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アンキャニィX-MEN
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『アンキャニィX-MEN』(Uncanny X-Men, 旧題: The X-Men)は、マーベルコミックスが1963年より刊行するオンゴーイング・シリーズである。X-メン系のタイトルとしては最も長く続いているシリーズである。シリーズではプロフェッサーXによって指導された若いミュータントのスーパーヒーローたちにより構成されるグループの冒険が描かれる。
スタン・リーとジャック・カービーが創造したシリーズは当初の反応は芳しくなく、1970年からは新作ストーリーの発表が中止された。1975年に『Giant-Size X-Men』が出版され、新しい国際的なチームが登場すると再び注目が集まった。同年の第94号からはクリス・クレアモントがライターに就任し、以後16年にわたって執筆して世界的な人気タイトルに成長した。また『ニューミュータンツ』、『X-ファクター』、『エクスカリバー』、『X-フォース』、『ジェネレーションX』、『X-メン: レガシー』、『ニューX-MEN』、『アストニッシングX-MEN』、『All-New X-Men』といったスピンオフタイトルが刊行された。
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出版の歴史
要約
視点
1963-1970年: 創成期
ライター兼エディターのスタン・リーとアーティストのジャック・カービーが創造したこのシリーズは1963年9月に始まり[1][2]、その創刊号ではオリジナルの5人のX-メン(エンジェル、ビースト、サイクロプス、アイスマン、マーベルガール)とその教師のプロフェッサーX、さらには宿敵であるマグニートーが登場した[3]。当初は隔月刊であったが、第14号(1965年11月)より月刊となった。リーが最後に執筆した19号目までにスカーレット・ウィッチとクイックシルバーが含まれたマグニートーのブラザーフッド・オブ・イヴィル・ミュータンツ[4]、全てのミュータントを破壊するようにプログラムされた巨大ロボットのセンチネルとその発明者のボリバー・トラスク、魔宝石によって特殊能力を得て義弟のエグゼビアへの復讐を企むジャガーノートが登場した。シリーズはマーベル・ユニバースとも密接に連携しており、第6号でネイモア、第9号でアベンジャーズがゲスト出演した。第10号ではジャングルのヒーローのカイ・ザーとサヴェッジランドが導入された[5]。第20号(1966年5月)から第44号(1968年5月)まではロイ・トーマスがライターを務めた。トーマスとアーティストのヴェルナー・ロスは第28号(1967年1月)でバンシーを創造した[6]。第42号ではプロフェッサーXの死を描いてコミックは劇的な一歩を踏み出したが、この時点では永久的に死なせることが意図されていた[7][8]。第45号は『アベンジャーズ』第53号(1968年6月)とクロスオーバーした[9][10]。その後はゲイリー・フリードリヒとアーノルド・ドレイクがライターを担当し、その間に新しくローナ・デイン[11]とハヴォック[12]がX-メンに加わり、さらにジム・ステランコによって新しいロゴがデザインされた。第55号からはトーマスがシリーズのライターに復帰し、アーティストとしてニール・アダムスが加わった[13]。続いてライターとなったデニス・オニールとアダムスは第42号で死亡したエグゼビアはチェンジリングという偽物であったと設定し、第65号で本物のエグゼビア教授を復活させた[14]。第66号(1970年3月)でハルクとの戦いが描かれた後[15]、第67号(1970年12月)から第93号(1975年6月)までは新しいストーリーは収録されずに過去の作品が再収録された。
1975-1991年: クリス・クレアモント時代

『X-Men』は1975年5月にレン・ウェインとデイヴ・コックラムにより『Giant-Size X-Men』第1号としてリランチされた[16]。このタイトルではサイクロプス、バンシー、サンファイア、ウルヴァリンに新キャラクターのストーム、ナイトクローラー、コロッサス、サンダーバードを加えた新しい、国際的なチームが登場した。当初の計画では『Giant-Size X-Men』は季刊誌となる予定であったが隔月刊となり、さらに新作ストーリーは元の『X-Men』誌の方に収録されることになった[8]。クリス・クレアモントが初めてライターを務めたのは第94号であり、サイクロプス以外のオリジナルメンバーはサンファイアと共に去り、さらに第95号ではサンダーバードが死亡した[17]。