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ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ (映画)
アメリカのホラー映画(2023年) ウィキペディアから
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『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』(原題:Five Nights at Freddy's)は、同名コンピュータゲームシリーズを原作とした、2023年のアメリカ合衆国のホラー映画。監督はエマ・タミが、脚本はシリーズ原作者であるスコット・カーソン、セス・カデバック、エマ・タミらが務める。製作はブラムハウス・プロダクションズとストライカー・エンターテイメントが担当し、ジェイソン・ブラムとスコット・カーソンが共にプロデュースを行う。ジョシュ・ハッチャーソン、エリザベス・レイル、パイパー・ルビオ、メアリー・スチュアート・マスターソン、マシュー・リラード、キャット・コナー・スターリングらが出演する。
2015年にワーナー・ブラザース・ピクチャーズが本作の映画化権を獲得したが進展せず、ワーナーは権利を放棄した。2017年に新たにブラムハウス・プロダクションズが製作を務めることが発表された。
2023年10月27日にユニバーサル・ピクチャーズ配給のもと、Peacockでの配信とアメリカでの劇場公開が開始された。日本では翌年2月9日に公開となった。批評家からは概ね否定的な評価を得たものの、制作費2,000万ドルをストリーミング配信権と劇場配給権の販売で既に回収し、興行収入は2億9,200万ドルとなりブラムハウスの最高興行収入を記録した。
続編となる『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ2』はアメリカで2025年12月9日、日本では2026年1月23日に公開予定。
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あらすじ
要約
視点
プロローグ
マイク・シュミットは、絵の世界に閉じこもり他者に対して全く興味を示さない妹アビーと2人で暮らしていた。それでも彼女を育てようとするマイクであったが、幼い頃弟のギャレットが何者かに誘拐された事件を目撃した過去に囚われ続けており、その呪縛から抜け出せずにいた。事件の真相を知るため、睡眠薬に頼り、弟がさらわれたその瞬間を夢の中で見ることが毎日の習慣となっていた。
事件のせいもあり職を転々としながら苦しい生活を送るマイクであったが、叔母のジェーンは補助金を目当てにアビーの親権を奪おうと画策する。保護者としての生活能力を証明する必要があったマイクは、キャリアカウンセラーのスティーブ・ラグランからの紹介を受け、「フレディ・ファズベアーズ・ピザ」の夜間警備員の仕事を引き受ける。
序盤
「フレディ・ファズベアーズ・ピザ」は80年代に人気を博したレストランであったが、子供5人が店内で失踪する未解決事件が発生し、閉店に追い込まれてしまった。その後オーナーの希望により解体されず、廃墟と化した店舗だけが残り続けた。マイクは今も機能している防犯装置を駆使しながら、深夜12時から朝6時までの間警備を行う。その間アビーの子守をベビーシッターのマックスに任せていた。
勤務初日の夜、マイクは眠りにつき夢を見るがいつもと変わらないはずの夢に見ず知らずの少年少女5人が現れた。この店で夢を見ることでその内容に変化が現れることを知った彼は、弟の誘拐事件とこの場所に何らかの関連があるのではないかと疑念を抱き始め、勤務するたび眠りにつくようになる。2日目の勤務中、地元の警察官ヴァネッサ・シェリーが店舗に現れ、かつてこの場所で起きた失踪事件についての話を聞いたマイクは、夢に現れる子供たちがその事件の被害者であることを確信する。
一方アビーの子守を任されていたマックスは、叔母ジェーンの協力者でありマイクとアビーの生活状況を報告していた。彼女はジェーンからの指示を受け、マイクを解雇に追い込むため仲間と共に店へ侵入し破壊工作を行う。しかし店内に残されたアニマトロニクスたちが突如として動き出し、マックスを含む侵入者たちを次々と殺害する。
中盤
翌日マックスが失踪したため、マイクはやむを得ずアビーを連れ仕事に向かう。マイクが夢を見ている間、アビーはアニマトロニクスたちと遭遇する。マイクは目を覚ますとアビーの叫び声が聞こえ急いで彼女のもとへ駆けつけるが、親しげにアニマトロニクスたちと交流する様子を目撃し困惑する。その後アビーが描く絵の中に、夢に現れる子供たちやギャレットの姿があることに気づき、自身がピザ屋に関わる以前から彼女が絵を通して子供たちと交流していた事実を知る。彼はアビーを通じて弟を誘拐した犯人の情報を得ようと試みる。
