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あおぞらII

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あおぞらII
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あおぞらII(あおぞらツー)[1]は、近畿日本鉄道(近鉄)が1989年に導入した団体専用車両の愛称である。20100系「あおぞら」の老朽置き換えのため、特急車であった18200系からの改造により初代車両が登場した。

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18200系「あおぞらII」

車両形式

要約
視点

18200系

オール2階建て電車であった20100系「あおぞら」は修学旅行列車や団体専用列車に使用されてきたが、老朽化の進行や冷房化が困難であるなどサービス面の陳腐化から置き換えの対象となった。同時期には京都 - 伊勢志摩間の特急(京伊特急)に使用されていた狭幅特急車18200系が特急運用を終了しており、これをベースに1989年に車体の補修と内外装の大幅変更を行い、20100系を代替する新たな団体用車両として「あおぞらII」が登場した[2][3]

編成は2両編成5本を4両編成2本と2両編成1本に組成変更し、車両番号の変更も行われた[4]。塗装は白をベースにライトブルーの塗装に変更され、白い雲の中に「あおぞらII」と書かれたロゴマークが車両前面と側面に貼られた。貫通扉は幌カバーの設置と窓の下方への拡大が行われ、標識灯はLED化された。4両編成の中間運転台は撤去され、荷物置き場やイベントコーナーに改装されている[2]

内装は転換クロスシートであるが、座席モケット・化粧板・床面などの内装色はパステルカラーとして1両ごとに茶系・青系で異なるものとされた[2]。座席間には大型の折り畳みテーブルも設けられ、座席を向かい合わせての利用も考慮されている[2]

車内には音響・映像機器(AV機器)も搭載されている。各車に29インチのカラーモニタテレビとVHSビデオデッキ、音楽用カセットデッキが設けられ、利用客が持参したVHSビデオや音声カセットテープの鑑賞が可能となっている[2]。映像入力端子やAC100V電源も設置されたほか、客室のマイクジャックを利用して音声カセットテープとミキシングすることでカラオケも楽しめるようにされた[5]

4両編成の中間運転台撤去部分に設けられたイベントコーナーの様子は、モニタテレビにより各車両に中継を流すことが可能となっている[5]。運転台には超小型ビデオカメラが設けられ、モニタテレビで前面・後面展望の様子を映すことが可能である[5]。各車両にはデジタル式の速度計が客室に設置されたほか、和式トイレの増設、冷蔵庫の設置、荷物置き場を4両編成で5箇所配置、このほか記念スタンプ台の設置も行われた[5]

修学旅行列車や各種団体列車として使用されたが、2005年に12200系「新スナックカー」の改造車である15200系「新あおぞらII」に置き換えられ、廃車となった[6]

18400系

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18400系「あおぞらII」

京都 - 伊勢志摩間の京伊特急に使用されていた狭幅特急車18400系ミニスナックカー」は1997年より廃車が始まったが、このうち第9編成は「あおぞらII」の増備車に改造された。

改造では特急マークの撤去、塗装変更などの整備が行われている。18200系と異なり、AV機器の設置は行われていない。

2013年の15200系「新あおぞらII」増備車(20100系「あおぞら」復刻塗装車)の改造投入により置き換えられ、同年12月に廃車となった[7]。運用終了直前の2013年10月には特急車時代の塗装が復元されていた[8]

15200系

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15200系「新あおぞらII」

18200系「あおぞらII」の老朽置き換えとサービス向上のため、2005年より12200系新スナックカー」から改造され、形式も15200系に変更された[9]。2014年以降は15200系同士での置き換えも行われている。

愛称は「あおぞらII」を引き継いでるが、前任の18200系との区別のため、厳密には「新あおぞらII」と称し、車体塗装も18200系同様に白に水色となった。車内はリクライニングシートとなり、トイレも和式と洋式の併設となった。

18200系の置き換え用として2005年に改造された編成は、4両編成2本と2両編成1本に組成変更されて登場した。2013年には20100系「あおぞら」の塗装を復刻した2両編成1本が増備され、18400系が置き換えられた[6]。2014年には4両編成2本が追加改造され、2005年に改造された15200系4両編成2本が置き換えられた[10]

2021年からは80000系「ひのとり」の増備で余剰となった12200系の中から2両編成4本が15200系に改造され、従来の15200系4本が置き換えられた[10]

12200系

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「新あおぞらII」転用後の12200系12249F

80000系「ひのとり」の増備で余剰となった12200系のうち、12249Fの4両編成1本は2021年に形式変更・塗装変更を行わず「新あおぞらII」に転用された。外観上の変化としては「あおぞらII」前面ヘッドマークを掲出している。

鉄道ファンからは「スナックカー」と「あおぞら(新あおぞらII)」を掛け合わせて「スナぞら」と通称された[10]

2021年5月26日には12249Fを使用した天理教月次祭の団体臨時列車が五十鈴川駅 - 天理駅間で1往復運転された[11]。12249Fは2023年に廃車となっている。

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出典

参考文献

関連項目

外部リンク

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