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シロイチモジヨトウ
ヤガ科の昆虫の一種 ウィキペディアから
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シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua[1]、英: Beet armyworm[2])は、チョウ目ヤガ科キリガ亜科スジキリヨトウ族に属する昆虫[1]。熱帯域から温帯域に生息する広食性の農業害虫である[2]。

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分布
東アジア、東南アジア、ヨーロッパ、アフリカ、北アメリカなどに分布する[1]。英名のBeet armywormの通り、世界的にはテンサイやワタに被害を及ぼす長距離移動性の重要害虫として位置づけられている[1][2]。
日本では1983年(昭和58年)頃から鹿児島県や高知県のネギ産地を中心に発生が問題化し、1990年(平成2年)には27府県にまで被害が広がった[1]。その後、新しい殺虫剤が市場に登場し、合成性フェロモン剤を利用した交信かく乱法や黄色防蛾灯等の普及により全国的な多発生は落ち着いていた[1]。しかし、2016年(平成28年)から再び西日本を中心に多発生が報告されるようになった[1]。
形態
成虫
成虫は体長約12mm[2][3]、翅開張は30mm前後[2][3]。前翅は灰褐色で黄褐色の環状紋(円形小斑紋)が2対ある[2][3]。後翅は白く半透明[2]。昼間は葉裏や雑草地に潜んでおり、夜間に活動し、長距離移動する[2][3]。
雌は葉裏に数十から数百粒の卵塊を数回に分けて産卵し、1頭当たり平均で1,000粒産卵する[2][3]。卵塊は黄白色~灰白色の鱗毛で被われる[2][3]。
幼虫
体色は若齢期には淡緑色だが、中齢以降になると淡緑色、緑褐色、暗褐色と著しく変化する[2][3]。胴部側面に白線があり(シロイチモジの名の由来[4])、気門周辺にピンク色の斑紋がある[2]。
寄主植物
広食性で寄生植物は26科64種が知られている[2]。野菜類ではマメ科、アブラナ科、ウリ科、ナス科、キク科、ユリ科、アオイ科、シソ科、セリ科、アカザ科、ヤマノイモ科、イチゴ、スイートコーン等を加害する[2]。また、花き類ではカーネーション、ガーベラ、キク、グラジオラス、スターチス、トルコギキョウ、宿根カスミソウ、ケイトウ等を加害する[2]。
被害
葉、花蕾、花弁、果実を食害する[2]。隙間に潜り込んだり、葉を綴り合せて内部から食害する習性があり、薬剤防除を難しくしている[2]。
出典
関連項目
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