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ズウィン

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ズウィン(Zwin)は、ベルギーフランデレン地域北海沿岸にある、ラグーン塩性湿地干潟を含む自然保護区である。大部分はクノック=ヘイスト(Knokke-Heist)にあり(1.25km2)、一部はオランダレトランヘメントRetranchement、かつてのオランダの要塞都市)にかかっている(0.33km2)。中世には欧州最大の貿易都市であったブルッヘの主要港として栄えた。

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ズウィン(2004年9月)

シーラベンダー(イソマツ属)をはじめとする多様な塩生植物が自生している。また多種の野鳥が生息していることから、バードウォッチングのポイントとなっている。ズウィンには、この地域における主要な鳥類を観察できる小規模な動物公園がある。特にベルギーにおいて、シュバシコウ(ヨーロッパコウノトリ)の個体群が見られる数少ない場所でもある。

歴史

近隣のブルッヘ(Brugge)は、紀元前1世紀にジュリアス・シーザーがメナピー(Menapii)を征服したとき、海賊に対処するための要塞が建造されており、4世紀には、フランク王国が原住民のガロ・ローマ人Gallo-Romans)地域を征服し、フランデレンシス・パグス政府(Pagus Flandrensis)が置かれていた。9世紀にはフランデレンボードゥアン1世ヴァイキングに対処するためローマ時代の要塞を強化し、イングランドスカンジナビア半島との貿易も始まった。この9世紀から10世紀にかけて、ブルッヘへの移住が促進され、教会も設立されるようになり、ズウィンの人口も増えたと言われている[1]

ブルッヘは12世紀に自治国家となったが、ズウィンの入り江は砂が堆積し始めていたため、 フランドル伯フィリップ・ダルザスは1134年のブルッヘ大津波の後、残された大きな溝をズヴィン海峡(the Zwin Channel)として整備し、町中に水路を張り巡らせ、運河支流(Sea arm)をダンメ経由でブルッヘに接続し、ブルッヘ・ゼーブルッヘ港オランダ語版に次いで、船での交易に便利な港町を作った。海峡は黄金の入江(the Golden Inlet)と呼ばれた。

1277年、大西洋岸を経由してジェノヴァ商人が来訪したことで、フランデレン地方の諸都市と地中海地方も海路で結ばれることになり、ブルッヘの繁栄に大いに寄与したが、やがてさらなるズウィン海峡への土砂の堆積により、港は機能を失って衰退していき、1531年には取引所もブルッヘからアントワープに移転した[2]

近世には隣接してクノック・レ・ザウテ飛行場ドイツ語版が設置されており、第一次世界大戦のときにはドイツ帝国に占領されUボート基地が出来ていたブルッヘのゼーブルッヘ港オランダ語版に対する空爆作戦のために、イギリス空軍が使用していた。

1952年、ズウィンは自然保護区に指定された。また1986年3月にはラムサール条約登録地となった[3]

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観察できる主な鳥類

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ズウィンのシュバシコウ(2006年)
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脚注

関連項目

外部リンク

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