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ダーク・マテリアルズ/黄金の羅針盤
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『ダーク・マテリアルズ/黄金の羅針盤』(原題: His Dark Materials、ヒズ・ダーク・マテリアルズ)は、2019年から放送されたイギリス・アメリカ合衆国合作のファンタジーテレビドラマシリーズである。フィリップ・プルマンの『ライラの冒険』を原作とし、ダフネ・キーン、ルース・ウィルソン、アン=マリー・ダフらが出演する。本作はBBCとHBOの共同で製作されていた。
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概要
シリーズ1は2019年11月3日から放送された[1]。シリーズ2は2020年11月8日からBBCで放送され、同年11月16日からHBOで放送された。シリーズ3は2022年12月5日からHBO、遅れてBBCで放送されているが、BBC iPlayerでは2022年12月18日に全エピソードが配信された[2]。
日本では、シリーズ1は2020年2月18日からスターチャンネルで日本語字幕・吹き替え版が放送された[3]。シリーズ1のソフトでのタイトルは『ダーク・マテリアルズI / ライラと黄金の羅針盤』である[4]。シリーズ2は『ダーク・マテリアルズ / ライラと黄金の羅針盤 II』として2021年2月21日よりスター・チャンネルで放送された。シリーズ3は『ダーク・マテリアルズ / ライラと黄金の羅針盤 III』として、2023年1月27日よりU-NEXTで配信された。なおU-NEXTではシリーズ1と2を、字幕版とスターチャンネル版と異なる吹き替え版で配信している。
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あらすじ
要約
視点
シリーズ1のあらすじ
原作三部作の第一部『黄金の羅針盤』に基づく。
平行世界を舞台とし、主人公の少女ライラの住む世界は我々の世界と似ていると同時に異なる。人間には魂である守護動物「ダイモン」が付き添い、思春期まではダイモンはその姿を変えることができる。ダイモンが死ねば人間は死に、人間が死ぬとダイモンは消える。抑圧的な宗教組織「教権」(マジステリアム)が人々の生活を支配する。世界には魔法や言葉を話す動物が存在する。一部の人間は平行世界の間を行き来する。教権は、極北のオーロラを通じて別世界から降るダストを「原罪」として危険視し、ひそかに子供たちをダイモンと切り離す実験を行う。
著名な探検家アスリエル卿の姪であり、オックスフォードの学寮で育てられたライラの周りで、親友のロジャーら子どもたちが誘拐される事件が相次ぐ。
ライラはロジャーを探すため、この世に6個しかない真理計をひそかに持ち、コールター夫人に同行してロンドンに行く。コールター夫人が教権と結びつき、誘拐の黒幕であることを知って逃げ出し、誘拐された子供たちを探す船上の少数民族ジプシャンに同行して極北へ向かう。自分がアスリエル卿とコールター夫人の間の不義の子であることを知る。よろいグマの前王イオレク、気球乗りスコーズビー、魔女セラフィナらの助けを得る。
ライラは教権の誘拐組織ゴブラーの基地を破壊し、誘拐されてダイモンと切り離されつつあった子供たちを救い出す。母を敵に回し、囚われの父を探しに気球で北へ向かう。イオレクの王座復帰を助け、父と再会する。アスリエル卿は別世界への窓を開くため、別世界からオーロラを通してダストが降り注ぐ下でロジャーとダイモンの絆を断ち切り、エネルギーを噴出させる。父に続いてライラも別世界へ渡る。
世界間を自由に移動するボーリアル卿は、やはり世界間を移動する探検家グラマンの息子ウィル・パリーを別世界のオックスフォードで見つける。ウィルはボーリアル卿の手下を殺してしまい、警察から逃げて世界間の窓を通る。
シリーズ2のあらすじ
原作三部作の第二部『神秘の短剣』に基づく。
物語はライラの世界、ウィルの世界、都市チッタガーゼの世界をめぐる。
