トップQs
タイムライン
チャット
視点

卒業 (1967年の映画)

1967年制作のアメリカの映画作品 ウィキペディアから

Remove ads

卒業』(そつぎょう、The Graduate)は、マイク・ニコルズ監督による1967年アメリカ合衆国青春恋愛映画。チャールズ・ウェッブによる1963年の中編小説を原作としている。

概要 卒業, 監督 ...

第40回アカデミー賞では7部門にノミネートされ、監督賞を受賞した[3]

1996年、「文化的、歴史的、または美的に重要な作品」として、米国国立フィルム登録簿に保存対象に選出され[4][5]1997年にはアメリカ映画協会によってアメリカ映画ランキングで7位、2007年には17位とされた。2003年以降はスティーヴン・ジェイ・シュナイダーの『死ぬまでに観たい映画1001本』に掲載されており、最も偉大で影響力のある映画の1つとして広く認められている。

Remove ads

あらすじ

米国東海岸の有名大学陸上部のスターで新聞部長でもあったベンジャミン・ブラドック(ダスティン・ホフマン)は、卒業を機に西海岸カリフォルニア州南部のパサデナへ帰郷する。友人親戚一同が集った卒業記念パーティーで、将来を嘱望される若者に人々は陽気に話しかける。そのパーティーで、父親(ウィリアム・ダニエルズ)の職業上のパートナーであるミスター・ロビンソンの妻のミセス・ロビンソン(アン・バンクロフト)と再会する。卒業記念のプレゼント、赤いアルファロメオ・スパイダー・デュエットでミセス・ロビンソンを送ったベンジャミンは、彼女から思わぬ誘惑を受ける。

一度は拒んだベンジャミンだったが、いま目標を失っている彼に示された道は他になかった。大学院への進学を期待されながらもどこに進学するか決めないでうつろな夏休みが始まる。夜ごとの逢瀬。それでもぬぐい去れない虚無感。心配した両親は、同時期に北部のバークレーの大学から帰郷した幼なじみのエレーン・ロビンソン(キャサリン・ロス)をデートに誘えという。一度きりのデートでわざと嫌われるようにし向けるはずが、ベンジャミンはエレーンの一途さに打たれ、二度目のデートを約束してしまう。

二度目のデートの当日、約束の場所に来たのはミセス・ロビンソンだった。彼女はベンジャミンにエレーンと別れるように迫り、別れないならベンジャミンと交わした情事を娘に暴露すると脅す。焦燥したベンジャミンはエレーンに自ら以前話した不倫の相手は、他ならぬあなたの母親だと告白する。ショックを受けたエレーンは、詳しい話も聞かずに、ベンジャミンを追い出す。

エレーンを忘れられないベンジャミンは、彼女の大学に押しかけ、大学近くにアパートを借り、エレーンを追いかける。結婚しようという彼の言葉を受け入れかけたある日、しかし、彼女は退学していた。そしてベンジャミンはエレーンが医学部卒業の男と結婚することを知る。

どうにか彼女の結婚が執り行われているサンタバーバラにある教会を聞きだして、そこまで駆けつけたベンジャミンは、エレーンと新郎が今まさに誓いの口づけをした場面で叫ぶ。「エレーン、エレーン!」。ベンジャミンへの愛に気づくエレーンはそれに答える。「ベン!」。

ベンジャミンを阻止しようとするミスター・ロビンソン。悪態をつくミセス・ロビンソン。二人は手に手を取って教会を飛び出し、バスに飛び乗る。バスの席に座ると、二人の喜びはやがて未来への不安に変わり、背後に「サウンド・オブ・サイレンス」が流れる。

Remove ads

キャスト

さらに見る 役, 俳優 ...

NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパンから発売の『ユニバーサル思い出の復刻版 ブルーレイ』、KADOKAWAから発売の4Kリマスター版DVD・BDにTBS版が収録(約95分)

Remove ads

音楽

サイモン&ガーファンクルの楽曲と、デイヴ・グルーシンが作曲したインストゥルメンタルが使用された。本作のサウンドトラック・アルバムは全米1位を獲得して[7]グラミー賞では最優秀インストゥルメンタル作曲賞(映画・テレビ音楽)部門を受賞した[7]

その他

  • 本作を象徴する「花嫁を結婚式の最中に、花婿から奪うシーン」は、公開から半世紀以上経つ現在まで数多くのパロディが制作されている[注 1]。一例では、アニメ『うる星やつら オンリー・ユー』で、ラムが花婿のあたるを花嫁のエルから奪うシーンなどがある。ドラマ『ウエディングプランナー SWEET デリバリー』では、ユースケ・サンタマリア演じる大森トオルが「『卒業』に登場する結婚式で花嫁に逃げられる婚約者」(と同じ境遇)であると自己紹介する。日本におけるパロディでは「ちょっと待った!」と叫んで式場に闖入するパターンが散見されるが、これは『ねるとん紅鯨団』の告白タイムのやりとりと混同されたもので、実際のシーンでは花嫁の名前を叫んでいる。
  • ラストシーンで笑顔の二人が次第に不安になっていく様が映されるが、これは演者にわざと長く笑顔の演技をさせた後にカットがかかったように見せかけ、やっと終わったと思わせる事で再現している。また、カットの声を敢えて遅らせることで二人の不安感を強調している。監督のニコルズによると、彼らの未来が決して明るいだけではないことを暗示させたかったからであるという。
  • 本作の後日譚として、 2007年に『「卒業」Part2』原題(Home School)が出版された。
  • ダスティン・ホフマンとアン・バンクロフトは第65回アカデミー賞授賞式(1993年)で脚本賞/脚色賞のプレゼンターを務めた。途中二人は目を合わせ、ホフマンが「Are you trying to seduce me?(僕を誘惑するつもり?)」と訊くと、バンクロフトは「Not anymore.(もうしない)」とオチをつけた。
  • この映画の原題 The Graduate の意味は「卒業生」である。
Remove ads

作品の評価

映画批評家によるレビュー

Rotten Tomatoesによれば、批評家の一致した見解は「音楽、演技、大学卒業後の倦怠感を的確に捉えた『卒業』の青春ストーリーは確かに時代を超えたものである。」であり、82件の評論のうち高評価は87%にあたる71件で、平均点は10点満点中8.9点となっている[9]Metacriticによれば、19件の評論のうち、高評価は15件、賛否混在は4件、低評価はなく、平均点は100点満点中83点となっている[10]

受賞歴

脚注

外部リンク

Loading related searches...

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.

Remove ads