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ハンドメイズ・テイル/侍女の物語
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『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』(原題:The Handmaid's Tale)は、1985年のマーガレット・アトウッドの小説『侍女の物語』を原作として製作された、2017年に始まるアメリカ合衆国のディストピア・テレビドラマシリーズである。ストリーミングサービスHuluにより製作・配信されている。
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概要
シリーズは、架空の第二次アメリカ内戦によって新たに成立した全体主義国家を舞台に、出生率が異常に低下して一部の女性が"侍女"と呼ばれ性と生殖の奉仕を強制される近未来のディストピアを描いている[1]。
シーズン1の最初の3話は2017年4月26日に配信開始され、残りの7話は週に1話ずつ配信された。2017年5月にシーズン2の製作が発表され、2018年4月25日から週に1話ずつ配信された[2]。2018年5月にはシーズン3の製作が発表され[3]、2019年6月5日から配信された[4]。 2019年7月にはシーズン4の製作が発表され[5]、2021年4月28日から配信された[6]。2020年12月、シーズン5の製作が発表され[7]、2022年9月14日から配信された[8]。同年9月8日にファイナルシーズンとなるシーズン6に更新された[9]。シーズン6の配信は当初2023年末から2024年初頭になる見込みと言われていたが、2023年5月から同年10月まで行われた2023年 全米脚本家組合ストライキ(en)、並びに同年7月から行われているSAG-AFTRA(全米俳優組合)によるストライキの影響で脚本の執筆が中断し、最終的には2025年4月8日から5月27日まで配信されることになった。なお、原作の続編にあたる『誓願』に基づいたドラマシリーズが企画中であり、アン・ダウドが引き続きリディアおばを演じる予定であり[10]、2025年3月5日、彼女に加えてアグネス役にはチェイス・インフィニティ、デイジー役にはルーシー・ハリデイが起用されることが発表された。
日本では、2018年2月28日からHuluでシーズン1が配信され、シーズン2は2018年8月29日から[11]、シーズン3は2019年9月13日から、シーズン4は2021年8月27日から配信され、シーズン5は2022年11月25日より配信されている。さらにWOWOWでも2019年10月4日からシーズン1から3が放送されている[12]。
なお、ドラマシリーズではギレアドと表記されており、原作の日本語訳のギレアデとは異なっている。
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あらすじ
要約
視点
ほぼ現代の世界で、性感染症と環境汚染のために女性の不妊率は大幅に上昇し、出生率は異常に低下して社会の存続が危機にさらされる[13]。アメリカ合衆国では内戦が起き、全体主義的かつキリスト教原理主義勢力がクーデターを起こしてギレアド共和国を成立させる[14][15]。権力志向の強い指導者たちは軍国主義と身分主義に基づく社会を作りあげ、女性たちは職に就くことも財産所有も金銭授受も読書も禁じられる[15]。世界的な不妊危機に対処するため、聖書の極端な解釈により、数少ない妊娠可能な女性を強制徴募し"侍女"と呼んで専ら妊娠出産に奉仕させる[15]。侍女は、権力者である司令官の家に配属され、個人の名前を奪われ、司令官の所有物として「オブフレッド」(司令官のファーストネームが"フレッド”の場合)などと名を付けられる。儀式的なレイプを受けて子をもうけるよう努めさせられるが、生まれた子は奪われて司令官夫婦の子となる。 社会は身分制に縛られ、自由は制限され義務が強制される。侍女たちは赤い衣装を強制され、家事を行う"女中"(マルタ)たちは緑の衣装、"妻"たちは青の衣装を着る。"おば"は女性たちを訓練し、"目"は人々を監視し、"ハンター"は国を逃げようとする人々を狩り、"イゼベル"は娼婦であり、"守護者"達は武装してあらゆる階層の人間たちを見張る。街中には規則を破った男女たちの死体がぶら下げられる。