ライラは、別世界への窓を通り、スペクターが大人の魂を奪うために子供しか住んでいない都市チッタガーゼに着き、さらに別世界のオックスフォードから来たウィル・パリーに出会う。二人はウィルの世界に行き、ライラは真理計の導きで、コンピューター「ケーブ」を用いて暗黒物質/ダストとの交信を研究するメアリー・マローンに会う。真理計はウィルの父親のジョン・パリー/グラマンを探すよう示す。ボーリアル卿は真理計を盗み、チッタガーゼの「天使の塔」にある「短剣との交換を二人に求める。
ウィルは「天使の塔」に入り、指を二本無くしながらも、世界間の窓を切り開くことができる「神秘の短剣」の守り手の後継となる。ライラの世界では、コールター夫人が教権の枢機卿となったマクフェイルに魔女たちを攻撃させる。セラフィナら魔女たちは予言に従ってライラを探し、教権と戦ってアスリエル卿の開いた窓を通る。ライラの世界では、スコーズビーが魔女たちの依頼で、ジョパリと名乗る探検家グラマンを探し当て、共に気球で世界間の窓を通る。
コールター夫人は娘ライラを探し、ボーリアル卿の導きでウィルの世界のオックスフォードに渡る。ウィルとライラは、短剣を使ってウィルの世界への窓を切り開き、ボーリアル卿から真理計を取り戻してチッタガーゼに戻る。暗黒物質/ダストはメアリーと交信して自らを天使と呼ぶ。
ケーブの指示を受けたメアリー、魔女たち、ボーリアル卿とコールター夫人、スコーズビーとグラマンがウィル、ライラ、短剣を追ってそれぞれチッタガーゼに来る。コールター夫人はスペクターを操る技を覚え、邪魔になったボーリアル卿を殺す。ライラが第二のイヴであるとの予言を知り、ライラを誘拐する。マクフェイル枢機卿は、真理計がライラを教権に対する脅威であると指示したことを知り、ライラを追い教権の軍隊を別世界に送り込む。スコーズビーとグラマンは教権に殺される。ウィルは一人でアスリエル卿のもとに向かう。アスリエル卿は、天使に戦争への助力を呼び掛ける。
シリーズ3のあらすじ
原作三部作の第三部『琥珀の望遠鏡』に基づく。
ライラはコールター夫人によって捕らわれ保護されるも、ウィルによって救出される。ウィルは父の意志に従い「神秘の短剣」を携えてアスリエル卿の戦いに参加しようとするが、その前にロジャーを救い出そうとするライラと死者の島に同行する。ダイモンと別れたライラとウィルは、死後は天国に行けると教権に騙され煉獄にとらわれた人々の幽霊に会い、その中にロジャーやスコーズビー、そしてウィルの父ジョン・パリーを見つける。ライラとウィルは幽霊たちを導き、美しい世界への扉を開いて人々を煉獄から脱出させて自然界の一部とし、魔女の第一の予言は成就される。
アスリエル卿は、オーソリティとその摂政メタトロンに戦いを挑み、オグンウェ将軍の勢力を自軍に加える。オーソリティは一介の天使でありながら創造主を騙り、数々の平行世界で教権やその類似宗教を手先として複数の世界を支配する。天使たちはオーソリティ側とアスリエル側に別れ、魔女たちはアスリエル側につく。
教権の長となったマクフェイル枢機卿は、ライラを「罪の母イブ」と呼び、追跡して殺す爆弾を作らせる。コールター夫人は阻止しようとするが、ウィルが短剣を持っていると知ったオーソリティの摂政天使メタトロンが爆弾を発射し、マクフェイルは巻き添えで死ぬ。爆発はダストを乱して平行世界に奈落を作り出す。コールター夫人はアスリエルの軍に加わる。
オーソリティの宮殿クラウデッド・マウンテンが迫る中、アスリエルの軍は、イブが再び堕落すれば平行世界がオーソリティの支配から逃れると言う魔女の予言を成就するため、戦ってライラのために時間を稼ぐ。アスリエルとコールター夫人はメタトロンとともに死に、クラウデッド・マウンテンは消滅する。ライラはダイモンと再会する。囚われていた傀儡のオーソリティも死ぬ。
ライラとウィルは、美しい世界でメアリー・マローンに再会する。二人がキスをすると「イブの堕落」により平行宇宙のダストは元に戻り、多元宇宙は癒されて魔女の予言は成就する。だがかつて「ケーブ」でメアリーに語りかけた天使ザファニアから、闇が平行宇宙に流れ込むのを防ぐためには、すべての世界間の窓を閉じなければならないと聞かされる。ダイモンを生かすため、二人はそれぞれ元の世界に戻らなくてはならない。二人は死後に再会することを約して別れ、それぞれの世界のオックスフォードに戻り、それぞれの人生を生きる。