4日目の夜、再びヴァネッサと出会ったマイクは、ピザ屋の事情に詳しすぎる彼女に疑念を抱くが、彼女はこれ以上深入りしないようにとマイクとアビーに警告する。アビーを通じて真相を探る試みを断念したマイクは1人で店に戻る。再び現れた子供たちは「アビーを差し出せば、夢の中でギャレットと共にいられる」と取引を持ちかける。マイクは受け入れてしまうが、すぐに気が変わりそれを拒否する。目を覚ますと自身が襲われていることに気づき、なんとか逃れヴァネッサに救われる。その後マイクの説得に応じ、ヴァネッサは自身の父親ウィリアム・アフトンこそが失踪事件及びギャレットを誘拐した犯人だと語る。彼が殺害した子供たちをアニマトロニクスの中に隠し、事件を隠蔽していたことも明かす。
終盤
子供たちがアビーを殺害し、自分たちの仲間に引き入れようとしていることに気づいたマイクは店へと急ぐ。ヴァネッサとともにアニマトロニクスを停止させ、アビーを助けたマイクはこれまで弟に執着しながら生きてきたことを彼女に謝罪する。そこへ”黄色いウサギ”の姿をしたウィリアムが現れ、アニマトロニクスたちを操りマイクを圧倒する。彼はマスクを脱ぎ、自身がマイクにこの仕事を紹介したスティーブ・ラグランであることを明かす。ヴァネッサは父に抵抗するが、彼に腹部を包丁で刺されてしまう。
マイクは子供たちがアビーと同じく絵の世界で物事を理解しており、それをいいようにウィリアムが利用し操っていたことを知る。アビーは”黄色いウサギ”が子供たちと仲良くする絵を描き変え、”黄色いウサギ”こそが殺した犯人だと子供たちに伝える。真実を知ったアニマトロニクスたちはウィリアムを追い詰め、彼の着ていたスーツの内部機構を作動させた。スーツの部品の数々が全身に突き刺さり彼は倒れた。マイクとアビーは重症を負ったヴァネッサを連れ、崩壊し始めた建物から脱出する。
その後アビーは外の世界に目を向けるようになり、マイクとの関係も改善していった。一方崩れかかったピザ屋では、子供たちが苦しむウィリアムを店内に置き去りにする。
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登場人物
要約
視点
- マイク・シュミット(Mike Schmidt)
- 演 - ジョシュ・ハッチャーソン、日本語吹替 - 福山潤[3][4]
- 本作の主人公。廃墟となった「Freddy Fazbear's Pizzaria」で夜間警備を行うことになる。12歳の時、弟のギャレットが目の前で何者かに連れ去られており、それ以来弟と誘拐した犯人を捜し続けている。そして現在、妹のアビーの親権を得たが、安定した仕事に就けず再び家族を失いかけている[5]。
- ヴァネッサ・シェリー(Vanessa Shelly)
- 演 - エリザベス・レイル、日本語吹替 - 宇乃音亜季[3][4]
- 廃墟と化した「Freddy Fazbear's Pizzaria」の警備を長年担当している地元警察官。仕事中に居眠りをするなど警備の仕事を楽観視するマイクを信頼できずにいたが、次第に彼の置かれている状況に共感し、このピザ屋で起きた重要な歴史を彼に打ち明ける。またマイクと共に、怪奇現象を経験することとなる[6]。物語の佳境で、自分がウィリアム・アフトンの娘であることをマイクに告白する。
- アビー(Abby)
- 演 - パイパー・ルビオ、日本語吹替 - 渡辺明佳[3][4]
- マイクの10歳の妹。マイクの仕事が長続きしないせいで心を閉ざし引きこもるようになった結果、妄想に耽り不思議な絵を何枚もの紙に描き出すことを普段の暇つぶしをしている。しかしマイクが警備の仕事を始めると、アビーが描いた絵とピザ屋でおこる怪奇現象の間に奇妙なほどに重なりがあることに気づく[7]。
- ジェーン(Jane)
- 演 - メアリー・スチュアート・マスターソン、日本語吹替 - 野沢由香里[3][4]
- マイクとアビーの叔母。2人と共に暮らして以来、ジェーンは彼らの生活に欠かせない存在になっている。アビーを育てようとするマイクの頼みに反対しており、アビーの世話を他の人へ任せようとしている。しかしジェーンはアビーへの愛情以外に理由はないと主張する[8]。
- スティーブ・ラグラン(Steve Raglan) / ウィリアム・アフトン (William Afton)
- 演 - マシュー・リラード、日本語吹替 - 谷昌樹[3][4]