第65号では人間のX-メン協力者であり、エグゼビアの元婚約者のモイラ・マクタガートが初登場した[17]。第101号ではマーベルガールがフェニックスとなった[18]。これは初のシャイアのスペースオペラ・ストーリーへと続いた。第108号からはコックラムに代わってジョン・バーンがペンシラーとなった[19]。バーンは共同プロッターとなり、彼の参加中にシリーズは再び月刊となった[8]。70年代にX-メンは他にスティーヴン・ラング、センチネル、マグニートー、バンシーの従兄弟のブラック・トム、ジャガーノート、シャイアのエリック・ザ・レッドとインペリアル・ガード、アーケード、ウルヴァリンの元同僚でカナダのスーパーヒーローチームのアルファフライト[20]、マクタガートの息子のプロテウスと戦った[21]。2010年、コミックス・ブレッティンはクレアモントとバーンが運営していた『The X-Men』を「1970年代マーベルトップ10」で2位とした[22]。
1980年の「ダークフェニックス・サーガ」は、チームのラインナップの変更とフェニックス(ジーン・グレイ)の死に繋がり[23]、サイクロプスは彼女を弔うためにチームを離れた。コミックライターで歴史家のロイ・トーマスとピーター・サンダーソンは「『ダークフェニックス・サーガ』のクレアモントとバーンの関係は『ギャラクタス・トリロジー』のスタン・リーとジャック・カービーと同じだ。マーベルの歴史のランドマークであり、能力の頂点で作者の働きが示された」と分析した[24][25]。このストーリーラインではまた、セバスチャン・ショウ、エマ・フロスト、ハリー・レランド、ドナルド・ピアース、元はマグニートーのブラザーフッドの一員であったマスターマインドにより構成されたインナーサークルのヘルファイア・クラブが初登場した。新しいティーンエイジャーのミュータントのキティ・プライドは第129号(1980年1月)に初登場し、第139号でX-メンに加入した。第130号(1980年2月)では歌手のミュータントのダズラーが初登場したが、彼女はチームには入らず、ソロタイトルを持つこととなった。
第141-142号(1981年1-2月)で展開されたストーリーライン「デイズ・オブ・フューチャーパスト」では、大統領候補のロバート・ケリーが暗殺されたことが引き金となって生まれた悲惨な未来を回避するためにタイムトラベルするキティ・プライドが描かれ、ミスティーク率いる新しいブラザーフッド・オブ・イヴィル・ミュータンツが初登場した[26]。バーンはセンチネルがミュータント種に対する本物の驚異として描かれた物語を作り上げた[27]。バーンは第143号を以てシリーズから降板し、その後はコックラムが復帰し、さらにポール・スミスやジョン・ロミータ・Jrが続いた。
1980年代半ばまでに『The Uncanny X-Men』は最も売れたアメリカン・コミックスの1つとなり[28]、ライターやイラストレーターは業界のスターとなり、また多くのスピンオフやミニシリーズへとつながった。マグニートーの複雑な背景も徐々に描かれた。第151号では彼がホロコーストの生存者であることが明かされ、また第161号ではマグニートーとエグゼビア教授がX-メン結成前からの知り合いであったことが描かれた。第199号でミスティークのブラザーフッドのメンバーであったローグが第171号(1983年7月)でX-メンに移籍した。ミスティークのブラザーフッドは転向し、政府公認のフリーダム・フォースとなった。彼らの最初の行動は、「シークレット・ウォーズII」の間にX-メンに近づいていたマグニートーを捕獲することであった。マグニートーは投降するが、自分の裁判が中止されると逃亡し、第200号(1985年12月)で宇宙へと去ったエグゼビアに代わって彼の学校の校長となった。
第169号(1983年5月)ではニューヨークの地下に住むミュータント集団のモーロックスが初登場した。第170号ではストームがそのリーダーとなった。彼女はローグを追う政府軍によってパワーを弱められ、そして創造の力を持つミュータントのフォージと出会った[29]。ストームが故郷のアフリカに戻るためにチームを離れるとナイトクローラーがフィールドリーダーとなった。
『ニューミュータンツ』第18号において「デイズ・オブ・フューチャーパスト」のディストピア的な未来から現代にやって来たレイチェルが描かれ、その後『アンキャニィ』誌にも第184号から登場し、サイクロプスの娘であることが明かされた。
クレアモントは第175号(1983年11月)でマデリーン・プライアーと結婚させることでサイクロプスをシリーズに再登場させ、第201号(1986年1月)で彼女は彼の息子を産んだ。2ヶ月後にオンゴーイングシリーズ『X-ファクター』が創刊され、X-メンのオリジナルメンバー5人が登場した。これでジーン・グレイが復活し(第100号以降に登場した彼女は偽物であると設定補完された)、サイクロプスは妻と子供と別れた。クレアモントは特に後者に反対し、ルイーズ・サイモンソンがライターに就任するまで同誌には否定的であった[8]。
