トップQs
タイムライン
チャット
視点

マーシャと熊

ウィキペディアから

マーシャと熊
Remove ads

マーシャと熊マーシャとくま (原題: Маша и Медведь)は、ロシアの子供向けのテレビアニメシリーズ。企画はオレグ・クザフコフによるもので、アニマックコルド(Анимаккорд、ロシア・モスクワ)が制作する。初出は2009年[2]。 2008年12月18日にパイロット版が公開され、2009年1月7日にシリーズとして放送が始まった。マーシャという名前の小さな女の子と、彼女の父親的役割の熊が引き起こす出来事が主題となっている。

概要 マーシャと熊 (原題: Маша и Медведь), ジャンル ...
Thumb
マーシャと熊
イェラン(ヴォルゴグラード州にある都市)にて撮影されたもの。

このアニメシリーズは3Dコンピュータアニメーションで、モデリング、リギング、アニメーションにはオートデスク社のMayaが使用されている。レンダリングにはアニマックコルド自身のレンダーファームを使用。

ロシアでは、ロシア1(2019年現在はロシアK英語版で放送)の子供番組『おやすみなさい、子供たち!』[注釈 1]Спокойной ночи, малыши!英語版)内で放映されている。また、ロシア国外では100カ国以上で放映されている[3]。アニマックコルドの執行役員であるドミトリ・ロヴェイコは、イスラム教国でもマーシャがよく知られていることについて「彼女がスカーフかぶって足が隠れている[注釈 2]のはラッキーだったと思う」[注釈 3]と述べた[5][注釈 4]

2009年11月からはミステーリア・ズヴーカ(Мистерия звука)からDVDとブルーレイが発売されている。本シリーズはNetflix でも2015年の8月から公開された[6]

2013年からはYouTubeでも公開されているので、公式サイト[7] において視聴する以外に、YouTubeにおいての視聴も選択できる。また、YouTubeにおいての公式サイトは、「Маша и Медведь」[8]となっている。2019年1月時点では76話が制作されており[9]、36か国語に翻訳され、YouTubeでの全話再生数は420億回を超える[3]。2015年現在で最も多くされたエピソードは「マーシャとお粥(Серия 17) 」[3][2]である。続いて「召し上がれ (Серия 24) 」、「大洗濯(Серия 18)」、「拾い子(Серия 23)」、「甘い日々(Серия 33) 」、「アダブラ・カタブラ(Серия 25) 」、「1、2、3、光れ、クリスマスツリー!(Серия 3) 」、「二人で一人(Серия 36) 」、「遠くの甥(Серия 15)」、「捕まらない復習者 (Серия 51)」となっている[要出典]

また、2012年には、「マーシャのお話 (原題: Машины сказки)」と題するスピンオフ作品も放映され始めた。マーシャがお話を自分のぬいぐるみに語って聞かせるという形式のもので、全26話である。YouTubeの公式サイト[10]からアクセスできる。

なお、もともとロシアに『マーシャとくま』[注釈 5]という童話がある。森に住む熊のところにマーシャという小さな女の子が迷い込むモチーフは同じだが、童話の中の熊はむしろ悪者で、マーシャを女中としてこき使おうとする。

Remove ads

ストーリーの背景

Thumb
サモワール
熊のミーシャがよく使っている。ただし、サイズや形にはいろいろなものがあり、熊のサモワールは写真のものよりずっと大きなサイズで、形も球形に近い。
Thumb
UAZ-452
狼が住んでいる救急車と同じモデルの汎用自動車。
Thumb
ハリネズミ
「マーシャと熊」にたびたび登場する。ヨーロッパではなじみのある動物の一つ。

マーシャは豚とヤギと犬と一緒に住んでいるロシアの女の子である。森の動物たちはみんな彼女を怖がっている。というのもマーシャはいつも無理に自分の遊び相手を務めさせるからである。ある朝マーシャは蝶をみて、それ追っていたところ知らないうちに熊の家に入り込んでいた。その時熊は釣りに出かけていて留守だった。熊の家で遊んでいるとき、マーシャはあちこちをめちゃくちゃに引っ掻き回すのだった。家に戻ってきた熊はマーシャのしでかした惨状を見る。熊はマーシャを追い出そうとするがうまくいかない。そうしているうち熊とマーシャは友達になった(以上は「初めての出会い(Серия 1)」の内容)。

各エピソードでは、マーシャは頭がよく親切であるものの、いたずら好きの女の子で、自分の周りの世界を探検してまわっているとして描かれている。まさにそのことが多くの面白く楽しい状況を作り出す。心優しい熊はいつもマーシャがトラブルに陥ることを防ごうとしているが、多くの場合期せずして彼女のいたずらの犠牲になってしまう。