ギレアドでは科学技術は厳しく利用を制限されているが、"ハンター"らはドローンを駆使して逃亡者を追う。一方隣国のカナダは自由な社会を維持しており、ギレアドから逃げる人々の亡命先となっている。アメリカ合衆国の相当部分を引き継いだギレアドはいまだに強国であり、他国は嫌悪と懐疑の目を向けながらも外交関係を維持している。ギレアドとは別にアメリカ政府も存在しており、カナダには政府代表も置いている。
シーズン1のあらすじ
ジューン・オズボーンの侍女オブフレッドとして生活、ニックとの関係と妊娠が描かれる。
ジューン・オズボーンはギレアドの司令官フレッド・ウォーターフォードとその妻のセリーナ・ジョイの家に配属され、フレッドの子を身ごもるための儀式を強制される。厳しい規則に縛られ日常的な精査を受け、不適切な言動は厳しい処罰を招く。ジューンは主人の名に従ってオブフレッドと呼ばれる。オブフレッドはかつて結婚して娘ハンナをもうけたが引き離されている。今は規則に従って生き、いつの日か自由になって夫と娘に再会することを夢見る。フレッドは、自分たちが作った社会の現実に違和感を覚えて苦悩し、オブフレッドと過ごす時に安らぎを見出す。オブフレッドは夫のルークがカナダで生きていることを知り、密かにレジスタンス運動に加わり、運転手のニックと寝て妊娠する。オブフレッドは反抗した仲間の侍女の処刑を拒否して捕らえられる。オブフレッドの夫ルークと親友のモイラはカナダへ逃げて再会する。
シーズン2のあらすじ
ジューン(オブフレッド)の出産と娘ニコールのカナダ行が描かれる。
オブフレッドはニックの助けで逃亡するが捕まってウォーターフォード家に連れ戻され、出産に備える。エミリーとジャニーンら反抗した女性たちは"不完全女性"の入れられるキャンプで強制労働をさせられる。侍女による爆弾テロで多数の司令官と侍女たちが死に、エミリーとジャニーンはキャンプから連れ戻されて再び侍女となる。フレッドが負傷し休養している間、セリーナはジューンと協力して夫の仕事を代行する。ルークとモイラはカナダで共に暮らし、外交交渉でやってきたウォーターフォード夫妻に抗議運動を起こす。オブフレッドはハンナに再会したのち、出産した娘ニコールと引き離されるが、授乳のために再びウォーターフォード家に戻る。ニックの若い妻イーデンは、不倫の罪で処刑される。衝撃を受けたセリーナは女性の権利拡大を訴えて小指を切り取られる罰を受ける。女中たちのネットワークとニックの助けでオブフレッドはギレアドから逃げようとし、セリーナが見逃す。だがオブフレッドは、リディアを刺して逃走中のエミリーにニコールを託して、ハンナのいるギレアドに留まる。
シーズン3のあらすじ
ジューンと、ギレアドの理念を作ったローレンス司令官の出会い、セリーナの夫に対する裏切りが描かれる。
エミリーはカナダに入り、ニコールをルークとモイラに渡す。オブフレッド(ジューン)はローレンス司令官の家に配属され、オブジョセフと呼ばれることになる。病気の妻を抱え、妊娠の儀式から遠ざかっていたローレンスの窮地を救い、その助けを得る。さらに女中たちのレジスタンスのグループと協力して、多数の子供たちをカナダに出国させる。ウィンスロー司令官にレイプされそうになり、殺してしまう。ウォーターフォード夫妻はニコールをカナダから取り戻そうとする。セリーナはニコールと時間を過ごすためにカナダに入り、夫を裏切って逮捕させる。
シーズン4のあらすじ
ジューンら侍女たちの逃亡生活とカナダへの亡命、フレッドへの復讐が描かれる。
ジューンら侍女たちは若い司令官夫人エスターの農場に隠れる。ジューンは複数の司令官を毒殺するも逮捕され、ハンナに害を加えると脅されて侍女たちの新たな隠れ場所を吐く。流刑地に送られる途中、ジャニーンと共に脱走する。レジスタンスとギレアドの戦闘地域であるシカゴに来てジャニーンとはぐれ、人道活動中のモイラと再会してカナダに逃げてルークやニコールに再会する。ウォーターフォード夫妻はカナダで訴追されそうになる。セリーナは妊娠する。ギレアドに帰っても冷たい扱いを受けることを知ったフレッドは免責を得るためにギレアドの内部情報を漏らす。ギレアドはフレッドを危険視し、逮捕したレジスタンス22人との交換を求め、ジューンらはニックの助けでフレッドを殺す。エスターは侍女に落とされ、ジャニーンとともにリディアおばのもとに送られる。
シーズン5のあらすじ
主にカナダを舞台とし、ジューンとセリーナの関係の変化が描かれる。カナダでもギレアドを支持する勢力およびギレアドからの難民に反対する勢力が力を増し、次第に安全ではなくなる。
