI | |
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特性 | |
化学式 | C8H14 |
モル質量 | 110.2 g mol−1 |
外観 | 無色液体 |
密度 | 0.848 g/mL |
融点 |
-59 °C, 214 K, -74 °F |
沸点 |
143 °C (1 atm); 68-72 °C (100 torr)[1] |
危険性 | |
GHSピクトグラム | |
GHSシグナルワード | 危険(DANGER) |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
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シクロオクテンはそのtrans-異性体が容易に単離される最小のシクロアルケンとして注目に値する。cis-異性体のほうがかなり安定である[2]。trans体およびcis体の環ひずみエネルギーはそれぞれ16.7および7.4 kcal/molである[3]。
cis-シクロオクテン (いす形配座) | (Rp)-trans-シクロオクテン (かんむり形配座) |
環の炭素原子を平面に配置するとひずみが大きくなり過ぎるため、trans体の安定配座において環は折れ曲がっている(平面でない)。計算では、環平面の上下に炭素原子が交互に出ているかんむり形配座が最も安定であることが示されている[4]。半いす形配座はかんむり形配座よりもおよそ6 kcal/mol不安定であると予測されている[4]。
trans-シクロオクテンの全ての配座はキラル(具体的に言うと、面性キラリティーと呼ばれるもの)であり、鏡像異性体を分離することができる[5][6][7]。理屈の上では、–CH=CH– 基全体を、厳密に、180° ひねることによって、結合の切断を伴うことなく鏡像異性体間の変換を行うことができる。しかしながら、これには混雑した環を水素原子の1つが通過する必要がある[5]。