USA-207
ウィキペディア フリーな encyclopedia
USA-207は、アメリカ国家安全保障局 (National Security Agency:NSA) が運用中の、アメリカ合衆国のシギント(信号諜報)偵察衛星(スパイ衛星)である。米国議会の予算書上の正式名称はネメシス1(英:Nemesis 1)であり、アマチュア観測者達などの間では通称PANの名称でも知られている。なお、同様の米国の衛星であるUSA-257(通称CLIO)がネメシス2であることが判明している。
概要 所属, 主製造業者 ...
USA-207 (ネメシス1、通称「PAN」) | |
---|---|
所属 | アメリカ国家安全保障局 (NSA) |
主製造業者 | ロッキード・マーティン[1] |
衛星バス | A2100A (ロッキード・マーティン) |
任務 | シギント (電子諜報) |
打上げ日時 | 2009年9月8日 |
輸送ロケット | アトラス V 401 |
打上げ場所 | ケープカナベラル空軍基地 SLC-41 |
COSPAR ID | 2009-047A |
軌道要素 | |
参照座標 | 地球周回軌道 |
軌道 | 静止軌道 |
軌道周期 | 23.93 時間 |
テンプレートを表示 |
閉じる
USA-207は、静止軌道上に配備され、静止軌道上の他国の通信衛星の近くに忍び寄って、地上の地球局からの通信電波を傍受するFORNSAT(Foreign Satellite)と呼ばれる諜報活動を行っている。
同じく静止軌道上でシギント活動を行っている発展型オリオン(メンター)シリーズの衛星は、地上間の通信を直接衛星で傍受するOVERHEADと呼ばれる諜報活動を行うために、直径100mを超える巨大な受信アンテナを有しているが、USA-207は通信衛星の近くに忍び寄り、通信衛星に向けられた地上からの比較的電力の大きな電波を横取りすることが可能なため、受信アンテナは通常の通信衛星のものと同程度の大きさである。その代わり高い機動性を持っており、ターゲットとなる通信衛星を頻繁に変えて忍び寄るマニューバーを行っていることがアマチュア観測者達によって確認されている [2] 。