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ミトキサントロン

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ミトキサントロン
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ミトキサントロン(Mitoxantrone)はアントラキノン系の癌化学療法剤の一つである。商品名ノバントロン

概要 IUPAC命名法による物質名, 臨床データ ...
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効能・効果

ミトキサントロンは急性白血病慢性骨髄性白血病の急性転化を含む)、悪性リンパ腫乳癌肝細胞癌への適応を持つ[1][2]

ミトキサントロンとプレドニゾンの併用療法が転移性去勢抵抗性前立腺癌の第2選択治療として認められている。ドセタキセルとプレドニゾンの併用療法が生存率を改善し、無病生存期間を延長することが確かめられるまでは第1選択治療であった[3]

ミトキサントロンは多発性硬化症(MS)の内二次性進行型MSの治療にも使われる。多発性硬化症を治癒させる治療法はなく、ミトキサントロンも多分に洩れないものの、二次性進行型MSの進行を遅らせて、再発寛解型MSと一次性進行型MSの再燃までの期間を延長することはできる[4]

副作用

重大な副作用として、鬱血性心不全、心筋障害、心筋梗塞貧血、白血球減少、血小板減少出血汎血球減少間質性肺炎ショックアナフィラキシーがある[1]

投与患者の5%以上に現れる副作用は上記の貧血、白血球減少、血小板減少のほか、肝機能検査値異常(AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、ALP上昇等)、血清ビリルビン上昇、悪心・嘔吐、食欲不振、口内炎、脱毛、発熱である。

そのほか、心障害や(遅発性の)免疫抑制が発現する。心筋症は不可逆性なので特に注意が必要である。心臓超音波検査放射性核種血管造影英語版での定期的モニタリングが推奨される。

心筋症のリスクがあるので、多発性硬化症患者へのミトキサントロンの生涯累積投与量(体表面積あたり)には限界がある[5]

作用機序

Thumb
DNA(緑・橙)およびミトキサントロン(球状構造式)と結合したヒトトポイソメラーゼIIB(紫)[6]。ミトキサントロンがDNAに割り込んでいる。

ミトキサントロンはII 型トポイソメラーゼ阻害薬であり、正常細胞およびがん細胞の両方でDNA塩基間へのインターカレーションによってDNA合成DNA修復を中断させる[7]

関連項目

  • ピキサントロン英語版 - 欧州で使用されているミトキサントロン類縁物質
  • ナフトキノキサリンジオン - 1,2-ジアミノアントラキノンから位置選択的合成法で得られた化合物[8]
  • アメタントロン(ポールペンのインクの色素)
  • ピロキサントロン
  • ロソキサントロン英語版

出典

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