トップQs
タイムライン
チャット
視点
ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ
ウィキペディアから
Remove ads
「ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ」(Got to Get You into My Life)は、ビートルズの楽曲である。1966年に発売された7作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『リボルバー』のB面6曲目に収録された楽曲で、クレジットにはレノン=マッカートニーと表記されているが、主にポール・マッカートニーによって書かれた楽曲[4][5]。ブラスを加えたサウンド[6]やサイケデリック体験を思わせる歌詞が特徴となっていて、アレンジ面ではモータウンの影響を受けている。ビートルズ版と同年にマッカートニーがプロデュースのもと、クリフ・ベネット・アンド・ザ・レベル・ラウザーズによるカバー・バージョンが発売され、全英シングルチャートで最高位6位を記録した。
活動期にシングル・カットされることはなかったが、解散から6年後の1976年にアメリカでコンピレーション・アルバム『ロックン・ロール・ミュージック』からの先行シングルとして発売され、Billboard Hot 100で最高位7位を記録した[7]。
Remove ads
作曲・レコーディング
レノン=マッカートニー名義となっているが、主な作者はマッカートニーで[4][5]、リード・ボーカルも歌っている[8]。「ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ」のレコーディングは、1966年4月7日から6月17日にかけてEMIレコーディング・スタジオで行われ、最初のテイクと最終バージョンとで大幅にアレンジが変更された[9]。『リボルバー』のレコーディング・セッションの2日目に採り上げられた時は、アコースティック・ギターとハーモニウムを主体としたアレンジになっており、マッカートニーとジョン・レノンとジョージ・ハリスンがアカペラで「I need your love」というフレーズを繰り返すセクションもあった[10][注釈 1]。5月18日に外部ミュージシャンによるブラス・セクションの録音が行われた[11]。ブラス・セクションは、楽器の近くにマイクを置いて録音し、リミッターがかけられている。なお、ビートルズの楽曲でブラス・セクションが含まれたのは、本作が初となる[12][13]。なお、ブラス・セクションを加える際にファズを効かせたギターでアレンジを試しており、発売された音源でもこのギターの音は残されている[14]。
本作は、ブラス・セクションのファンファーレから始まり、曲が始まってから7秒後にマッカートニーのリード・ボーカルが入り、1分4秒のところでコーラス部分に入り、曲のタイトルが歌われる。1分53秒のところで短いエレクトリック・ギターのソロに入り、2分10秒のところでブラス・セクションのファンファーレが再び登場する。曲は、マッカートニーのボーカルがフェード・アウトして終わる。
マッカートニーは、1997年に出版された伝記『ポール・マッカートニー: メニー・イヤーズ・フロム・ナウ』で、「『ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ』は“人”ではなく、“マリファナ”がテーマ」と明かしており[4]、『アンカット』誌のインタビューでも同様の発言をしている[15]。
Remove ads
リリース・評価
「ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ」は、1966年8月5日にパーロフォンより発売された[16]オリジナル・アルバム『リボルバー』のB面6曲目に収録された[17]。音楽学者のウォルター・エヴェレットは、本作について「アルバムで最も人気のある楽曲」と説明しており[11]、実際に1966年に発売されたクリフ・ベネット・アンド・ザ・レベル・ラウザーズによるカバー・バージョンは、全英シングルチャートで最高位6位を記録した。音楽評論家のティム・ライリーは本作を「最も派生的な楽曲」と評する一方で、ビートルズがそのスタイルをうまく取り入れたことを示す本格的なR&Bナンバーとしている[18]。特にライリーは、ハリスンのギターのブレイクから続く曲のエンディング部分を称賛している[18]。また、1980年に『プレイボーイ』誌のインタビューで、レノンは「ポールの曲で、彼のベストのうちの一つ。歌詞が良い。僕が書いたんじゃない。ポールだって努力すれば良い歌詞が書けるんだよ。その良い例がこの曲だ」と語っている[5]。
ビートルズの解散から6年後の1976年にコンピレーション・アルバム『ロックン・ロール・ミュージック』からの先行シングルとして、アメリカ、カナダ、ニュージーランド、オランダ、イタリア、オーストラリア、日本などの国で「ヘルター・スケルター」をB面に収録したシングル盤が発売された[11]。Billboard Hot 100で最高位7位を記録した[19][7]、1976年度年間ランキングでは78位[20]。『キャッシュボックス』誌では、最高位第3位を記録し[21]、1976年度年間ランキングでは89位だった[22]。
本作を発売した当時、ビートルズは『リボルバー』に収録された楽曲をコンサートで演奏しないと決めており[23]、1966年8月のアメリカツアーをもってコンサート活動を終えたため、本作はビートルズ活動期にライブ演奏されなかった。1979年、ウイングスによるイギリスツアーでライブ初披露後、1989年から1990年のワールドツアーなどで演奏された。
Remove ads
チャート成績(ビートルズ版)
週間チャート
年間チャート
認定(ビートルズ版)
クレジット
※出典[8]
- ビートルズ
- 外部ミュージシャン
- ジョージ・マーティン - オルガン
- エディー・ソーントン - トランペット
- イアン・ヘイマー - トランペット
- レス・コンドン - トランペット
- アラン・ブランスクーム - テナー・サクソフォーン
- ピーター・コー - テナー・サクソフォン
カバー・バージョン
要約
視点
アース・ウィンド・アンド・ファイアーによるカバー
1978年7月にアース・ウィンド・アンド・ファイアーによるカバー・バージョンが、コロムビア・レコードからシングル盤として発売された[30]。B面には「聖なる愛の詩」が収録された。アース・ウィンド・アンド・ファイアーによるカバー・バージョンは、1978年に公開された映画『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』で使用され、同作のサウンドトラック盤にも収録された。シングル盤は、全英シングルチャートで最高位33位[31]、Billboard Hot 100で最高位9位[32]、Hot Soul Singlesチャートで第1位を獲得した[33]。また、アメリカレコード協会からはゴールド認定を受けた。
評価
『デイリーニューズ』誌は、アース・ウィンド・アンド・ファイアーによるカバー・バージョンを「非常にクール」と評し[34]、オールミュージックは「最高のリメイク」と評した[35]。また『キャッシュボックス』誌は「革新的な演奏」と評している。
本作は、グラミー賞の最優秀ポップ・パフォーマンス賞にノミネートされ、最優秀ヴォーカル入りインストゥルメンタル編曲賞を受賞した[36]。
チャート成績(EW&F版)
認定(EW&F版)
その他のアーティストによるカバー
- クリフ・ベネット・アンド・ザ・レベル・ラウザーズ - 1966年にマッカートニーをプロデューサーに迎えてシングル盤として発売。全英シングルチャートで最高位6位を記録した[42]。
- クリス・クラーク - 1967年に発売されたアルバム『Soul Sounds』に収録[43]。
- ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズ - 1975年に発売されたアルバム『New City』に収録[44]。
- ビータリカ - 2009年に発売されたアルバム『Masterful Mystery Tour』に、メタリカの楽曲「トラップド・アンダー・アイス」とマッシュアップした「Got to Get You Trapped Under Ice」を収録した。
- ザ・ペンフレンドクラブ - 2024年のアルバム『Back In The Pen Friend Club』に収録。
Remove ads
脚注
参考文献
外部リンク
Wikiwand - on
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Remove ads