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パンジャーブ語

パンジャーブ地方の言語 ウィキペディアから

パンジャーブ語
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パンジャーブ語(パンジャーブご、Panjabi or Punjabi、グルムキー文字: ਪੰਜਾਬੀ , シャームキー文字پنجابی)は、インドパキスタンにまたがるパンジャーブ地方の言語である。パンジャービー語とも称される。

概要 パンジャーブ語, 話される国 ...

インド語派に属し、語順SOV型である。南アジアの言語のうち、ヒンディー語ベンガル語に次ぐ話者数を擁する。

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分布

パンジャーブ語の話者の多くはパキスタン東部のパンジャーブ州に住んでおり、パキスタンで最も多い人口の39%(2017年)の母語であるにもかかわらず、パキスタンでは公用語にはされていない。パンジャーブ州都であるラホールでも、人口の大部分がパンジャーブ語話者であるにもかかわらず、書き言葉としては文芸雑誌か私信にしかパンジャーブ語は使われず、ウルドゥー語英語に比べて、その地位は高くない[5]

インドでは、インドのパンジャーブ州公用語およびデリーの第二公用語になっているほか、インド連邦レベルでも憲法第8付則に定められた22の指定言語のひとつである。近隣のハリヤーナー州ヒマーチャル・プラデーシュ州にも話者がいる。

パンジャーブ語は在外インド人の主要な言語のひとつでもある。カナダでは43万人がパンジャーブ語を母語とし(2011年)[6]イギリスでは27万人がパンジャーブ語話者である(2011年)[7]。ほかにオーストラリアアメリカ合衆国カリフォルニア州などにも分布する。

パンジャーブ語はシク教の重要な言語であり、聖典である『グル・グラント・サーヒブ』は主にこの言語で書かれている。

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音声

母音はヒンディー語と同じく、短母音 a i u /ə ɪ ʊ/ と、長母音 ā ī ū e ai o au /ɑ i u e ɛ o ɔ/ がある。各長母音には対応する鼻母音がある。

子音は以下のとおり。f z x ɣ は外来語にのみ現れ、それぞれ ph j kh g と区別されないことも多い[8]

さらに見る 両唇音 唇歯音, 歯音 ...

パンジャーブ語の大きな特徴として、いわゆる有声帯気音の系列(gh jh ḍh ṛh dh bh)が消滅して語頭で無声無気音・語頭以外で有声無気音に変化し、その代償として声調が発達していることがあげられる[9]。h も語頭以外では、少数の例外を除いて消滅し、やはり声調に痕跡を残している。一般に、語頭に有声帯気音があった場合は低い声調になり、それ以外の箇所では先行する音節が高い声調になる。

さらに見る 声調, 意味 ...

ヒンディー語では古い重子音が借用語以外では消滅し、その代償として母音が長母音に変化しているが、パンジャーブ語では重子音がそのまま残っている(例:buḍḍā「老いた」、ヒンディー語 būṛhā、サンスクリット vr̥ddha[10]

パンジャーブ語ではそり舌音ṇ ṛ ḷ が音素として確立している。ヒンディー語では サンスクリットからの借用語にのみ現れ、英語からの借用語を除いて 相補分布をなす。ただし、パンジャーブ語でも東部方言では ṇ/n, ḷ/l の区別をしない[8]

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方言

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パンジャーブ語の「方言」

グリアソンは、インド言語調査において、西で話されているパンジャーブ語を「ラフンダー語」というパンジャーブ語とは異なる言語であると主張した。どこまでをひとつの言語とするかについては議論が分かれる。

パティヤーラーにあるパンジャービ大学英語版: Punjabi University Patiala)では以下のように分類している[11]

  • バッティアーニー方言
  • ラティー方言
  • マルワイー方言
  • ポワディー方言
  • パハーリー方言
  • ドアビー方言
  • カングリー方言
  • チャンビアリー方言
  • ドグリー方言
  • ワジェーラワディー方言
  • バール・ディ・ボディー方言
  • ジャンゴチー方言
  • ジャトキー方言
  • チェナブリー方言

この中では、ドーグリー語のようにインド政府によって1個の独立した言語として認められているものも含まれる。

エスノローグの18版では、次のように分類している[12]

これは一見グリアソンの分類にしたがっているようだが、エスノローグのいう西パンジャーブ語とはパキスタンのパンジャーブ語のことにすぎず、実際にはインドの東パンジャーブ語とのちがいはきわめて小さい(サライキ語との違いはずっと大きい)。

表記

パキスタンではシャームキー文字(シャー・ムキー体)というナスタアリーク体を変えたアラビア文字を用いる。 インドではシャーラダー文字の系統のグルムキー文字を用いる。パンジャーブ州以外の住民はデーヴァナーガリー文字を用いることもある。

脚注

参考文献

関連文献

関連項目

外部リンク

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