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セントロサウルス

恐竜の種 ウィキペディアから

セントロサウルス
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セントロサウルス(学名: Centrosaurus)は、中生代後期白亜紀カンパニアン期(約7,650万~7,550万年前[1])の北アメリカ大陸に生息していた角竜の仲間の恐竜カナダアルバータ州の白亜紀の地層から数千個体分もの大量の化石が産出しており、群れを形成する恐竜だったと考えられている。最もよく知られたケラトプス類の一つ。世界で最も多様な角竜の化石を産出する州立恐竜公園において代表的な動物であり、セントロサウルス亜科の模式属でもある。学名は古代ギリシャ語で「尖ったトカゲ」を意味し、鼻の上の角ではなくフリルの縁のホーンレットに因んでいる(命名の時点で鼻の上の角は見つかっていなかった為)。模式種セントロサウルス・アペルトゥス Centrosaurus apertus種小名ラテン語で「開いた」という意味で、フリルの開口部に因んでいる。

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セントロサウルスの名称問題

Centrosaurus の名は、先に現生のトカゲの仲間に使用されていたため、このケラトプス類には新たに エウセントロサウルス Eucentrosaurus の名が与えられたが、その後、そのトカゲに与えられた Centrosaurus という名称は改名され、CentrosaurusEucentrosaurusの両方が有効名という紛らわしいことになっている。日本ではセントロサウルスの方が使用頻度が高い。

また Centrosaurus は、「ケントロサウルス」と表記されることもあるが、剣竜類Kentrosaurus というものがあり、こちらもカナ表記すると同じケントロサウルスになってしまう。混乱を避けるためにカナ表記では Centrosaurus を「セントロサウルス」、Kentrosaurus を「ケントロサウルス」と呼び分けることが多い。

形態

セントロサウルスの筋骨逞しい肉体は強靭な肋骨により支えられていた。全長は約6メートル強ととりわけ巨大な恐竜というわけではない。鼻先に1本の角を持つ。この角は個体(恐らく年齢)によって前に曲がったり後ろに曲がったり、上にまっすぐに伸びたりとバリエーションが様々である[2]。後頭部に短いフリルが発達する。骨質の短い棘がフリルの周縁を囲み、フリルの後端部には鍵型に湾曲した一対の骨が目立つ。これらの装飾は成長と共に伸びたものと思われる。眼窩上部にも、小さな角状突起が存在する。フリルの骨格には大きな穴があり、軽量化されている。胴体は樽状で、太く頑丈な四肢と短い尾を持つ[3]

発見

セントロサウルスの最初の発見はローレンス・ラムによってなされた。場所はカナダアルバータ州のレッドディア川沿いのダイナソーパーク累層だった。その後に、州立恐竜公園で膨大なボーンベッドが発見された。いくつかのボーンベッドは数100mの範囲に渡って広がっており、数千個体分ものあらゆる年齢、あらゆる保存状態のセントロサウルスの骨で構成されていた。科学者たちは大規模な群れが洪水した川を渡ろうとして大量に溺死した結果であると推測している[4]ヒルダの町の近くで発見されたヒルダ・メガボーンベッドは、これまでに発見されたすべての恐竜のボーンベッドの中で最大であると信じられている[5]

C. brinkmani という種が2005年に本属の新種として記載されたが、2012年に新属としてコロノサウルスに分移された[6]

分類

要約
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AMNH 5427の組立骨格、ビクトリア博物館

セントロサウルスはセントロサウルス亜科というグループの名前の由来になっている通り、同グループを代表する存在である。セントロサウルス亜科にはスティラコサウルスパキリノサウルスが内包され、それらはケラトプス類の中では比較的セントロサウルスに近縁である。スティラコサウルス、モノクロニウス、コロノサウルスなどはかなり類似している為、古生物学者の中には同じ動物と考える者もいる[4][7][8] [9][10]。1996年、ピーター・ドッドソンはセントロサウルスとスティラコサウルス、ならびにセントロサウルスとモノクロニウスの間に属を分けるだけの十分な根拠となる差異を見出し、スティラコサウルスはセントロサウルスよりもモノクロニウスにより近縁であることを示唆した。

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モノクロニウスの頭骨
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発生順序別の頭骨

ドッドソンはモノクロニウスの一種であるM.ナシコルニス M. nasicornis はスティラコサウルスの雌かもしれないとした[11]。彼の主張は一部の他の研究者たちから賛同を得ている[12]。プロトケラトプス科からは性的二形の証拠が見つかっているが[13]いかなるケラトプス類においても性的二形の確固たる証拠は見つかっていない[14][15][16]。一方、ライアンらは C. nasicornusC. apertus の同物異名[17]、またはセントロサウルスの種 Centrosaurus nasicornus とすべきであると考えており[18]、それは同時にスティラコサウルス・アルベルテンシス Styracosaurus albertensis の直系の祖先であることも示唆している[19]。2014年の研究では、C. nasicornusC. apertus の新参異名であり、成長の中間段階であると考察されている[2]

以下のクラドグラムは2016年のライアンらによる分岐分類に基づいている[20]

セントロサウルス亜科

ディアブロケラトプス・エアトニ

ナストケラトプス族

アヴァケラトプス・ランメルシ(ANSP 15800)

MOR 692

CMN 8804

ナストケラトプス・ティトゥシ

マルタの新タクソン

ゼノケラトプス・フォレモステンシス

アルベルタケラトプス・ネスモイ

シノケラトプス・ズケンゲンシス

ウェンディケラトプス・ピンホルネンシス

パキリノサウルス族

エイニオサウルス・プロクルヴィコルニス

アケロウサウルス・ホルネリ

パキリノサウルス

パキリノサウルス・カナデンシス

パキリノサウルス・ラクスタイ

パキリノサウルス・ペロトルム

セントロサウルス族

ルベオサウルス・オヴァトゥス

スティラコサウルス・アルベルテンシス

スピノプス・ステルンベルゴルム

セントロサウルス・アペルトゥス

コロノサウルス・ブリンクマニ

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脚注

関連項目

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