Remove ads

登場人物

マーシャ
声 - 木野日菜[12]
6歳の女の子。マーシャは女性名マリアのロシア語での愛称。ジェド・マロースや姉妹のダーシャなどの少数の例外を除けば、ただ一人の人間の登場人物である。鉄道の線路のわきにある家に豚やヤギ、犬と一緒に住んでおり、森の中の熊(ミーシャ)の家に遊びにやってくる。おてんばで大変活動的で、いつも遊びまわることを考えている。マーシャは熊のことが大好きだが、彼女の遊びというものは熊にとって問題を起こす傾向にある。甘いものが好き。バケツで飛び回ったり、「マーシャと熊」をテレビで見るのも[注釈 6]好き。マーシャは6歳の子供の性格(話す時に文法的な間違いをする、欲しい物が手に入らないと泣き出す)と大人の能力(テニスをする、魚釣りをする、ジャムを作る、エレキギターを演奏する)が組み合わさった人物像を持っている。声を担当するのは52話まではアリナ・ククシュキナ、53話以降はヴァルヴァラ・サランツェヴァ。
シリーズ監督のデニス・チェルヴャツォフによれば、マーシャには実在のモデルがいるということである。1990年代に、プロジェクトの美術監督、オレグ・クザフコフは休暇中に海岸で小さな女の子を見た。その子はとても無邪気で開放的な性格の子で、見知らぬ人についていって、彼とチェスをしたり、彼のフィンを借りて泳いだりしていた。しかし数日後行楽客たちは彼女から逃げるようになった。というのも、彼女はあまりにアクティブで煩わしかったからである。この体験は各エピソードのストーリーに取り入れられている[14]
名前はミーシャ(男性名「ミハイル」の愛称)。大きな心をもつ大きな熊であり、マーシャにとっては父親的存在であり、保護者としての存在である。森の中で木の幹をくりぬいた家に住んでいる。マーシャがいつも熊を呼びかけるときに使う「ミーシュカ」[注釈 7]はミーシャと同様「ミハイル」の愛称のひとつで、ロシア語において熊を指す口語的な表現である。昔はサーカスに出ており、写真やトロフィー、メダルを部屋に飾っている。サーカスで働いていた経験から、いろいろな芸をうまくこなす(例えばジャグリング、一輪車、手品)。また、いろいろな趣味にも通じており、さらには新しい機械を発明したり、絵画や執筆をものするいうような創造的な活動も行うとして描かれている。自宅の庭ではキイチゴやニンジンなどの果物や野菜を栽培しており、ミツバチも飼っている。人の言葉は話さない。この熊を含む動物の登場人物はマーシャの言っていることは理解するが、自分は手振り・身振りで意志を伝える。声を担当するのはボリス・クトゥネヴィッチ。
メスの熊
熊の憧れの彼女。二人目の女性(雌)の登場人物。熊は彼女に夢中であり、彼女の気を引いたり愛を語ることさえある。多くの場合彼女は熊に打ち解けた態度をとり、またマーシャにも親切である。
ダーシャ
マーシャのいとこでモスクワっ子。マーシャに顔はよく似ているが全く違う性格。ベージュの髪にブルーの瞳、ブルーの眼鏡をかけオレンジの服をきている。
野ウサギ
マーシャと熊の友達。しばしば熊と同じく、マーシャのいたずらに翻弄される。熊と一緒に庭仕事をすることもあるし、熊の庭の人参を勝手にとって食べたりすることもある。
オオカミ(2匹)
丘の上の壊れた救急車に住んでいる。救急車には医療器具が備わっている。恐ろしい姿の彼らも、最後には勝者となるマーシャに翻弄されている。
パンダ
熊の甥。中国出身。彼とマーシャはライバルであり、パンダが訪ねてきたときはしばしば諍いを起こす。 とはいえ時折は仲良くしており、一緒に遊ぶこともある。
トラ
サーカスでの熊の友達。
ペンギン
マーシャが卵を拾ってきて、熊がその卵を孵した(第23話)。熊を"パパ"(папа)と呼ぶ。熊は南極に帰したのだが、連絡を取り合っており、熊を訪ねてくることがある。
ヒマラヤ熊
マッチョ。熊のライバル。傲慢な性格の持ち主。
  • その他 - リス、ハリネズミ[注釈 8]、ヤギ、ニワトリ、犬、ブタ、ミツバチなど。
Remove ads

