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スカボロー・フェア
イギリスの民謡、バラッドの楽曲 ウィキペディアから
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『スカボロー・フェア』(Scarborough Fair)はイギリスの伝統的バラッドである。
この歌は、スカーバラ(スカボロー)の市(フェア)で、聴き手に昔の恋人への伝言を頼むという形式を取っており、「縫い目のないシャツ」を作ったり、それを「乾いた井戸で洗う」など、一連の不可能な仕事を成し遂げてくれれば、再び恋人になれるだろうと歌っている。
『スカボロー・フェア』の歌詞はバラッド『エルフィンナイト』[1]に共通したものが見られ、これは1670年頃に遡る。18世紀末には現在の『スカボロー・フェア』とほぼ同様の歌詞が記録されているが[2]、「スカーバラの市」に言及するバージョンの最古の例は1883年のものである[3]。古いバージョンでは伝言形式ではなく、そのため地名に対する言及もないものや、伝言形式であっても他の地名に言及しているものが見られる(ウィッティンガムの市、ケープアン、"twixt Berwik and Lyne" など)[4]。
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歌詞
要約
視点

歌詞には多くのバージョンが存在する。以下は男性と女性のデュエット向けの歌詞の一例である。
リフレイン
"Parsley, sage, rosemary, and thyme" というリフレインは、古いものではジョセフ・リトソンの Gammer Gurton's Garland (1783 or 1784) に収録されている ”The cambrick shirt" [2]に既に見られるが、これとは異なる多くのバージョンが存在する。
- Sweet savory grows, rosemary and thyme[5]
- Saffron, sage, rue, myrrh, and thyme[6]
- Sober and grave grows merry in time[7]
- Every rose springs merry in' t' time[8]
- Let ev’ry rose grow merry in time[9]
これらは通常 "And then (s)he’ll be a true love of mine" ないしこれに類する句と対にされる。
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旋律
フランク・キッドソンの Traditional Tunes (1891) [10]には2種類の『スカボロー・フェア』の楽譜が収録されているが、いずれも現在良く知られているものとは全く異なる陽気でユーモラスなメロディである。
サイモン&ガーファンクルの演奏などで有名な『スカボロー・フェア』のメロディは、イワン・マッコールとペギー・シーガー(Ewan MacColl & Peggy Seeger)による Matching Songs of the British Isles and America (1957) に収録されているものに由来する[11]。これは1947年に「ヨークシャーのミドルトン・イン・ティーズデールの元鉛鉱夫のマーク・アンダーソン」(p. 109) から教わったものだとされる。しかしその歌詞は僅かな変更を除いてはキッドソン版を丸ごと借用している[4]。
サイモン&ガーファンクル版
サイモン&ガーファンクルの1966年のアルバム『パセリ・セージ・ローズマリー・アンド・タイム』に収録された「スカボロー・フェア/詠唱(Scarborough Fair / Canticle)」[12]は、「スカボロー・フェア」を基に、ポール・サイモン作の反戦歌「ザ・サイド・オブ・ア・ヒル」より引用した歌詞を加え[13] 、主にアート・ガーファンクルが作曲した新しいメロディをつけた[14][15]「詠唱」を対位法的に重ねている。サイモンは渡英した際にマーティン・カーシーからこの曲のことを知って気に入り、これにアレンジを加えてリリースした。1967年の映画『卒業』の挿入歌として用いられ、世界的に有名になった。サイモン&ガーファンクルのヴァージョンはBillboard Hot 100で11位を記録した[16]。
脚注
外部リンク
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