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丹東市

中国遼寧省の地級市 ウィキペディアから

丹東市
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丹東市(たんとう-し)は、中華人民共和国遼寧省南部に位置する地級市鴨緑江を隔てて朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と接する国境の街である。旧名は安東朝鮮族が約2万人居住している。中朝貿易最大の物流拠点であり、その7割以上がここを通過すると言われている[1]

概要 中華人民共和国 遼寧省 丹東市, 簡体字 ...
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地理

北は遼寧省本渓市、西は鞍山市大連市と接し、東は鴨緑江を隔てて北朝鮮新義州特別行政区と対する。鴨緑江には中朝友好橋が架かる。南は西朝鮮湾である。

歴史

古代には高句麗の領域であり、の高句麗征服後は安東都護府に属した。代に婆速府路となり、代にも婆娑府が置かれた。朝は満洲での漢人入植を禁止する封禁政策を取ったが、1874年に全面的に解禁し、1876年に安東県を設置した。

安東港は1903年に対外開港し、鴨緑江水運の発達により流域の物資集散地として発展した。1931年満洲事変が勃発すると直ちに日本軍占領され、満洲国1934年安東省を新設、安東県を省城とした。1937年安東県は安東市に昇格している。この時代には多数の日本企業が安東に進出した。1945年日本降伏後は中国共産党軍接収し、朝鮮戦争(1950年 - 1953年)では中国人民義勇軍兵站前線となった。1965年安東市は丹東市に改称された。

2010年8月21日、鴨緑江上流における集中豪雨のため河川が氾濫。5万人以上が避難した事が伝えられた[2]

行政区画

要約
視点

3市轄区・2県級市・1自治県を管轄する。

さらに見る 丹東市の地図 ...

年表

この節の出典[3]

遼東省安東市

  • 1949年10月1日 - 中華人民共和国遼東省安東市が発足。金湯区元宝区中央区鎮興区鎮安区浪頭区五龍背区九連城区が成立。(8区)
  • 1950年8月2日 (3区)
    • 金湯区が五龍背区に編入。
    • 元宝区・中央区・鎮興区が浪頭区に編入。
    • 鎮安区が九連城区に編入。
  • 1951年9月13日 - 市内行政区域の再編により、一区から八区までの区が成立。(8区)
  • 1953年 - 四区の一部が分立し、九区が発足。(9区)
  • 1954年6月19日 - 遼東省の分割により、遼寧省安東市となる。

遼寧省安東市

  • 1954年12月13日 - 一区が金湯区に、二区が元宝区に、三区が中央区に、四区が鎮興区に、五区が鎮安区に、六区が浪頭区に、七区が五龍背区に、八区が九連城区に、九区が湯池区にそれぞれ改称。(9区)
  • 1955年9月2日 (7区)
    • 鎮安区が五龍背区に編入。
    • 中央区が湯池区に編入。
  • 1955年5月23日 - 九連城区の一部が安東専区安東県に編入。(7区)
  • 1956年6月22日 (5区)
    • 九連城区が五龍背区に編入。
    • 湯池区が浪頭区に編入。
  • 1957年12月3日 (3区)
    • 金湯区が元宝区に編入。
    • 浪頭区・五龍背区が合併し、郊区が発足。
  • 1958年12月20日 - 安東専区安東県鳳城県寛甸県岫巖県を編入。(3区4県)
  • 1959年8月2日 - 元宝区の一部が分立し、金湯区が発足。(4区4県)
  • 1960年3月29日 - 金湯区が元宝区に編入。(3区4県)
  • 1965年1月20日 - 安東市が丹東市に改称。

安東専区

  • 1955年11月11日 - 荘河県岫巖県安東県寛甸県鳳城県桓仁県を編入。安東専区が成立。(6県)
  • 1955年5月23日 - 安東市九連城区の一部が安東県に編入。(6県)
  • 1956年6月22日 - 本渓市本渓県を編入。(7県)
  • 1956年6月30日 - 本渓県が本渓市に編入。(6県)
  • 1958年12月20日
    • 荘河県が旅大市に編入。
    • 安東県・鳳城県・寛甸県・岫巖県が安東市に編入。
    • 桓仁県が本渓市に編入。

