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Vivaldi (ウェブブラウザ)
Vivaldi Technologies社が開発しているウェブブラウザ ウィキペディアから
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Vivaldi(ヴィヴァルディ)は、Vivaldi Technologies社によって開発されているウェブブラウザである。2016年に安定版が初公開された。Google Chromeの拡張機能や、旧Operaのようなマウスジェスチャーに対応するなど両者の特徴を併せ持ち、軽量設計となっている。
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概要
Vivaldi Technologiesは、オペラ・ソフトウェアの創設者の1人でありCEOであったヨン・スティーブンソン・フォン・テッツナーによって設立された[13][14][15][16]。"A new browser for our friends"(私たちの友人のための新しいブラウザ)[17]をスローガンとしており、技術者、インターネットのヘビーユーザ、OperaのレンダリングエンジンがPrestoからBlinkへと変更されたことに伴い多くの機能が削除されてしまったことに不満を抱く、かつてのOperaユーザを主な対象としている[13]。創業者の1人にCOOの冨田龍起がいる[18]。開発は主にノルウェー・オスロ、アイスランド・レイキャビーク、アメリカ・グロスターにて行われる[19]。
レンダリングエンジンは現行のOperaと同じくBlinkを使用している。当初はオペラ・ソフトウェアにPrestoの使用を交渉したが許可を得られなかったとのことで、開発側はVivaldiが軌道に乗れば、自社で改めてレンダリングエンジンを開発する可能性も視野に入れたいとしている[20]。
植林検索エンジンEcosiaの他、ユーザーのプライバシーを重視し、同様の路線を歩む検索エンジンDuckDuckGo、Startpage.comなどがデフォルト検索エンジンに入っている[21]。
2019年9月、Android版のベータバージョンがリリースされ[22]、2020年4月に正式公開された[23]。また、Android Automotive OSで使用できる初めてのブラウザである[24]。
名称の由来
名称は、同名の近世ヨーロッパの作曲家・アントニオ・ヴィヴァルディに由来する。「覚えやすくて、世界中で知られていて、革新的な名前」だったからと、「ヴィヴァルディの音楽が当時とても革新的だとされていた」からと、「革新的なブラウザを作っていきたいという思いを込めて」という理由が挙げられている[25]。
採用
2021年9月、Linuxディストリビューションの一つであるManjaroのCinnamonエディションにおけるデフォルトブラウザとして採用された[26]。
同年12月、Android Automotive OS初のブラウザとして、ポールスターのポールスター・2で利用可能となった[24]。2022年5月、ルノーのメガーヌ E-Tech エレクトリックやオーストラルなど、同社のインフォテインメント・システムであるOpenR Linkを搭載した車で利用できるようになった[27]。
2022年1月、Planet ComputersのスマートフォンであるAstro Slide 5Gに標準搭載された[28]。
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歴史
フォン・テッツナーがオペラ社を2010年に去った後、2013年4月にオペラ社はブラウザのレンダリングエンジンを、従来開発していたPrestoからGoogle Chromeでも利用されているWebKitに切り替えると発表し、ChromeがレンダリングエンジンをBlinkに切り替えると、その後追いをした。しかし新生Operaブラウザは多くのユーザーに不満を抱かせる出来だった[29][30]。そしてオペラ社によって2014年3月に閉鎖されたMy Operaに代わるバーチャルコミュニティサイトとしてフォン・テッツナーはVivaldi.netを開設した[31]。彼は、My OperaのコミュニティこそがOperaのありようを決定する助けになると信じており、オペラ・ソフトウェアによるコミュニティ閉鎖の決定を快く思っていなかった。彼はVivaldi.netがまた、2015年に新しい会社Vivaldi Technologiesを興す道に繋がるものでもあると発言し、2016年には新たなブラウザVivaldi1.0を公開して旧Operaの精神を復活させた。