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キャスト
要約
視点
『ダーク・マテリアルズ/黄金の羅針盤』の主要キャスト。上段左からダフネ・キーン、ルース・ウィルソン、アンヌ=マリー・ダフ、クラーク・ピータース、ジェームズ・コスモ、ルシアン・ムサマティ、ゲイリー・ルイス、ジェームズ・マカヴォイ、リン=マニュエル・ミランダ、ルタ・ゲドミンタス。
※日本語吹替はスター・チャンネル版 / U-NEXT版の順。
メイン
- ライラ・ベラクア
- マリサ・コールター夫人
- マ・コスタ
- 学寮⻑
- 演 - クラーク・ピータース、日本語吹替 - 五王四郎[5] /
- ライラが預けられたジョーダン学寮長。 (S1)
- ファーダー・コーラム
- ボーリアル卿
- マクフェイル神父
- 演 - ウィル・キーン 日本語吹替 - / 中野泰佑
- 教権の規律監督法院長、後に枢機卿。
- ジョン・ファー
- ソロルド
- 演 - ゲイリー・ルイス
- アスリエル卿の助手。(S1-S2)
- ロジャー
- トニー・コスタ
- 演 - ダニエル・フロッグソン
- マ・コスタの長男。 (S1)
- アスリエル卿
- 演 - ジェームズ・マカヴォイ、日本語吹替 - 平川大輔[5] / 関智一[6]
- ライラの叔父、実はライラの父、探検家。
- リー・スコーズビー
- 演 - リン=マヌエル・ミランダ、日本語吹替 - 佐藤せつじ[5] / 浪川大輔[6]
- 気球乗り。ダイモンはホッキョクウサギのヘスター。
- セラフィナ・ペカラ
- アデル・スターミンスター
- 演 - リア・ウィリアムズ
- ライにゴブラーがG.O.B.であることを教えるジャーナリスト。(S1)
- クーパー博士
- 演 - リア・ウィリアムズ
- ボルバンガーに勤務するゴブラーの科学者。(S1、S3)
- グラマン / ジョン・パリー / ジョパリ
- 演 - アンドリュー・スコット
- 13年前に極北で失踪した冒険家、別世界では海兵隊出身のジョン・パリー大佐。
- ウィル・パリー
- エレイン・パリー
- 演 - ニーナ・ソサーニャ
- 別世界で暮らすジョン・パリーの妻、ウィルの母。
- ルタ・スカジ女王
- 演 - Jade Anouka
- ラトビアの魔女女王、アスリエル卿の元恋人。 (S2-S3)
- グレーヴス神父
- 演 - Sean Gilder
- 教権の一員。 (S2)
- メアリー・マローン
- 演 - Simone Kirby
- ウィルの世界の研究者。 (S2-S3)
- パラディシ
- アーマ
- 演 - Amber Fitzgerald-Woolfe
- 島でコールター夫人に補給品を届ける聾の少女。(S3)
- オグンウェ
- 演 - アドウェール・アキノエ=アグバエ
- アスリエル卿が軍を任せる将軍。(S3)
- ローク
- 演 - ジョナサン・アリス
- アスリエル卿の協力者で、羽の生えた小人であるガリベスピアンの偵察部隊隊長。(S3)
- サルマキア
- 演 - Sian Clifford
- ガリベスピアンの偵察隊員。ロークの部下。(S3)
- バルサモス
- 演 - Kobna Holdbrook-Smith
- ウィルをアスリエル卿の戦いに誘う反オーソリティの天使。(S3)
- バルク
- 演 - Simon Harrison
- バルサモスの恋人である、反オーソリティの天使。エノクの弟。(S3)
- ザファニア
- 演 - Chipo Chung
- アスリエル卿に与する反オーソリティの天使。(S3)
- ゴメス
- 演 - Jamie Ward
- 教権の神父。(S3)
- メタトロン
- 演 - アレックス・ハッセル
- オーソリティの摂政である天使。元は人間エノク。(S3)
リカーリングおよびゲスト
- ベンジャミン
- 演 - サイモン・マンヨンダ
- ジプシャン。(S1)
- ジャック
- 演 - ジェフ・ベル
- ジプシャン。(S1)
- ビリー・コスタ
- 演 - タイラー・ハウイット
