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ラ・ラ・ランド (サウンドトラック)
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『ラ・ラ・ランド - オリジナル・サウンドトラック』(英: La La Land: Original Motion Picture Soundtrack)は、2016年公開の映画『ラ・ラ・ランド』のサウンドトラック・アルバムである。インタースコープ・レコードから2016年12月9日に発売され、アメリカ合衆国のBillboard 200では最高順位2位に上り詰めたほか、全英アルバムチャートでは1位を獲得した。日本ではユニバーサルミュージックから2017年2月17日に発売された。
映画のヒットを受けて、スコア盤・配信限定のコンプリート版も発売されている[3][4]。本項ではアルバムの収録曲についても取り扱う。
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制作
『ラ・ラ・ランド』の歌や映画音楽は、デイミアン・チャゼル監督のハーバード大学時代の同級生、ジャスティン・ハーウィッツが作曲・オーケストレーションを担当した[5]。ハーウィッツは、先行するチャゼルの監督2作品[注釈 2]の音楽も担当している[5][6]。作詞はパセク&ポールが担当したが[7][8]、"Start a Fire" はジョン・スティーヴンス(ジョン・レジェンド)、ハーウィッツ、マリウス・デ・ヴリース、アンジェリーク・シネル(英: Angélique Cinélu)の共作で作られた。
収録曲
要約
視点
曲は映画での使用順に収録されている。通常版には全15曲、スコア盤には全30曲が収録され、コンプリート版には『テイク・オン・ミー』などを加えた44曲が収録された。日本でのスコア盤リリースは2017年3月15日[3][4]、コンプリート版の配信開始は同年2月24日[9]。またコンプリート版は映画本編のディスク発売に合わせてCDでも発売されたほか[10]、2017年9月にはアナログ盤LPレコードとしても発売された[11]。
コンプリート版に収録されているセロニアス・モンクの "Japanese Folk Song" は、滝廉太郎の『荒城の月』をアレンジしたもので、元々モンクによる1966年のアルバム "Straight, No Chaser" (en) に収録されたものである[12][13][14]。またコンプリート版には、劇中セブが弾く曲として使われた『テイク・オン・ミー』(オリジナル:a-ha)、『アイ・ラン』(オリジナル:フロック・オブ・シーガルズ)の他[15]、クリスマス・ソング2曲(『ひいらぎかざろう』・『きよしこの夜』)も追加収録されている。その他の収録曲は、ハーウィッツが映画のために書き下ろしたオリジナル曲である[16]。
通常版収録曲
→「ラ・ラ・ランド § ストーリー」も参照
- 1. Another Day of Sun
→詳細は「§ アナザー・デイ・オブ・サン」を参照
- 2. Someone in the Crowd
- 「冬」の部、ミア(演:エマ・ストーン)をパーティに誘うルームメイトのトレイシー(演:キャリー・ヘルナンデス)・アレクシス(演:ジェシカ・ローズ[注釈 3])・ケイトリン(演:ソノヤ・ミズノ)が歌う曲。その後4人でのダンスシーンやパーティシーンを挟み、パーティで思うような結果が出せなかったミアは失望を歌う。
- 3. Mia & Sebastian's Theme
- 「冬」の部、セブ(演:ライアン・ゴズリング)がバーで弾いているフリージャズの曲で、パーティ帰りのミアはこの曲に惹かれて店内へ足を踏み入れる。
- 4. A Lovely Night
- 「春」の部、セブとミアのふたりがグリフィス・パークの坂で共に踊る曲で、エマ・ストーンはこの曲をお気に入りに挙げている[19]。マジックアワーに、恋が始まりそうなふたりならどんなにロマンチックか語り合う曲で、歌詞と裏腹にふたりは反目し合ったままである[20]。
- 5. Herman's Habit
- 「春」の部、ジャズが嫌いと話したミアにジャズを教えるため、セブが連れて行ったバーで演奏されている曲。
- 6. City of Stars
- 「春」の部、セブが埠頭 (Hermosa Beach pier) でひとり歌う曲[21]。その後「夏」の部でミアと共にデュエットする曲としても使われ、アルバム9曲目として再収録されている。
- 作曲者のハーウィッツは、曲について次のように語っている。
- 7. Planetarium