遼寧省丹東市

  • 1965年1月20日 - 安東市が丹東市に改称。(3区4県)
  • 1965年2月26日 - 鎮興区が振興区に改称。(3区4県)
  • 1965年12月27日 - 旅大市荘河県を編入。(3区5県)
  • 1966年1月27日 - 本渓市桓仁県を編入。(3区6県)
  • 1968年12月26日 (3区4県)
    • 荘河県が旅大市に編入。
    • 桓仁県が本渓市に編入。
  • 1980年3月8日 - 郊区が振安区に改称。(3区4県)
  • 1984年11月28日 - 東溝県の一部が振安区に編入。(3区4県)
  • 1985年1月17日 (3区2県2自治県)
  • 1986年2月24日 - 寛甸県の一部が振安区に編入。(3区2県2自治県)
  • 1987年6月20日 - 寛甸県の一部が振安区に編入。(3区2県2自治県)
  • 1989年9月7日 - 寛甸県が自治県に移行し、寛甸満族自治県となる。(3区1県3自治県)
  • 1992年1月23日 - 岫巖満族自治県が鞍山市に編入。(3区1県2自治県)
  • 1993年6月18日 - 東溝県が市制施行し、東港市となる。(3区1市2自治県)
  • 1994年3月8日 - 鳳城満族自治県が市制施行し、鳳城市となる。(3区2市1自治県)
  • 1999年6月16日 (3区2市1自治県)
    • 振安区の一部が元宝区・振興区に分割編入。
    • 東港市の一部が振興区に編入。
    • 元宝区・鳳城市のそれぞれ一部が振安区に編入。
  • 2008年8月14日 - 東港市の一部が振興区に編入。(3区2市1自治県)

住民、少数民族

29の民族が存在するが、古くから住んでいる民族は、漢族満洲族回族朝鮮族モンゴル族シベ族などである。北朝鮮との国境に位置することから、少数民族の中では朝鮮族の影響が最も強く、標識や、商業用の看板などいたるところに、ハングルが併記されている。また朝鮮料理の店も数多い。朝鮮族の児童が通う民族学校も存在する。 満洲族は、人名、言語、外見、風俗などが多数派の漢族と変わらないため、その存在はほとんど目立たないが、市全体の総人口の30%以上を占めている。また丹東周辺は、満洲族の主要な故地の一つでもある。回族は人口約1.8万人。回族および、イスラム教徒が丹東周辺に流入したのは、末期から初期と言われる。回族は飲食業に従事するものが多いため、丹東にはイスラム教徒専門の清真料理店も多く存在する。丹東のモスクは以前は中国寺院風の様式であったが、2004年に老朽化のため取り壊し、新たにアラブ様式の寺院が建てられた。

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交通

航空

丹東中心部より14kmの東港市に丹東浪頭空港があり、1985年4月開港。北京、上海、成都、深圳、三亜などの国内線空路がある。

鉄道

市中心に丹東駅があり、瀋陽との間を結ぶ路線がある(瀋丹線)。平壌北京を結ぶ国際列車K27/28次列車の経路でもある。2011年から丹大都市間鉄道(大連北駅~荘河東港~丹東)の建設が始まり、2015年12月に開通した。全長は292キロメートルで、設計最高速度は200km/hである[4]CRHの電車列車を利用した場合、丹東駅から省都の瀋陽へは1時間15分から2時間[5]、大連へは3時間である。[6]

道路

主要道路はG201国道G304国道高速道路は瀋陽との間(丹阜高速道路)が2002年に、大連との間(丹大高速道路)が2005年に開通した。丹大高速には、荘河サービスエリアと丹東サービスエリア(丹東東ICと丹東ICの間)がある。

バス

大連の凱旋広場(大連駅北口)から高速バスが一日8往復、大連長途汽車総站からミニバスが一日16往復出ている。所要時間は高速バス4時間、ミニバス6時間。瀋陽からは高速バスが一日少なくとも19往復、長春などとの間にバス路線がある。なお、北朝鮮・平壌間に一日一便国際旅客バスが運行しているという。

国境

北朝鮮への道路・鉄道:鴨緑江大橋(中朝友誼橋

2011年から新鴨緑江大橋が建設され、2014年秋に橋と中国側の道路が完成したが、中朝関係の悪化により北朝鮮側の道路が着手されず、完成の目処がたっていない。現在の鴨緑江大橋の下流8キロ、丹東の新開発区浪頭と新義州の南の龍川を結ぶ[7][8][9]

航路

韓国の仁川港との間を、ほぼ隔日でフェリーが往復している(東方明珠号)。

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気候

さらに見る 丹東 (1971−2000)の気候, 月 ...
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経済

丹東新区(新市区)が振興区の浪頭付近に建設されていて、ここに市政府の引っ越しも終わっている。ここは計器計測器産業区・ソフトウェア産業区も建設予定で、丹東浪頭空港へも近く、北朝鮮へ新鴨緑江大橋も建設中で、北朝鮮との共同作業が進む黄金坪にも隣接している。この計画は遼寧省の「五点一線計画」に沿って、さらに下流の東港にある港口工業区へ続いている[11][12]

農業・漁業

後背地農業が行なわれ、黄海では海産物の採取が盛んである。

工業

丹東黄海バスなどの自動車産業自動車部品産業計器・計測機製造などが盛んである[13]

サービス産業

市内の鴨緑江公園、虎山長城など、郊外の鳳凰山などへの観光が有名である。中国から北朝鮮への出入国の多くは、丹東市から行なわれている。

観光

大学

  • 遼寧丹東大学
  • 丹東広播電視大学
  • 遼東学院
  • 遼寧機電職業技術学院
  • 遼寧地質工程職業技術学院

特産品

姉妹都市

出典

外部リンク

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