- マイクの仕事探しを手伝うキャリアカウンセラー。マイクに「Freddy Fazbear's Pizzaria」での夜間警備員の仕事を勧める[9]。その後、彼が児童失踪事件の黒幕であることが判明した。
- マキシン(Maxine)
- 演 - キャット・コナー・スターリング、日本語吹替 - 渡谷美帆[4]
- アビーのベビーシッター兼介護人。周りからは”マックス”の名で知られる。彼女はアビーに気を配りつつも、精神的に不安定になりつつあるマイクが妹の世話をすることができなくなるのではと陰ながら心配している[8]。
アニマトロニクス
- 元は「Freddy Fazbear's Pizzaria」で家族連れの客を楽しませるために設置されていた。しかし廃業後に突如として動き出し、警備の仕事を任された人々を自分たちのガワの中に取り込もうと襲いかかる。
- フレディ・ファズベアー(Freddy Fazbear)
- 演 - ケヴィン・フォスター
- ボニー(Bonnie)
- 演 - ジェイド・キンダル・マーティン
- チカ(Chica)
- 演 - ジェス・ワイス
- フォクシー(Foxy)
- 内骨格が丸見えになっているその見た目から、演者が中に入り動きを演じることはせず、操り人形師により操作されることとなった。操作には6人の操り人形師を要し、顔、頭、胴体、腕、足をそれぞれ別のスタッフにより操作された[10]。声優を務めたのはカレン・ゴフ。
加えて、アメリカ人YouTuberのCoryxkenshinとMatPatがそれぞれタクシー運転手とウェイターとしてカメオ出演している[11]。
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製作
要約
視点
企画
2015年4月、ワーナー・ブラザース・ピクチャーズはゲームシリーズ『Five Nights at Freddy's』の映画化権を獲得したと発表し、ロイ・リー、デヴィッド・カッツェンバーグ、セス・グレアム=スミスが映画化をプロデュースすることになった[12]。これに対しグレアムは「スコットと共に、狂っていて恐ろしく、不気味で素敵な映画を作るのを楽しみにしています。」と述べた[13]。同年7月には、ギル・キーナンがワーナーと契約し監督を務め、さらにタイラー・バートン・スミスと共に脚本の執筆も行うと発表された[14]。
2016年7月、本作が2018年の半ばに公開される予定との報道がされた[15]。この報道以前にはゲームシリーズファンの間で映画がキャンセルされたとの噂が流れるも、スコット・カーソン及び監督のギル・キーナンが共にそれを否定していた[15]。
しかし2017年3月、ワーナーが本作のプロジェクトから降板し、新たにブラムハウス・プロダクションズ製作を務めることになったと報じられた[16]。 同年5月、プロデューサーのジェイソン・ブラムは「彼無しでは納得のいく映画は作れない。」と語り、スコットと密接に協力していくと語った[17]。 同年6月、キーナンが本作の監督を辞退したことが発表された[18]。
脚本
2018年2月、監督兼脚本家を務めていたギル・キーナンの後任としてクリス・コロンバスが発表され、さらにブラムとカーソンと共に本作をプロデュースすることになった[19]。
同年8月、カーソンは『Five Nights at Freddy's』小説3部作の共著者であるキラ・ブリード・リスリーと共同で執筆した本作の脚本の初稿が完成し、シリーズ第1作目の内容が絡んでくると明かした[20]。またこの初稿に対して「まだまだ改善が必要。」とも語った[20]。同月、ブラムは2020年の公開を目指して本作を製作しているとした[21]。同年11月、カーソンは脚本について、コロンバスとブラムから好評を得ていたものの、より良いアイデアが浮かび気に入ったため前述した初稿を却下したと発表した[22]。これについてカーソンは前向きに考えており、「自分の直感を信じ、ファンが望む面白いものを提供したい。遅れてはいるが、いい方向に進んでいる。」とも語った[22]。
2020年6月、ファンダムとのインタビューで本作の進捗状況について尋ねられたブラムは、次のように述べた。
”とても活発に動いており、『Five Nights at Freddy's』の映画が見れるようになる見込みは大きくなるばかりです。本当に順調に進んでいます。何も発表がないためそう感じるかもしれませんが、停滞しているわけではありません。急速に進展しています。具体的な時期については示せませんが、近いうちに見れるようになるという自信があります[23]。”