- 「春」の部、グリフィス天文台に忍び込んだふたりが踊るワルツ曲。"Mia & Sebastian's Theme" がモチーフとして再利用されている[23]。
- 8. Summer Montage / Madeline
- 「夏」の部、セブとミアのデートシーンの裏で流れ、その後ジャズバーでのセッションシーンに繋がる[24]。
- 9. City of Stars (feat. Ryan Gosling and Emma Stone)
- 「夏」の部、同棲するセブとミアが自宅アパートでデュエットするもの[21]。
- 10. Start a Fire
- セブが学友のキース(演:ジョン・レジェンド)に誘われて加入したコンボ「メッセンジャーズ」の曲[25]。
- 11. Engagement Party
- 「秋」の部、婚約パーティのピアニストを務めるセブが弾く曲。2曲目に収録された "Someone in the Crowd" がスロー・アレンジされて使用されている[23]。
- 12. Audition (The Fools Who Dream)
- 「秋」の部で、一人芝居が配役担当者の目にとまったミアが、オーディションでおばの話を引きつつ、夢追い人の素晴らしさについて語る曲[26][27]。
- 作曲者のハーウィッツは、曲について次のように語っている。
- 13. Epilogue
- エピローグでセブとミアのアナザーストーリー部分に使用される曲。冒頭部分にはセブの弾く "Mia & Sebastian's Theme" が挿入されている。
- 14. The End
- 映画最終シーンでエンドカードが提示されるシーンの曲。
- 15. City of Stars (Humming) (featuring Emma Stone)
- エンドクレジット使用曲。
トラック・リスト
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アナザー・デイ・オブ・サン
要約
視点
映画のオープニング・ナンバーで、ロサンゼルスの交通渋滞に巻き込まれた人々が、ハリウッドでの成功を夢見て歌い踊るアンサンブル[31]。ハーウィッツは、成功を夢見つつも先行きは見えない歌手たちの不安について歌ったこの曲について、「楽天的な歌だが、達成できていない夢に関する歌でもある」と語っている[32]。作詞を担当したポールは、「夢を追い、寝床に入って翌朝起きれば、素晴らしい1日になる。そうすれば一息つけるし、その一息は自分が惨めにも失敗したなんてことを認めさせようとはしない。起きた時の気分に[失敗は]似合わない。光り輝く1日になるんだ」と語っている[33]。ハーウィッツは主にメジャー・コードを使いつつ、マイナー・コードを混ぜる速いテンポの曲として作曲し、「見た目よりももっとほろ苦い」曲に仕上げた[注釈 6]。曲ではバックコーラスが何重にも重ねられ、95人構成のオーケストラと40人の合唱団が収録に参加した[22][34]。ハーウィッツは映像に登場するアンサンブルのメンバー毎に、オーケストラの異なる楽器を当てて作曲するよう試みた[22]。
当初の題名は "Traffic" で、後に現在の題名へ改題された[35][17][18]。
撮影と振り付け

この曲のダンス部分の撮影は、2015年8月に、摂氏37度を超える炎天下の2日間にわたって道路を借り切って行われた[36][37][38]。本編シーンの撮影はジャッジ・ハリー・プレガーソン・インターチェンジの130フィート (40 m)あるランプで3回行われ[37][38]、これを繋げて6分間の長回し1カットに編集された[22][39]。貸し切りはランプの一部のみだったため、このシーンの映像には通常の車の往来も映り込んでいる[40]。当初は地面と同じ高さのランプで撮影される予定だったが[36]、街の巨大さを表現するため、高架での撮影に切り換えられた[40]。デイミアン・チャゼル監督は、このシーンのロケーションを『オズの魔法使』(1939年)に登場する黄色いレンガ道になぞらえている[40][41]。
振り付けを担当したマンディ・ムーアは、60台以上の車、30人のダンサー、100人のエキストラを使い、3〜4ヶ月をかけてシーン撮影の準備を行った。シーンは、誰かひとりが突然踊り出す演出を避けるため、1人のダンサーが踊り始めるところから始まり、次第に他のダンサーがこれに加わるように振り付けられた[37]。アンサンブルには複数のスタント・パーソンも参加している[42]。最初のリハーサルは、撮影所の駐車場でスタッフの車20台を使い、10人のダンサーが参加して行われた[37]。