妊娠したセリーナはフレッドの葬儀のために戻ったギレアドにとどまることを願うが、持て余されてカナダに再び送られ、ギレアドの情報センターを開設するよう命じられる。ジューンはセリーナをつけ狙うも殺すことを思いとどまる。セリーナはギレアド支持者のカナダ人であるウィーラー夫妻に監禁されるも逃げ、ウィーラーの私兵に捕らえられたジューンを解放し、人里離れた納屋でジューンの助けで息子を出産する。セリーナはカナダ移民局に逮捕されて子と引き離される。ローレンスとジューンの計らいでウィーラー家に戻り、侍女のごとき立場に耐えたのち子を連れて脱走する。
ギレアドでは、ニックが上級司令官の娘ローズと結婚して司令官となり、ローズは妊娠する。エスターは侍女となり、配属される予定のパットナム司令官にレイプされて妊娠し、ローレンスが告発してパットナムは処刑される。ギレアドの現状に不満なローレンスは、ニックの協力のもとに、一定の自由を与えて亡命者の帰還を促進する「新ベツレヘム計画」を進めて、結婚させられる予定の娘ハンナと共に暮らせるとジューンを誘うが、ルークは反対する。アメリカ合衆国はハンナら子供たちを救出する作戦を実行するも失敗する。リディアおばは次第にジャニーンに愛着を覚え、アンジェラを連れてパットナム夫人が再婚するローレンスの家の侍女にしようとする。だがジャニーンは夫人に逆らい、"目"に連行される。
ギレアドが糸を引いてジューンが襲われ、ルークが相手を殺してしまう。ニックは重傷を負ったジューンを見舞い、ローレンスの仕業と疑って殴り逮捕され、妻には去られる。ジューンとルークはトゥエロの計らいでカナダから逃亡しようとするが、ルークは逮捕され一人残る。西へ向かう列車の中で、ジューンは子を連れたセリーナに再会する。
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キャスト
メイン
- ジューン・オズボーン / オブフレッド / オブジョセフ
- フレッド・ウォーターフォード
- 演 - ジョセフ・ファインズ、日本語吹替 - 咲野俊介
- 司令官。ギレアド共和国の高官。S4でジューン達によって殺害される。(S1-S4)
- セリーナ・ジョイ・ウォーターフォード
- 演 - イヴォンヌ・ストラホフスキー、日本語吹替 - 園崎未恵
- フレッドの妻。
- エミリー / オブグレン
- 演 - アレクシス・ブレデル、日本語吹替 - 鷄冠井美智子
- オブフレッドの買い物のパートナーの"侍女"、同性愛者。2022年6月、ブレデルが映画『Sisterhood of the Traveling Pants 3』(原題)の出演・制作に専念する為、同番組を降板。(S1-S4)
- ジャニーン / オブウォレン / オブダニエル
- 演 - マデリーン・ブルーワー、日本語吹替 - 清水理沙
- 訓練センターでのジューンの友人の"侍女"、罰として片目を奪われる。
- リディア
- ルーク・バンコール
- 演 - O・T・ファグベンル、日本語吹替 - 東地宏樹
- ジューンの夫。早くにカナダに亡命する。
- ニック・ブレイン
- モイラ
- 演 - サミラ・ワイリー、日本語吹替 - 藤田奈央
- ジューンの学生時代からの友人、のちにイゼベル(娼婦)。早くにカナダに亡命する。
- リタ
- 演 - アマンダ・ブリューゲル、日本語吹替 - 土井真理
- ウォーターフォード家で家事を担当する女中。ジューンの助けでカナダに亡命する。
- ジョセフ・ローレンス
- 演 - ブラッドリー・ウィットフォード、日本語吹替 - 村治学
- ギレアドを設立した司令官。当初の理念からの逸脱に不満を抱える。S5でニックに襲撃される。
- マーク・トゥエロ
- 演 - サム・ジェーガー
- カナダにおけるアメリカ政府代表。
リカーリング
- アルマ / オブロバート
- 演 - ニナ・キリ
- 訓練センターでジューンが会った"侍女"。
- イーデン
- 演 - シドニー・スウィーニー、日本語吹替 - 川井田夏海
- ニックの妻となる若い娘。後に不倫の罪で処刑。
- 二番目のオブグレン
- 演 - Tattiawna Jones
- ウォレン・パットナム
- 演 - Stephen Kunken
- ジャニーンを侍女とする上級司令官。後に肉欲の罪で処刑。
- ナオミ・パットナム
- 演 - Ever Carradine
- ウォレンの妻。
- ホリー・マドックス