アーティストのアーサー・アダムスが『The Uncanny X-Men Annual』第9号(1985年)を執筆したことによりチームとの長い付き合いが始まり、以後数年にわたって年刊誌のアーティストを担当した[30]。
1986年末にはX-メン系タイトル間での初めてのクロスオーバーとなる「ミュータント・マサカー」が発表され、謎の男ミスター・シニスターの指揮で働くマローダーズによって多数のモーロックスが殺害された[31]。1980年代には他に「フォール・オブ・ザ・ミュータンツ」(1988年)[32]、マデリーン・プライアーがシニスターによって創られたジーン・グレイのクローンであることが明らかになる「インフェルノ」が発表された。キャストも変動し、1987年初頭にはサイロック、ダズラー、ロングショット、ハヴォック、1080年には新しいティーンエイジミュータントのジュビリー、第255号(1989年)でフォージ、『Uncanny Annual X-Men』第14号(1990年)でガンビット[33]が追加された。X-メンはウィンチェスターを離れ、アルカトラズ島、ミューア島、アウトバックなどを転々とした。 『X-ファクター』、『ニューミュータンツ』とクロスオーバーし、ミュータントの権利のためにX-メンがジェノーシャ政府と対決する「エクスティンクション・アジェンダ」は1990年の秋に出版された[34]。
1988年から1990年のあいだは月に2回の刊行となり、その間にアーティストのマーク・シルヴェストリとジム・リーが参加した。1991年には別の『X-メン』誌が創刊され、単に『X-メン』と題された[35]と本誌は月間で続いた。クレアモントはX-ファクターとX-メンがエグゼビア教授と学校で再開する同誌の最初の3号までを執筆した。クレアモントはボブ・ハラスとジム・リーと争った後にマーベルを去った。クレアモントが最後に執筆した『アンキャニィ』第279号は「ミューアアイランド・サーガ」の途中であった[8][36]。
1991-2011年: クレアモント降板後

クレアモント時代終了後、X-メンは2つのカラーチームに分隊され、ブルーチームは『X-メン』誌、アークエンジェル、コロッサス、ジーン・グレイ、アイスマン、ストームから成るゴールドチームは『アンキャニィ』誌に登場した。このメンバーには後に未来からの難民であるビショップが加わった[37]。クレアモント離脱後、第281号から第286号までジム・リーはプロッターを続け、ジョン・バーンがスクリプト化した。バーンは第286号以降はバーンからスコット・ロブデルに代わり、第289号からは完全にライターとして表記された。1992年にはクロスオーバー「エクスキューショナーズソング」が発表され[38]、X-メンのコミックでは2001年までストーリー中で引き継がれることとなるレガシーウイルスの流行を招いた[36]。
クロスオーバーは1990年代も続いた。1993年の「フェイタル・アトラクション」ではX-メンとマグニートーの再戦が描かれ、1994年の「ファランクス・カビナント」では機械生命体ファランクスに焦点が当てられた。『アンキャニィ』誌は過去でエグゼビアが暗殺されたことで生まれた別世界を舞台とした1995年のストーリー「エイジ・オブ・アポカリプス」[39]の進行中は休刊され、『アストニッシングX-MEN』に置き換えられた。ロブデルは1995年から『X-メン』誌のライターも兼任した。
ロブデルは第350号(1997年12月)を以て降板し、スティーヴン・T・シーグルがライターに就任した。第366号(1999年3月)から380号まではシーグルはプロッターとなり、アラン・デイヴィスが就任した。デイヴィスは第370-375号でのアポカリプスが12人のミュータントを拉致するクロスオーバー「ザ・トゥエルヴ」も担当し、同時に『X-メン』誌も執筆し、また隔週発行となった。レボリューション・リランチの一環で、第381号(2000年6月)から第389号までクリス・クレアモントが一時復帰し、そこで彼は新しい『X-Treme X-Men』に移り、またグラント・モリソンは『X-メン』[40]を引き継ぎ、それはX-メンのフラグシップタイトルとなった[36]。2001年からロブデルが短期間復帰した後、2004年まではジョー・ケーシー、チャック・オースティンがライターを担当した。2003年から2004年までは隔月刊であった[36]。
