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ドロマエオサウルス亜科

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ドロマエオサウルス亜科
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ドロマエオサウルス亜科Dromaeosaurinae)は、ドロマエオサウルス科に属する獣脚類の亜科。最初期のドロマエオサウルス亜科恐竜は前期白亜紀北アメリカ大陸に生息したユタラプトルであるが、未定種の単離した歯がアフリカ大陸の後期ジュラ紀の地層から産出している。これが正式にドロマエオサウルス亜科のものであれば、他の多くのドロマエオサウルス科が白亜紀に限られるのに対してジュラ紀まで生息年代を遡ることになる。

大半のドロマエオサウルス科恐竜は小型の動物食性動物であったが、ドロマエオサウルス亜科はアキロバトルダコタラプトルおよびユタラプトルといったより大型の属に代表される。ダコタラプトルからは羽毛の存在を示唆するコブが確認されており、他の属種にも存在した可能性が高い。

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古生物学

大部分のドロマエオサウルス亜科恐竜は白亜紀(ベリアシアン期からマーストリヒチアン期)のアジアと北アメリカに生息し、デンマークにも生息した可能性がある[1]。またエチオピアから産出している単離した歯もドロマエオサウルス亜科のものである可能性があり、この化石が後期ジュラ紀のチトニアン期のものであることから、その生息年代はさらに遡りうる[2]

特徴

後期白亜紀の北アメリカとアジアのドロマエオサウルス亜科は小型の恐竜で、ドロマエオサウルスのように全長2メートル程度であった[3]。しかしドロマエオサウルス亜科にはドロマエオサウルス科で最大の属もおり、全長5.5メートルのダコタラプトル[4]、全長6メートルのアキロバトル[5][3]、全長7メートルのユタラプトル[6]がいる。

真ドロマエオサウルス類のうちドロマエオサウルス亜科は、他の亜科が一般に細い吻部を持つのに対し、頭骨がより頑強で箱型をしている。またドロマエオサウルス亜科は一般に他の亜科よりも体格が重厚で、スピードよりも力を発揮するのに向いている。歯の鋸歯状構造は前縁と後縁で大きさが均等であり、これは前縁の鋸歯の方が小さいないし存在しないヴェロキラプトル亜科とは異なる特徴である[1][3]

Turner et al. 2012 によると、ドロマエオサウルス亜科は以下の特徴に基づいて定義できる[1]

  • 完全に鋸歯状構造を持つ歯。
  • 垂直に向いた恥骨
  • 恥骨の先端は前後方に突出している。
  • 上顎骨の頬骨突起。
  • 腹側から前眼窩窓を見ると背腹方向に広い。
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分類

ドロマエオサウルス亜科は1922年にウィリアム・ディラー・マシュー英語版バーナム・ブラウンがデイノドン科(現在のティラノサウルス科)の一部として提唱した[7]ヴェロキラプトルミクロラプトルスズメ属ウネンラギアよりもドロマエオサウルスに近縁なドロマエオサウルス科を含む単系統群と定義されている[1]

ある属種が別の系統群に位置付けられたり除外されたりとドロマエオサウルス亜科の系統解析の結果は大きく異なるため、明確なコンセンサスは得られていない。Senter et al. 2012 での系統解析ではユルゴヴキア英語版がアキロバトルやドロマエオサウルスおよびユタラプトルに近縁な派生的ドロマエオサウルス亜科とされた[8]。以下はダコタラプトルが2015年に記載された際の系統解析に基づくクラドグラム[4]

真ドロマエオサウルス類

サウロルニトレステス

ヴェロキラプトル

ドロマエオサウルス亜科

デイノニクス

アトロキラプトル

アキロバトル

ユタラプトル

ダコタラプトル

ドロマエオサウルス

しかし、2019年にカリーとエヴァンスが行った系統解析では、アキロバトルやユタラプトルなど代表的なドロマエオサウルス亜科恐竜はヴェロキラプトル亜科に位置付けられた[9]

真ドロマエオサウルス類

アトロキラプトル

サウロルニトレステス

ドロマエオサウルス亜科

ダコタラプトル

IGM 100/22 と IGM 100/23

ボレオニクス英語版

ドロマエオサウルス

ヴェロキラプトル亜科

デイノニクス

アダサウルス

アキロバトル

ユタラプトル

アケロラプトル英語版

ヴェロキラプトル・モンゴリエンシス

ヴェロキラプトル・オスモルスカエ

リンヘラプトル

ツァーガン

出典

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