シリーズ各話のリスト

さらに見る 番号, タイトル ...
Remove ads

音楽

それぞれのエピソードの音楽はロシアの作曲家ヴァシリィ・バガチレフによるものである。シリーズの歌の多くは、「大洗濯 (Серия 18)」や「オーケストラのリハーサル(Серия 19)」の歌や音楽をはじめとしてロシア国内外でよく知られている。

第一話『初めての出会い』(2009年、監督: デニス・チェルヴャチョフ)

  • 2009年、第七回国際アニメーションフェスティバル"ティンディリンディス"にて「創造的な心温まるユーモア」に対する賞を受ける。
  • 第14回児童および少年・少女向け映画の国際コンクール"シュリンゲル"(ドイツ・ケムニッツ)にて最優秀アニメーションの賞を受ける。
  • 第26回ブラッドフォート・アニメーション・フェスティバル(BAF2009)にて最優秀テレビアニメシリーズの賞を受ける。
  • ボスニア・ヘルツェゴビナのネウムで開かれたフェスティバル"NAFF"にてグランプリ。また、視聴者の選ぶ最優秀賞を受ける。

第三話『1、2、3、光れ、クリスマスツリー!』(2009年、監督: オレグ・ウジノフ)

  • アニメ映画フェスティバル"スーズダリ2009"にて最優秀批評家賞を受ける[23]
  • 第7回"マルチヴィジョン"フェスティバルにて最優秀児童映画の賞を受ける[24]
  • ネウムの"NAFF"にて最優秀3Dの賞を受ける。

第六話『動物の足跡』(2010年、監督: オレグ・ウジノフ)

  • アニメ映画フェスティバル"スーズダリ2009"にて最優児童映画の賞を受ける[25]
  • アナパで行われた第15回国際映画フェスティバル"金の魚"にて最優秀児童映画の賞を受ける[26]

第十七話『マーシャとお粥』(2011年、監督: オレグ・ウジノフ)

  • 2019年、「最も視聴されたアニメ映像」としてギネス世界記録に認定。同エピソードのYouTubeでの再生数は、2019年1月19日時点で34億回を超える[3]。なお、2019年6月現在で、YouTubeでの再生数が37億回に達し、YouTubeでの通算の再生数で第四位、ミュージックビデオクリップを除いて第一位、アニメビデオで第一位となった[27]

シリーズ全体

  • 2015年1月、"クラシックになるべきテレビ番組(TV Shows Destined to be Classics)"の一つに選ばれる。これはアニメ分野の定期刊行物「アニメーション・マガジン(Animation Magazine)」が250号発行の記念にまとめたものである[2][28]
  • 2015年2月、"キッドスクリーン賞(Kidscreen Award )"[注釈 43]の創造的才能部門で最優秀アニメーション賞を受ける[29]

アニマックコルド

  • 2015年10月、キッドスクリーン・マガジンがアニマックコルドを"キッドスクリーン 熱い50社(Kidscreen Hot50)"[注釈 44]の制作会社部門の一つに挙げた[30]
Remove ads

コンピュータゲーム

2010年11月19日に子供向けゲーム『マーシャと熊-追いつけ』が発売され[31]、2010年12月には教育ソフト『マーシャと熊-学校への準備』が発売された[32]。2011年には『マーシャと熊-子供の課題』が登場した。2012年12月7日には『春が来た!』をもとにした『マーシャと熊-仲良くなりましょう』が発売された [33]

その他のメディア展開

2015年スロバキアのCOMUNIQUE社[34]がマーシャと熊の話を基にしたアイス・ショーを企画するライセンスを取得した。ショーのタイトルは「氷上のマーシャと熊(Masha and the Bear on Ice )」[35]。2015年10月3日にスロバキアのコシツェで初回のショーを行った。その後チェコ、スロベニア、クロアチア、セルビア、アラブ首長国連邦、エストニアでもショーが行われた[36]

政治論争

2017年7月10日、ウクライナのオデッサの公安委員会は「マーシャと熊」の放映を禁止する要請をウクライナ最高議会、国家映画局、テレビ・ラジオ国家委員会に対して行った。このアニメシリーズはロシアのプロパガンダで、大きく、力強く、家などの財産を持っている熊はロシアを暗示しているという趣旨である[注釈 45]。それに対してアニマックコルドのドミトリ・ロヴェイコは、テレビでは放映できなくなるがファンにはYouTubeのウクライナ語版を見てもらうことができると声明を出した[37]

脚注

参考文献

外部リンク

Loading related searches...

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.

Remove ads