- 2018年9月 - バージョン2に。同期機能を搭載[32]。
- 2020年4月 - バージョン3に。トラッカー・広告ブロック機能を搭載。Android版を同時リリース[23]。
- 3.4からシューティングゲーム 「Vivaldia」も付属[33]。
- 2021年6月 - バージョン4に。ウェブページ翻訳機能、ベータ版のメール、カレンダー、フィードリーダーを搭載[34]。
- 2021年12月 - バージョン5に。テーマ共有機能や翻訳パネルを搭載[35]。また、Android版ではタブレットやChromebook向けにもデザインを最適化[36]。
- 2022年6月 - Vivaldi メールが正式版の1.0に。パソコン版ブラウザ内蔵のメールクライアント・カレンダー・フィードリーダー[37]。
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特徴
要約
視点
Chromiumをベースに、パワーユーザー向けの機能やカスタマイズ性を重視した機能が搭載されている。ある程度の機能はVivaldi Tipsページ[38]やVivaldi HELPページ[39]にて解説されているが、その後追加された機能も多い。
Google Chrome/Chromiumと異なる点として以下が挙げられる。
多くのカスタマイズ項目
Vivaldiではタブバーやメニューバーの位置など、細部に至るまで多くの設定項目が存在する。サイトのテーマ色に合わせてウィンドウの色を変えるカメレオンカラーという機能もある。またSnapshot版2218.3より、メニューバーや右クリックした時に出てくる各種コンテキストメニューに、項目を追加したり削除できるようになっている[40][41]。
安定版5.0より、ユーザーが作成したテーマを共有できるようになった[35]。
充実したタブ強化
複数のタブをまとめるタブスタックや、タブの読み込みを中止してリソースの消費を減らすタブの休止、マウスオーバーによるタブプレビュー、同一ウィンドウ内で複数ページを開くタブタイリングなど、大量のタブを同時に開くようなユーザー向けの機能が搭載されている。
なお、Chrome 85でタブプレビュー、タブグルーピングというタブスタックに類似する機能が追加されている[42]。
スピードダイヤル
登録したWEBサイトに素早くアクセス出来るブックマークに似た機能。サイトを画像で表示するので管理しやすい。
マウスジェスチャー
Operaの流れを汲み、拡張機能無しでマウスジェスチャーを使用できる。殆どの機能にマウスジェスチャーを割り当てられる他、F2キーから開けるクイックコマンドを利用することでキーボードのみでも殆どの操作が可能である。
パネル
サイドバーにWEBサイトのモバイル版を表示できる機能である。パネルの非表示は手動のほか、非アクティブ時に自動でもできるため邪魔になりにくい。
WEBサイトのほかに「メモ」「ブックマーク」「ダウンロード」「閲覧履歴」「翻訳」などもパネル上に表示できる。
プライバシー
プライバシーを守るために、Chromiumの同期機能は使わず独自に実装された同期機能が存在する。そのためVivaldi独自の設定や機能についても同期できる。
またプライベートウィンドウとそうでないウィンドウで検索エンジンを切り替えられる。
拡張機能
Chromiumベースの利点としてGoogle Chrome向けの拡張機能を利用できる。
動画ポップアウト機能
動画をスクリーンの任意の場所で再生し続けられる、ピクチャー・イン・ピクチャー(PiP)機能に対応している。Snapshot 3119.4から音量のコントロールができるようになった。
広告・トラッカーブロック
DuckDuckGoなどのトラッカーブロックリストやEasyListなどの広告ブロックリストが内蔵され、ブラウジング中に使用できる[43]。また、Cookieの同意ポップアップ除去のリストも内蔵されており、オプションで有効にできる。これらのソースリストは、設定からユーザー自身で管理できる。
内蔵された広告ブロッカーは、サードパーティの拡張機能の広告ブロッカーと比較してメモリ消費が軽く互換性の問題が起きない利点がある、としている[44]。
QRコードでのURLシェア
表示ページのURLをQRコードで生成し、他のデバイスで読み取ることでそのページに行ける[45]。同期機能でもURLは送れるが、同期していないデバイスにも共有できるのが利点である。
なお、Chrome 85で同様の機能が追加されている[42]。
メール、カレンダー 、RSS
