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オジロワシ

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オジロワシ
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オジロワシ(尾白鷲、Haliaeetus albicilla)は、タカ目タカ科ウミワシ属に分類される鳥類。

概要 オジロワシ, 分類 ...
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分布

ユーラシア大陸デンマークグリーンランド南部)、日本

ユーラシア大陸北部で繁殖し、冬季になると中華人民共和国東部、ペルシャ湾周辺に南下し越冬する。東ヨーロッパや西アジア、中華人民共和国北東部などでは周年生息する。日本では主に基亜種が冬季に北日本に飛来(冬鳥)するが、北海道北部および東部では周年生息する個体もいる(留鳥)。2010年1月に開催された環境省の保護増殖分科会では、北海道内で越冬する個体数は約1,700羽(うち、つがい約140組)という数を示している。また、かつては対馬に定期的に飛来する個体がいた。

形態

全長70 - 98cm。翼開長180 - 240cm。体重3 - 7kg。全身は褐色の羽毛で覆われている。頭部は淡褐色や淡黄色の羽毛で被われる。尾羽は12枚で短く、やや楔形。尾羽の色彩は白い。種小名albicillaは「白い尾の」の意で、和名や英名(white-tailed)と同義。翼の後縁は直線的で飛翔時には長方形に見える。なお同属のオオワシの方が白い部分が多い。

虹彩は淡黄色。嘴や後肢の色彩は淡黄色。

幼鳥は全身が褐色や黒褐色の羽毛で被われ、上面や下雨覆に白い斑紋、尾羽に褐色の斑紋が入る。また虹彩が褐色で、嘴の色彩が黒い。成長に伴い全身の斑紋は消失し、虹彩や嘴の色彩は黄色みを帯びる。

分類

以下の分類は2016年現在IOCで採用されている分類に従う[6]。一方で2016年現在Clements checklistでは亜種を認めていない[7]

Haliaeetus albicilla albicilla (Linnaeus, 1758) オジロワシ[4][3]
上記の分布のうちグリーンランドを除く分布域[4]。日本では少数が北海道北部、東部[8]で周年生息する(留鳥)[3]。冬季にロシアから主に北海道に飛来し、本州北部から中部に飛来することもあり、まれに九州や南西諸島に飛来することもある(冬鳥)[3]
Haliaeetus albicilla groenlandicus Brehm, CL, 1831
グリーンランド

生態

海岸河川などに生息する。単独もしくはペアで生活するが、冬季になると集団で休む事もある。

食性は動物食で、魚類鳥類、哺乳類、動物の死骸などを食べる。ヒツジの幼獣、タンチョウの雛を襲い食べることもある。水面付近にいる獲物は急降下して捕らえる。

繁殖形態は卵生。高木の樹上や断崖に木の枝を組み合わせた巣を作り、3-4月に1回に2個の卵を産む。主にメスが抱卵し、抱卵期間は約38日。雛は孵化してから70-75日で飛翔できるようになり、さらに35-40日後に独立する。生後5-6年で性成熟し、生後6-7年で成鳥羽に生え換わる。ヨーロッパでの平均寿命は20年以上とされる[3]

人間との関係

要約
視点
H. a. albicilla オジロワシ
日本では1990年以降は確認数は増加傾向にあるが、一方で近年は繁殖率が低下傾向にある[3]。風力発電所への衝突事故[9]、森林伐採・土地造成・道路建設による営巣地の破壊、湖沼・河川・海岸開発による採食場所および獲物の減少、工事やカメラマンによる繁殖の攪乱、狩猟用の銃弾による鉛中毒、電線による感電死、人工の繁殖地への依存および過密化などが懸念されている[3][10]。スコットランドでは絶滅したが、再導入された。日本では1970年に国の天然記念物に指定されている[11]1993年種の保存法施行に伴い国内希少野生動植物種に指定されている[12]。北海道では1954年に初めて繁殖が確認され、1998年に56ペア、2008年に約150ペアの繁殖が確認されている[3]。2020年代には、釧路湿原で建設が進められている大規模太陽光発電所(メガソーラー)が本種の繁殖への新たな脅威となっていることが指摘されている[13][14][15]
絶滅危惧II類 (VU)環境省レッドリスト[3]
Status jenv VU.svg
Status jenv VU.svg

日本ではハリアエエトゥス・アルビキルラとして特定動物に指定されている[12]

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画像

出典

参考文献

関連項目

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