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オオマツヨイグサ

アカバナ科マツヨイグサ属の二年草 ウィキペディアから

オオマツヨイグサ
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オオマツヨイグサ学名: Oenothera glazioviana)はアカバナ科マツヨイグサ属二年草北米大陸の原種をもとに、ヨーロッパで作り出された園芸種ともいわれる[4]。日本では帰化植物の一つとされ、誤ってツキミソウともよばれる[4][注 1]。和名はマツヨイグサよりも大形の意味である[6]中国名は、黃花月見草[1]、紅萼月見草[5]

概要 オオマツヨイグサ, 分類(APG III) ...
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特徴

二年草または短命な多年草[7]、直立して高さは50 - 150センチメートル (cm) になる[4][7]は全体に硬い毛が生え、毛の基部が膨れて暗赤色の凸点になる[4]根性葉は地面に張り付いてロゼットをつくり[6]、柄がついて葉先が円くなるが、茎上の葉は無柄で葉先が尖る[4]。茎の葉は狭楕円形から披針形で、長さ5 - 15 cm、幅2.5 - 4 cm[7]。ともに縁にはまばらに鋸歯があり、葉面は凹凸があって中央脈は白色を帯びる[4]

花期は夏(7 - 10月)[4][7]は径8 cm内外[5]、無柄で子房下位[4]。自家和合性があり、夕方に咲いて翌朝にしぼむ[6][7]。黄色い花弁は4枚で、広倒卵形で長さよりも幅のほうが大きい[4][7]。花がしぼむと黄色から赤橙色に変わる[7]雄蕊は8個、雌蕊は1個で、花柱は雄蕊よりも長く[5]、先が4裂する[4]。葯は長さ10 - 12 mmで、花粉は大小あり、稔性は半分程度である[7]の下部は長さ3 - 5 cmの筒形になり[4]、萼片は長さ2.8 - 4.5 cm[7]が4個で2片ずつついて、花が開くときには外側へ反る[6]

果実蒴果)は長さ2 - 3.5 cmほどの狭披針状で[7]、赤色の点があり、熟すと4片に裂けるが裂片は強く反り返らない[4]種子は褐色から黄褐色、長さ1.3 - 2 mmで角張っており、皺も多い[4][7]染色体数 2 n=14[5]

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起源と分布

オランダの植物学者ユーゴー・ド・フリース突然変異説の研究材料として知られる植物であるが、その由来は必ずしも明らかではなく、北米産の種類をもとに、ヨーロッパで作出された園芸植物と推定されている[5]。雑種起源で、ヨーロッパの庭園で作出されたともいわれる[7]。本種は、南北アメリカヨーロッパアシアアフリカオーストラリアと世界的な広範囲に分布する[7]

日本には明治初年(1870年)ごろに入ったとされ、その後に多く野生化し、北海道から西南諸島まで日本全土に分布[4][6][7]。河原や海浜に群生していたが、現在ではアレチマツヨイグサOenothera parviflora)などに置き換わって数が減少しており、むしろ山間部で見られるようになった[5]。開けた攪乱された場所に多い[7]

学名

本種について、日本では長らく学名を Oenothera lamarckiana auct. non Ser. を用いてきたが、原寛 (1995) は、北アメリカのマツヨイグサ属を研究した Munz (1949) の見解を紹介して、Oenothera erythrosepala (Borbás) Borbás をその学名に用いるべきだと主張した[7]。一方、Dietrich, Wagner, Reven (1997) は、ブラジルリオデジャネイロを原産地として、1875年に記載された表記の学名を採用し、Oenothera erythrosepala (Borbás) Borbás を含む40の学名をそのシノニム(異名)とした[7]。Wagnerは、英文版の日本植物誌 “Flora of Japan” でもこの見解を踏襲している[7]

脚注

参考文献

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