2020年11月、カーソンは本作についての悪いニュースと題し、これまでに検討されたが却下された脚本の紹介と共に、とある脚本が採用されたとの報告をした。最終的に採用された脚本は「Mike」と呼ばれるタイトルであり、ゲームの基本的な設定が踏襲された、面白くて怖い筋の通ったストーリーであるとしている[24]。さらに同日、本作の撮影を2021年春より開始する予定であることを報告した[24]。
2021年9月、ブラムはコライダーとのインタビューで、クリス・コロンバスが本プロジェクトから離脱したことを報告した。さらにブラムは企画の遅れに関して、「正しいストーリーを得るのに予想よりも時間がかかっている。」と語りつつも、この企画はまだ続いているとした[25]。
2022年10月、エマ・タミがコロンバスの後任監督として発表され、さらにカーソンと新たにセス・カデバックと共同で脚本を執筆していることが発表された[26]。
2023年10月、ブラムがトーク番組レイト・ナイト・ウィズ・セス・マイヤーズに出演した際、これまでに8人の監督が携わり15本の脚本が執筆されたことを明かした[27]。
キャスティング
2022年12月、ジョシュ・ハッチャーソンとマシュー・リラードが何らかの役でキャスティングされたことが発表された[28]。さらに同日、メアリー・スチュアート・マスターソンと子役であるパイパー・ルビオがそれぞれ参加することが発表された[29]。 2023年3月には、キャット・コナー・スターリングとエリザベス・レイルが本作に出演することが報じられた[30][31]。
アニマトロニクス製作と演出
2022年8月、ブラムは自身の持つSNSにて、ジム・ヘンソン・クリーチャー・ショップがこの映画に登場するアニマトロニクスキャラクターの製作を手掛けることを、実際の製作の様子と思われる画像と共に発表した[32]。アニマトロニクスの演出には、担当する演者が衣装を着て撮影を行うこともあり、各衣装には動きやすくデザインされたものや、細部まで精密にデザインされたものまでいくつかのバリエーションが作成された[10][33]。
撮影開始前には関係者全員の安全確保の確認も含め、アニマトロニクスの感触を確かめるため1ヶ月に及ぶリハーサルを行っている[10]。また撮影では各アニマトロニクスの演者に衣装を着せるために約15分間要した[34]。
撮影・編集
当初、撮影は2021年3月に開始される予定だったが[24]、脚本の問題により撮影が延期された[25]。撮影は2023年2月1日にニューオーリンズで『Bad Cupcake』というワーキングタイトルで開始され、期間は2月1日から3月15日までの43日間に及んだ[35]。製作に要した推定予算(税制優遇措置前)は2500万ドル[2]。
2メートルを超えるアニマトロニクスとキャストを1つのフレームに収めるため、機材は他のカメラよりも広い視野で撮影が可能な、大判センサーを搭載したARRIAlexa65カメラが使用された[35]。またVFXスーパーバイザーであるジョナサン・デアリングとエマ・タミは、CGIの使用を最小限に抑えるよう撮影と編集を行っている[35]。
音楽
楽曲はザ・ニュートン・ブラザーズが担当した[36]。
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公開
2023年10月25日、イギリス、インドネシア、アイルランド、メキシコでの公開を皮切りに世界各国で公開された[37]。製作国であるアメリカでは各地の劇場及びPeacockで10月27日から公開された[38]。
続編
2018年8月、本作の監督を務めたスコット・カーソンは、本作の脚本の初稿が完成した報告と共にそれ以降の映画作品についての考えも語り、続編についてゲームシリーズの第2作目である『Five Nights at Freddy's 2』がベースとなる可能性があるとした。さらに3作目の製作についても言及した[39]。同年11月、続編に続く物語についてシリーズの1~3作目をベースとするもので、それ以降のゲーム作品に関しては展開する予定はないとした[40]。
2023年2月には、ウィリアム・アフトン役に起用されたマシュー・リラードはWeeklyMTGでのインタビューで、ブラムハウス及びユニバーサルと3作品分の契約を結んだと語った[41]。
2024年4月、ブラムハウスは2025年秋公開予定の続編を正式に決定し[42]、ジム・ヘンソン・クリーチャー・ショップがアニマトロニクスのデザインに続投することも明らかにした[43]。
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脚注
外部リンク
Wikiwand - on
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