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マツブサ属

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マツブサ属
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マツブサ属(マツブサぞく、学名: Schisandra)は被子植物マツブサ科分類されるの1つである。落葉性または常緑性のつる性木本であり、精油を含む。単性花であり雌雄同株または雌雄異株、らせん状に配置した多数の花被片雄しべ雌しべ (心皮) をもつ(図1)。果実は赤熟または黒熟する液果であり、花後に花托が伸長してブドウの房状になる。26種ほどが知られ、多くは東アジアから東南アジアに分布しているが、1種のみ北米南部に隔離分布している。

概要 マツブサ属, 分類 ...

さまざまな生理活性物質を含み、一部の種は薬用に用いられている[5][6][7]チョウセンゴミシなど)。また観賞用に栽培されることや、などの材料とされることもある[4][6]

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特徴

落葉性または常緑性つる性木本 (藤本) である[6][8] (下図2a, b)。葉柄をもち、葉身は楕円形から卵形、倒卵形、革質から洋紙質、基部はくさび形、先端は鋭形から鋭突形、葉縁にはふつう鋸歯がある[6][8] (下図2c)。

は単性、雌雄同株または雌雄異株[6][8]。花はふつう葉腋 (鱗片腋) から生じる花柄に単生する[6][8] (上図2c)。花被片は5–20枚、白色から紅色、離生し、らせん状につく[6] (下図3a, b)。雄しべは4–60個、らせん状につき、離生または合生する[6][8] (下図3a)。花粉は放射状の3溝粒または6溝粒[6][8]心皮は12-120個、離生、2–3個の胚珠を含み、球形の花托上にらせん状につく[6][8] (下図3b)。果実液果、赤色または黒色に熟し、花後に花托が伸長するため、ブドウの房状の集合果となる[6][8] (下図3c)。種子は1–3個、腎臓形、表面は平滑またはいぼ状突起で覆われる[6][8]

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分布

東アジアから東南アジア温帯域から熱帯域に分布している。1種のみ (Schisandra glabra) 北米南部 (米国南東部とメキシコ) に隔離分布している[6][8]

系統と分類

要約
視点

マツブサ属 (Schisandra) はマツブサ科に属し、特にサネカズラ属 (Kadsura) に近縁である。ただし分子系統学的研究からは、マツブサ属が単系統群ではなく、一部の種 (S. plena, S. propinqua) が系統的にはサネカズラ属の中に含まれることが示されている[9] (下図4)。

マツブサ科

シキミ属

Kadsura ananosma

Kadsura coccinea

Schisandra plena

Schisandra propinqua

Kadsura scandens

Kadsura philippinensis

サネカズラ (Kadsura japonica)

Kadsura longipedunculata

Kadsura heteroclita

Kadsura renchangiana

Schisandra glabra

Schisandra bicolor

マツブサ (Schisandra repanda)

チョウセンゴミシ (Schisandra chinensis)

Schisandra rubriflora

Schisandra grandiflora

Schisandra pubinervis

Schisandra henryi

アリサンマツブサ (Schisandra arisanensis)

Schisandra elongata

Schisandra sphenanthera

Schisandra glaucescens

4. マツブサ科 (特にマツブサ属とサネカズラ属) の系統仮説 (一部の種のみ)[9][10]

マツブサ属には、およそ26種が知られている[1] (下表1)。日本には、チョウセンゴミシマツブサが自生している[8]

表1. マツブサ属の分類体系の一例[1][11]

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ギャラリー

脚注

外部リンク

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