Snapshot版2115.4からプレビュー段階の機能としてメール、カレンダー、RSSリーダーが搭載された[46]。Snapshot版2312.3より、ベータ版に移行した[47]。2022年6月 Vivaldi メールが正式版の1.0に。パソコン版ブラウザ内蔵のメールクライアント・カレンダー・フィードリーダーとなった。
翻訳
デスクトップ版はSnapshot版2238.3より、Android版はSnapshot版2278.3より、iOS版はSnapshot版3537.3より、プレビュー段階の機能としてウェブページの翻訳機能が搭載された。Chromeとは異なり、Google 翻訳ではなくVivaldiのサーバー上でホストできるLingvanexの翻訳エンジンを使用している[48][49]。安定版4.0より正式搭載された[34]。
安定版5.0時点で、ウェブページ翻訳のほかにページ上のテキストの選択によるインライン翻訳や、パネル上でも翻訳が可能である[35]。
コマンドチェイン
ユーザーが任意でカスタマイズできる一連のコマンド(コマンドチェイン)を組む機能である。コマンドチェインをキーボードショートカットやマウスジェスチャーで実行することで、たとえば長文のコンテンツを読みやすくするため「全画面表示にして→リーダーモードに切り替える」、ある商品の複数サイトでの販売状況を比較するため「A通販サイトの検索エンジンで検索→B通販サイトの検索エンジンで検索→タブスタックする→左右に並べて表示」といった複雑な動作を1つのアクションで実行できる。コマンドの総数は200以上に及ぶ[50]。
タブレット向けの最適化
Android版は、安定版5.0よりタブレット使用者向けにデザインの最適化を行っており、タブレットブラウザとしては初めて内蔵パネルを導入した[36]。
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バージョン履歴
デスクトップ
Android
iOS
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収益方法
外部からの投資やユーザーの個人データ販売は行っておらず、検索エンジン「DuckDuckGo、StartPage、Ecosia、Yahoo!、Bing、Yandex」およびブックマーク「Booking.com、eBay、Kayak、Start.me、Amazon、AliExpress、Tripadvisor、Airbnb」などとのパートナー契約によりユーザーがそれらを使用することで収益としている。Googleは含まれていない[113]。
また、Vivaldiグッズの販売や、クレジットカードからの寄付の受け入れも行っている[114]。
ダイレクトマッチという検索についての機能がSnapshot 3152.3から追加された[115]。 検索欄に語句を入力し表示された候補のうち、パートナー契約がある企業名の横に「ダイレクトマッチ」と表示され、それをクリックするとVivaldiの収益となる仕組み。パートナー契約企業名は人気のあるブランド名のみで、またマッチはローカルファイル (“direct-match-mapping.json”) に記載されたキーワードに対して行われる仕組みのため、この機能でユーザーデータが送信されることは無いとしている[116]。 実装時点ではアメリカ合衆国の市場でのみ収益化が適用され、アメリカ以外で機能を有効にしても収益には反映されない。
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要約
視点
全体の市場占有率は1%にも満たないが、2017年時点でVivaldi利用者のうち15%は日本のユーザーであり、その占める割合は利用者の中で一番多かった[117]。2022年1月現在では、国別シェアのトップはアメリカ合衆国であり、日本は僅差で2位となっている[118]。
2019年12月にVivaldiブラウザのユーザーエージェントがChromeになったことに伴い、それ以降のVivaldiのシェアは実態に反して小さく報告される可能性がある[119]。
なお、Vivaldiのアクティブユーザーは、2022年6月現在でデスクトップ版・モバイル版を合わせて240万人以上であり、現在も増加中であるとしている[120]。
世界のシェア
日本のシェア
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脚注
外部リンク
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