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ロトスファエリダ目
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ロトスファエリダ目(Rotosphaerida)はオピストコンタに属し、細い糸状仮足を持つアメーバ様生物からなる目。系統的には菌界の姉妹群であるが、菌類的な特徴はほとんど持ち合わせない。分類体系によってはより高位の階級に位置づけ、ヌクレアリア界(Nucleariae)や、クリスチディスコイデア綱(Cristidiscoidea)と呼ぶこともある。ヌクレアリア類(nucleariids)という総称も、概ねこの分類群に相当する。
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形態
直径3µmから60µmの糸状仮足を持つ球形または扁平なアメーバ様生物で、鞭毛は持たない。核小体が明瞭な細胞核が目立っており、場合によっては多核体または合胞体となる。細胞質には収縮胞や食胞が多数ある。細胞表面は粘液質のグリコカリックスに覆われている。ミトコンドリアのクリステは平板状ないし盤状である[3]。細胞の内外にバクテリアを共生させているものが知られている[4][3]。
分類
要約
視点
古くから分類学的位置付けがはっきりしない生物群で、たとえば肉質虫のうち根足虫綱プロテオミクサ目や糸状仮足綱無殻目、太陽虫綱などに位置づけていた[5]。1980年代に電子顕微鏡を用いた微細構造観察により分類群としての一体性が明らかになる。21世紀に入ると分子系統解析によってオピストコンタとの近縁性が示され[6]、なかでも真菌との近縁性は2000年代後半に確立された[7][8]。
3科10属ほどが知られているが、分子系統解析が行われているのは5属にすぎない[3]。また環境DNA中から分子情報既知の5属とは異なる複数のクレードが見出されている[3]。
- ヌクレアリア科 Family Nucleariidae Cann & Page, 1979
- ポンフォリクソフリス科 Family Pompholyxophryidae Page, 1987
- 鱗片をまとう。Pompholyxophrys、Lithocollaのほか、Elaeorhanis、Pinaciophora、Rabdiophrys、Rabdiaster、Thomseniophoraが鱗片を持つものとして知られている。ヌクレアリア科にまとめて扱う場合もある。
- フォンティクラ科 Family Fonticulidae Worley et al., 1979
系統
おおよそ以下のような系統関係が示されている[3]。
ホロマイコータ |
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Holomycota |
Rainerの体系
Heinrich Rainerは外観が内質太陽虫類に似ているが、中心粒、軸糸、エクストルソームといった特徴を持たないアメーバ様生物を太陽虫目の中の亜目にまとめた[1]。
Pageの体系
Frederick C. Pageはミトコンドリアのクリステ形状に注目して糸状仮足綱の内部を整理し、クリステが盤状のものを目にまとめ、鱗片の有無により2科に区分した[12]。
Cavalier-Smithの体系
キャバリエ=スミスは、糸状仮足とミトコンドリアのクリステ形状が共通しているという観点から、細胞性粘菌と考えられてきたFonticula albaを加えた[14]。子実体形成能の有無によって目レベルで区分したため、PageのCristidiscoidida目は亜綱に格上げされた。その後の分類体系の改訂にともない、この分類群全体の階級は上下した。
- Cristidiscoidia亜門 Subphylum Cristidiscoidia Cavalier-Smith, 2009[15]
- クリスチディスコイデア綱 Class Cristidiscoidea Cavalier-Smith, 1998[16][17]
- Cristidiscoidia亜綱 Subclass Cristidiscoidia Cavalier-Smith, 1993[14]
Tedersooらの体系
2018年に菌学者らによって提唱された真菌の高位分類体系では、菌界の姉妹群として界に位置づけている[20]。子実体形成能の有無を門レベルで区分した。
- ヌクレアリア界 Kingdom Nucleariae Tedersoo et al. 2018
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注釈
参考文献
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