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マイトソーム
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マイトソーム(mitosome)はある種の単細胞真核生物にみられる細胞小器官である。マイトソームは1999年に発見・報告された小器官であり[1]、その機能は未だに良く分かっていない。別のグループが同器官を「クリプトン」(crypton)とも命名しているが[2]、この名は使われていない。
マイトソームはミトコンドリアを持たない嫌気性生物や微好気性生物からのみ見つかっている。これらの生物は通常ミトコンドリアが行う酸化的リン酸化によるエネルギー産生を行わない。マイトソームは最初にヒトの腸管内寄生虫である赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)から発見され[1][3]、その後微胞子虫[4][5]やランブル鞭毛虫[6]からも報告されている。
マイトソームはミトコンドリアに由来する小器官であろうと推測されている。ミトコンドリアと同様に二重膜に包まれ、構成タンパク質の多くは特定のアミノ酸配列による移行シグナルによって輸送されてくる[1][4][5]。移行シグナルの配列はミトコンドリアのものと類似性が高く、実際にミトコンドリアのプレ配列が付加されたタンパク質がマイトソームへと輸送されることが実験的に確認されている[1]。マイトソーム関連タンパク質のかなりの部分が、ミトコンドリアやハイドロジェノソームのものと非常に類似している[3][7]。
ミトコンドリアと異なる点として、マイトソームは内部にゲノムを持たないことが挙げられる。マイトソームの構成タンパク質は細胞核ゲノムにコードされている[1]。マイトソームにゲノムの存在が示唆されたこともあったが[8]、近年の報告では否定されている[9]。
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