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ウエス
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ウエスは、汚れの拭き取り、不要物の吸収、表面の磨き、緩衝材など使用される故繊維またはそれに類する素材を原料とする拭い布[1]。大量使用・大量消費を前提としており布巾や雑巾とは区別される[2](後述)。国際的にはRag,あるいはWiping Rag,と表記される[1]。
概要
一般に「ウエス」は工場や事業場などで機械や設備の油や水を拭き取るために用いられる布[2]、機械器具類の清掃に用いられる布切れを指す[3]が、一口にウエスといっても用途、素材、色、厚み、大きさなどによって様々な種類がある[4]。ただ布巾や雑巾とは異なり、大量使用・大量消費を前提としており、例えば蒸気機関を動力とする蒸気船では大量のウエスを消費し最終的には燃料として利用された[2]。
広義には、ボロウエス(布ウエス、リサイクルウエス)のほか、新品の生地から製造され洗浄して繰り返し使用されるレンタルウエス、紙製の紙ウエス、不織布を原料とする不織布ウエスなどを含む[1]。
このうち故繊維を原料とするウエスは、古着や反毛とともに故繊維市場の三大用途の一つとされる[1]。ウエスの語源は、Waste(英語ウェイスト:無駄・くず・ぼろ・廃棄物)で、これが訛ってウエスと呼ばれるようになった[1][2][5]。このほかに拭うことを意味する英語のwipeに由来する「ワイパー」の名も用いられる[1]。
主として、一般の家庭から回収された衣料の中からウエスに適したものを選別し[6]、古着や古布を再利用(再使用)して生産される[7]。基本的には綿素材のものが選ばれる[6]。古着や古布を用いるのは、古布の方が油をよく吸う性質があるからである[7]。
かつて、ウエスは欧米向けの主力輸出商品であり[8]、1935年(昭和10年)の統計では日本の主要輸出品目第10位に位置していた[8]。その後も、戦後の混乱期を除き高度成長期までウエス業は盛んだったが[8]、日本での生産費用が上昇し、欧米でもウエス製造が始まったため、ウエス製造は行われていない[8]。なお、レンタルウエスや紙ウエスは昭和40年代後半に登場した[1]。
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ウエスの種類
広義のウエス
先述のように広義には、ボロウエス(布ウエス、リサイクルウエス)のほか、新品の生地から製造され洗浄して繰り返し使用されるレンタルウエス、紙製の紙ウエス、不織布を原料とする不織布ウエスなどを含む[1]。なお、使用済みではなく工場系の端切れ物に由来する加工品をバージンウエスという[2]。
ボロウエス
ボロウエスは、主に家庭で洗い晒され、吸収性の高まった古繊維を人手や簡単な工具で裁断したものである[1]。
汚れが目立ち、汚れをよく吸収する素材であるほど上級品とされ、具体的には白色のメリヤス編みの綿素材が最上級とされる[2]。これ以外では色が薄いものから濃いものへ、綿を多く含むものから少ないものへランクは下がる[2]。
以下は品目による分類である。
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環境評価
ウエス(ボロウエス)は、吸収性の高まった古繊維を人手や簡単な工具で加工したもので、紙やプラスチックのようにリサイクル時に大量のエネルギーを投入しない特性を持つ[1]。また、「繊維製品(衣料品)のLCA調査報告書」(経済産業省繊維課、2003年)は、古着ウエスとバージンウエスの比較を消費エネルギーと環境負荷の2つの原単位で比較し、古着ウエスは環境・資源面で優位であるとしている[2]。
ところが、ウエスの中でも故繊維は逆境にあるとされ、以下の点が指摘されている[1]。
脚注
関連項目
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