- マ・コスタの次男、ジプシャン。(S1)
- レイモンド・バン・ゲリット
- 演 - マット・フレイザー
- ジプシャン。(S1)
- ギャレット神父
- 演 - デビッド・ランガム、日本語吹替 - 出先拓也 /
- 教権の一員。
- フラ・パベル
- 演 - フランク・バーク、日本語吹替 - 長谷川敦央 /
- 真理計を使うことができる、教権の規律監督法院の一員。
- トーマス
- 演 - ロバート・エムズ
- 別世界でボーリアル卿に雇われる男。(S1)
- ウォルターズ警部
- 演 - ジェイミー・ウィルクス、日本語吹替 - / 山田浩貴
- トーマスの仲間。(S1-S2)
- シスター・クララ
- 演 - モーフィッド・クラーク、日本語吹替 - 司薫 / 那村有香
- ボルバンガーの基地のゴブラーの一員。(S1)
- アンジェリカ
- 演 - ベラ・ラムジー
- チッタガーゼに住む少女。(S2)
- アラルバス
- 演 - Wade Briggs
- オーソリティーに仕える天使。(S3)
声の出演
- ステルマリア
- 声 - ヘレン・マックロリー、日本語吹替 - きそひろこ[5] /
- アスリエル卿のダイモンである白豹。
- パンタライモン
- サルシリア
- アリシア
- 声 - Phoebe Scholfield
- 学寮長のダイモン。
- Lyuba
- 声 - Libby Rodliffe
- トニー・コスタのダイモン。
- ヘスター
- カイザ
- 声 - デヴィッド・スーシェ、日本語吹替 - 山本高広[5] /
- セラフィナ・ペカラのダイモン、フクロウ。
- イオファー・ラクニソン
- 声 - Peter Serafinowicz、日本語吹替 - 乃村健次
- イオレクを追放した、よろいグマの現王。
- イオレク・バーニソン
- オクタヴィア
- 声 - リンゼイ・ダンカン
- マクファイル神父のデーモン(S2、3)
- サヤン・コトール
- 声 - フィービー・ウォーラー=ブリッジ
- ジョン・パリーのデーモン(S2)
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エピソード
要約
視点
シリーズ1のエピソード
シリーズ2のエピソード
シーズン3のエピソード
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製作
フィリップ・プルマンが1995年から2000年に書いた小説『ライラの冒険』3部作は、ヤングアダルト小説として成功を収め、2007年には長編映画『ライラの冒険 黄金の羅針盤』が製作された。この映画は全世界で3億7,200万ドルの興行収入を記録したが、3部作のファンからは、宗教を批判する要素が薄められているとの批判を受け、また一部の宗教団体からは、原作の反宗教的なテーマについての批判を受けた[28]。特に北米カトリック連盟は当作を「子供に対し無神論を奨励する映画だ」などとしてボイコット運動を展開した結果、続編2作の制作が断念されてしまった[29]。
数年後、権利がフィリップ・プルマンに戻り、2015年11月にBBC Oneが本作の製作を発表した[30]。放送は2017年が予定されていたが、脚本に膨大な時間をかけたため遅れることとなった[31]。
2018年9月12日、HBOが共同製作として参加し国際的な配給を担うことが発表された[32]。
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評価
批評
本作は批評家から好意的な評価を受けている。第1シーズンは批評集積サイトのRotten Tomatoesに90件のレビューがあり、批評家支持率は81%、平均点は10点満点で7.69点となっている[33]。また、Metacriticには22件のレビューがあり、加重平均値は69/100となっている[34]。
受賞
→詳細は英語版「en:His Dark Materials (TV series)#Accolades」を参照
脚注
外部リンク
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