2004年に『X-Men: Reload』でX-メン系タイトルは再編され、クレアモントは『アンキャニィ』第444号より復帰した。ストーリーはジーン・グレイが再び死亡し、サイクロプスがエマ・フロストと交際しているモリソンが確立した新体制を踏まえている。クレアモントは第473号まで残留した。彼が最後に手がけたストーリーは2006年の「Death of the Greys」で、ミュータントの大半がパワーを失ったストーリーライン「ディシメーション」の一部であった。その後はエド・ブルベイカーへと交代し、12話に及びスペースオペラ「The Rise and Fall of the Shi'ar Empire」や「デッドリー・ジェネシス」を執筆した。後者はディシメーション以来初めて誕生したミュータントを扱うクロスオーバー「メサイア・コンプレックス」に繋がった。
マット・フランクションは第500号より共同著者、第504号より単独著者となった。全てのX-メンチームはサンフランシスコに移転し、さらに『ダークアベンジャーズ』誌とのクロスオーバーストーリー「ユートピア」の後はサンフランシスコ湾のユートピア島に移住した[41][42]。「ネイションX」のストーリーラインでは能力を取り戻し、ユートピアに合流するマグニートーに焦点が当てられた[43]。クロスオーバーストーリー「セカンド・カミング」では、「メサイア・コンプレックス」で誕生した赤ん坊であるホープ・サマーズが未来で成長して現代に帰還し、また新たに生まれたミュータントたちである「ファイブ・ライツ」が登場する。このストーリーの最中にナイトクローラーは死亡し、またビーストはサイクロプスのX-フォースの秘密に抗議してチームを離れた[44][45]。
2011-2012年: 第2期
ストーリーライン「スキズム」でX-メンの一部メンバーがウルヴァリンと共にニューヨークに戻り、新しい学園が設立されると第1期シリーズは第544号で終了し、号数をリセットして第2期シリーズへと移行した[48][49]。第2期ではミュータント種の生存を妨げる脅威に立ち向かうためにサイクロプスと残りのX-メンで編成されたエクスティンクションチームが特集される。ライターは引き続いてギランが務め、クロスオーバー「アベンジャーズ vs X-MEN」を経て2012年10月に第20号で終了するまで担当した。サイクロプスは第2期の最後で投獄された[50]。ギランはまた全5号のエピローグ誌『AvX: Consequences』も執筆した[51]。
2013年以降: 第3期
マーベルNOW!の一環として、2013年2月(発行日は2013年4月)に『アンキャニィX-MEN』は第3期にリランチされ[52]、ライターは新たにブライアン・マイケル・ベンディス、ペンシラーはクリス・バチャロが就任した。ベンディスはX-メンタイトルでは他に『All-New X-Men』も執筆している[53]。第3期誌では『All-New X-Men』の後、サイクロプスとエクスティンクションチームの残党から結成された新チームが特集される。チームはミュータントの権利を守るために活動し、ミュータントのために新しい学園を開設する[54]。
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年刊誌
多くのコミックと同様、『アンキャニィX-MEN』も年刊シリーズを持っており、1970年と1971年、そして1979年から2001年まで発行された[55][56]。『Uncanny X-Men Annual』の第2期は2006年に第1号が始まった[57]。
チームロースター
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執筆陣
ライター
ペンシラー
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タイトル
2011年までに『アンキャニィX-MEN』はマーベルコミックスでシルバーエイジに始まったタイトルとしては唯一ナンバリングが断絶せず、それは1970年代初頭の再録期間でさえも続いた。『アメイジング・スパイダーマン』、『アベンジャーズ』、『ファンタスティック・フォー』といった他の古典タイトルは最低一度は第1号から仕切り直されていたのである。オリジナルのナンバリングは2011年10月(発行日は2011年12月)の第544号まで続き、翌月からは新たに第1号となった。
第1号から第93号までの証印タイトルは『The X-Men』であった。第94号から第138号までは冠詞を取って『X-Men』となったが、第139号から第141号までは元に戻った。第114号からはカバータイトルが『The Uncanny X-Men』となり、証印タイトルも第142号[58]から第407合までは同様となった。証印タイトルが『Uncanny X-Men』となったのは第408号からであった。
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