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ナガバキタアザミ

キク科の種、亜種 ウィキペディアから

ナガバキタアザミ
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ナガバキタアザミ(長葉北薊、学名:Saussurea riederi subsp. yezoensis)は、キク科トウヒレン属多年草。チシマキタアザミ(学名:Saussurea riederi)を分類上の基本種とする亜種[5][6][7][8]

概要 ナガバキタアザミ, 分類(APG III) ...
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特徴

は直立し、高さは30-100cmになり、分枝しないか上部で多少分枝し、上部に短い縮毛があり、幅の狭い翼がある。花時には根出葉はふつう存在しない。は互生し、茎の下部から中部につく葉は草質で、葉身は広卵形から卵形または細長い三角形になり、長さ3-8.5cm、先は鋭尖頭、基部は切形から心形、縁に粗い鋸歯がある。葉の両面に細毛がまばらにあり、長さ3-9cmになる葉柄があり、翼がある。茎の上部につく葉はしだいに小さくなり、基部は茎を抱く[5][6][7][8]

花期は7-8月。頭状花序は散房状または複散房状に10個内外が密集してつき、花柄は3-8mmと短い。総苞は上部が黒紫色で、長さ8-12mm、径4-5mmになる狭筒形、総苞片は6-7列あり、片は圧着し、外片は広卵形になり、先は尾状に伸びる。総苞の表面に縮れたくも毛がある。頭花は筒状花のみからなり、花冠の長さは9-10mm、色は紅紫色になる。果実は長さ4mmの痩果になる。冠毛は2輪生で、落ちやすい外輪は長さ0.5-4.5mm、花後にも残る内輪は長さ7mmになる[5][6][7][8]

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分布と生育環境

亜種として日本固有種[9]。南千島、北海道、本州の東北地方北部(早池峰山)に分布し、高山の草原に生育する。北海道の代表的な高山植物の一つであり、大きな群落を形成することがある。早池峰山に分布するものは、花序が複散房状になって大型になり、総苞片の中片と外片の先端部の尾状突起があまり長く伸長しない[5][6][7][8]

名前の由来

和名ナガバキタアザミは、「長葉北薊」のこと[5][6]で、日本の北地に産し、葉が長いことによる[7]

種小名 riederi は、採集者「リーデル(Rieder)の」の、亜種名 yezoensisは、「北海道の、蝦夷の」の意味[6][7]

ギャラリー

下位分類

  • シロバナキタアザミ Saussurea riederi Herder subsp. yezoensis (Maxim.) Kitam. f. albiflora (Koidz.) H.Hara[10] - 白花品種[5][8]
  • オクキタアザミ Saussurea riederi Herder subsp. yezoensis (Maxim.) Kitam. var. japonica Koidz.[11] - 茎の高さは20-60cmになり、茎葉は卵形から広卵形あるいは三角状卵形、基部は切形からくさび形、葉柄に広い翼がある。総苞は緑色で縁のみが暗紫褐色になり、総苞片は6-7列、外片と中片は卵形から長卵形で先端が芒状に伸長し、ナガバキタアザミのそれより長い。花冠は長さ10mm。日本固有種。本州東北地方北部(焼石岳、羽後朝日岳、鳥海山)に分布し、高山帯の草地に生育する[5][6][8]
  • チシマキタアザミ Saussurea riederi Herder[12] - ナガバキタアザミの分類上の基本種。茎の高さ10-40cm、根出葉が花時にも生存することが多く、葉身は三角状卵形で幅が広い。総苞片は4-6列、外片は尾状に伸長しない。千島列島中部からカムチャツカ半島南部に分布する。カムチャツカ半島南部は、チシマキタアザミの基準産地である[8]
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脚注

参考文献

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