- 演 - チェリー・ジョーンズ
- ジューンの母。(S2-S3)
- ベス
- 演 - Kristen Gutoskie
- 売春宿「イゼベルの店」でニックと取引をする女中、後にローレンス家の女中。
- エレノア・ローレンス
- 演 - Julie Dretzin
- ジョセフの妻。 後に自殺。(S2-S3)
- シルヴィア
- 演 - クレア・デュヴァル
- エミリーの同性の妻。(S2-S3)
- オブマシュー
- 演 - Ashleigh LaThrop
- ギレアドに忠実で三人の子をなした侍女。 (S3)
- マシュー・カルホーン
- 演 - Jonathan Watton
- 司令官。 (S3)
- ジョージ・ウィンスロー
- 演 - クリストファー・メローニ
- ワシントンの上級司令官。(S3)
- エリザベス・ウィンスロー
- 演 - エリザベス・リーサー
- ジョージの妻。(S3)
- エスター・キーズ
- 演 - マッケナ・グレイス
- キーズ司令官の若妻。ジューンらを助けた罪で侍女に格下げとなる。(S4-S5)
- スティーブン
- 演 - Omar Maskati
- シカゴのレジスタンスの指導者。(S4)
- ローズ
- 演 - Carey Cox
- 上級司令官の娘でニックの後妻。(S5)
- マッケンジー司令官
- 演 - ジェイソン・バトラー・ハーナー
- ハンナの養父。(S5)
- エズラ・ショー
- 演 - ロッシフ・サザーランド
- ギレアドから派遣されたセリーナの護衛だが、彼女に殺害される。(S5)
- アラニス・ウィーラー
- 演 - Genevieve Angelson
- トロント在住のギレアドを支持する有力者。(S5)
- ライアン・ウィーラー
- 演 - Lucas Neff
- トロント在住のギレアドを支持する有力者。アラニスの夫。(S5)
エピソード
要約
視点
シーズン1のエピソード
シーズン2のエピソード
シーズン3のエピソード
シーズン4のエピソード
シーズン5のエピソード
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製作
2016年4月に『侍女の物語』のドラマ化が発表され、主演にはエリザベス・モスが起用されたことも合わせて発表となった[18]。製作にはブルース・ミラー、ダニエル・ウィルソン、フラン・シアーズ、ウォーレン・リトルフィールドが参加している[18]。原作者のマーガレット・アトウッドはコンサルティング・プロデューサーとして参加しているほか、シーズン1の第1話にカメオ出演している[18][19][20]。また、モスは主演のほかにプロデューサーも務めている[21]。10月にリード・モラーノが監督を務めることが発表され、7月にはサミラ・ウィレイ、マックス・ミンゲラ、アン・ダウドの出演が発表された[22][23][24]。8月にジョセフ・ファインズ、マデリーン・ブルーワー、イヴォンヌ・ストラホフスキーの出演が発表され[25][26][27]、9月にはO・T・ファグベンル、アマンダ・ブリューゲルの出演[28][29]、10月にはエヴァー・キャラディーンの出演[30]、2017年1月にはアレクシス・ブレデルの出演がそれぞれ発表された[31]。2016年9月から2017年2月にかけてトロント、ミシサガ、ハミルトン、オークビル、ケンブリッジで撮影が行われた[32][33]。3月23日に公式予告がYouTubeで公開された[34]。
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受賞
本シリーズは高く評価され、シーズン1はプライムタイム・エミー賞には13部門でノミネートされ、作品賞・主演女優賞・助演女優賞・監督賞・脚本賞・ゲスト女優賞・シングルカメラ部門撮影賞・現代劇およびファンタジー部門プロダクション・デザイン賞の8部門で受賞した[35]。またゴールデングローブ賞では作品賞と主演女優賞を受賞した。
シーズン2はプライムタイム・エミー賞には20部門でノミネートされ、ゲスト女優賞、シングルカメラ部門編集賞、現代劇部門プロダクション・デザイン賞の3部門で受賞した。
シーズン3はプライムタイム・エミー賞のゲスト男優賞ドラマ部門、ゲスト女優賞ドラマ部門、現代劇部門プロダクション・デザイン賞を受賞した。
出典
外部リンク
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