当初この曲の前には序曲が付けられる予定だったが、編集の段階でオープニングが長すぎてもたつくために中止された。編集を担当したトム・クロスは、チャゼルが「観る人がこれをミュージカルだと実感するためには、始まりでしっかりアナウンスしなければいけないと理解した」と語っており、最終拍に合わせて題名を表示することでこの曲を序曲として用いることにした[43]。
映画のオープニングシーンでは、最初のフレーズに合わせてダンサーのレシュマ・ガジャール(英: Reshma Gajjar)が登場するが、実際にこの部分を歌うのは歌手のアンジェラ・パリッシュ(英: Angela Parrish)である(またパリッシュの登場シーンは映画に存在しない)[44]。制作陣は「カメラの前で歌も踊りもできる」女性を求めていたが適任者が見つからず、まずダンサーのみで撮影を行い、2016年春に行われたポストプロダクション時に歌手のオーディションを行う方針に切り換えた[44]。
受賞とノミネート
要約
視点
→「ラ・ラ・ランドの受賞とノミネートの一覧」も参照
映画本編の賞レース善戦と同様、作曲を担当したジャスティン・ハーウィッツ、劇中歌の "Audition (The Fools Who Dream)"・"City of Stars" も多くの映画賞でノミネートを受けた。ミアが「秋」の部のオーディションで歌う "Audition (The Fools Who Dream)" は、アカデミー賞を含む7つの映画祭でノミネートを受けたほか、セブが埠頭でひとり歌い、その後ミアとデュエットする "City of Stars" は8つの映画祭でノミネートされ、その内6賞を獲得した(詳細は表参照)。
第74回ゴールデングローブ賞では、『ラ・ラ・ランド』がノミネートされた7部門全てを制し、ハーウィッツが作曲賞、"City of Stars" が主題歌賞を獲得した[45][46]。 第89回アカデミー賞ではハーウィッツがアカデミー作曲賞を獲得した[47]。また、収録曲の "City of Stars"、"Audition (The Fools Who Dream)" がアカデミー歌曲賞にノミネートされ、前者が歌曲賞を獲得した[47][48]。アカデミー賞授賞式では、映画にも出演したジョン・レジェンドが、歌曲賞にノミネートされた2曲を演奏した[49][50]。
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チャート順位
Another Day of Sun
City of Stars
Audition (The Fools Who Dream)
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認定
派生作品
第74回ゴールデングローブ賞のコールドオープンでは、『ラ・ラ・ランド』のミュージカルシーンのパロディが放送され、"Another Day of Sun"・"City of Stars" の替え歌と、劇中曲の "Planetarium" が用いられた[133][134]。"Another Day of Sun" を使用したシークエンスでは、レッドカーペットの途中で渋滞にはまり込んだプレゼンターのジミー・ファロンの前に、この年のノミネートを受けた俳優たちが大勢登場する演出が行われ、ニコール・キッドマン、エイミー・アダムス、ジョン・トラボルタ、サラ・ポールソン、ラミ・マレック、キット・ハリントンなどが登場した[135][136][137][138]。"City of Stars" を使用したシークエンスではジミー・ファロンが替え歌を披露したほか、本作主演のライアン・ゴズリングとファースト・ネームが同じライアン・レイノルズ[注釈 9]やティナ・フェイが登場し、その後の "Planetarium" を用いたダンスシーンではジャスティン・ティンバーレイクも登場した[137][138]。このシーンの振り付けは『ラ・ラ・ランド』本編も担当したマンディ・ムーアが行った[137]。
第89回アカデミー賞では、アカデミー作品賞発表時に『ラ・ラ・ランド』と『ムーンライト』が取り違えられるハプニングがあったが、ジェームズ・コーデンは自身のYouTubeアカウントにこのシーンを揶揄する動画をアップロードした[140]。動画には "Audition (The Fools Who Dream)" が使われている[141][142][143]。
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脚注
外部リンク
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