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伊豆箱根鉄道1300系電車
伊豆箱根鉄道駿豆線用の通勤形電車 ウィキペディアから
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伊豆箱根鉄道1300系電車(いずはこねてつどう1300けいでんしゃ)は、2008年に登場した伊豆箱根鉄道駿豆線用の通勤形電車である。
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概要
要約
視点
西武鉄道の新101系を改造したもので、老朽化が進行した1100系(元西武701系)の代替を目的に3両編成2本の計6両が導入された。同社武蔵丘車両検修場にて西武車両による改造を施工した上で入線し、第1編成は2008年(平成20年)12月14日より営業運転を開始している[1]。
車体・編成
編成はクモハ1300形 - モハ1400形 - クハ2200形の3両編成で、種車における2両編成の偶数車(Mc2)、および4両編成の奇数車(M1・Tc1)によって構成されている[注 1]。2編成を導入したため種車は4編成になるが、いずれも東急車輛製造にて1979年に製造されたものである。また4両編成の方は2本とも元秩父鉄道直通対応車であり、後述のパンタグラフが西武101系における標準品と異なっているほか、連結器胴受の根本に金具が残されている特徴を有する。車体関係の改造点としては前面への排障器(スカート)設置[注 2]、妻面の転落防止幌の撤去(台座のみ残存)、また側面の社紋・車両番号表記の変更程度である。
車体塗装は従来の鋼製車と同じく、白色をベースとして各部および妻面全体に「ライオンズブルー」を配したものであるが、若干の変更が加わった。前面は種車のブラックフェイスを引き継ぐ形で若干アレンジされている。この窓周りの黒色は種車より僅かに範囲が広げられ、センターピラーと凹部の断面が新たに黒色となった。側面では腰部の帯がこれまで太帯と細帯を組み合わせた2本であったのに対し、本系列では太帯1本のみとなってる。客用扉はこれまで西武時代にステンレス無塗装であった1100系も含めて全て車体色であったのに対し、本系列は種車のステンレス無塗装を引き継いでいる。
表示器は種車由来のものを前面に備え、行先表示には駿豆線初となる英字表記が追加された。種別表示器も残されたが、これはJR直通用に装備していた7000系と異なり「普通」の表示は行わず、「ワンマン」の表示に用いられる(2009年4月1日のワンマン運転開始以前は白幕)。また1990年以降の新造車[注 3]では側面にも行先表示器が備えられているが、本系列への設置は見送られた。
主要機器
基本的に西武在籍当時から変化はない。
制御装置は日立製作所製で、主制御器は電動カム軸式のMMC-HTB-20E系をモハに備え、1C8M方式としてクモハとあわせた2両を制御する。台車は住友金属工業製のペデスタル式空気ばね台車で、形式は電動車がFS372、制御車がFS072となる。制動装置は発電制動併用電磁直通空気制動 (HSC-D) である。
電動空気圧縮機 (CP) はクモハに搭載、種車のものは2両編成用であったため吐出量の大きいHB2000(西武での発生品)へ換装している[注 4]。
補助電源装置の電動発電機 (MG) は140 kVAの日立製HG77445系を同じく元2連のクモハに搭載する。こちらは元より4両編成の廃車発生品を用いていたため、容量の問題はなかった。
内装・各種設備
座席はロングシートであり、基本構造は概ねそのままであるが、妻面の貫通扉が撤去されている。
内装面では同時期の西武新101系・2000系の車体更新と類似する内容の改造が施され、車椅子スペースの設置、対話式非常通報装置・車内案内表示器・乗降促進放送の整備、化粧板・座席モケット・床敷物の取替、座席間へのスタンションポール設置、ドアチャイムの設置、ドア付近へのつり革増設が行われている。
改造内容や使用部品は西武新101系ワンマン車の2004・2005年度更新車に近いが[注 6]、内装材は新2000系の車体小修繕車に準拠したものとなっており、また優先席のモケットは灰色とされている。
車内表示器は鴨居部の千鳥配置で、設置個所は鴨居カバーを交換している。ドアチャイムは駿豆線車両として初めて設置された。さらに各車両の車内外には号車表示ステッカーが、そしてドアの内面にはドア番号ステッカーが貼付された。
車椅子スペースは両先頭車の先頭部右側に、優先席は両先頭車の連結面寄りに設けられている。
その他、ワンマン運転への対応が行われている。前述した新設機器への対応とあわせ、運転台周りをはじめとして各部の改修が行われた。
- 車内全景
(クハ2201 2023年4月) - 優先席付近
(クハ2201 2023年4月) - 案内表示器
(2023年4月) - 運転台
(2023年2月)
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編成表
導入後の変遷

2013年3月に行先表示器がLED式のものに交換された。
2016年12月10日から、2201編成は塗装変更の上で「イエローパラダイストレイン」として運転されている[2]。新101系落成当初のツートンカラーを再現したもので、前面窓周りの色は2両編成のウォームグレーである。2017年からは後述のイベント列車に優先的に充当されている。
- 2023年12月20日から翌年1月12日までの間、検査入場中の3000系「HAPPY PARTY TRAIN」に代わって黒澤ダイヤのバースデーヘッドマークを装着して運転された[3]。
- 2024年2月9日から27日まで、「川柳電車」として運転された。ヘッドマークを掲出したほか、公募した川柳の入選作品が車内に展示された[4][5]。
その他、伊豆箱根鉄道創立100周年記念、東京オリンピック・パラリンピックPRなどでヘッドマークの掲出や側引戸へのラッピンなどが複数行われている。
臨時列車
要約
視点
入線後は定期列車の他に臨時列車にも何度か充当されている。当系列を使用した臨時列車は以下の通り。LEDの行先表示器には専用の表示が掲出され、また開催日の約2週間前からヘッドマーク装着や側窓へのステッカー貼付を実施するケースが多くなっている。
2018年の「イズシカトレイン」から、ローソンチケットにチケット発券業務を委託。WEB又はローソン・ミニストップ店舗に有る端末「Loppi」での購入となる。チケット購入後の払い戻し、キャンセルは不可能となっている。
- 反射炉ビヤガー電車 - 2010年8月27日・9月3日、2011年8月6・20日・9月3日、2012年7月27日・8月10・24日・9月7日、2013年7月19日・8月9・23・30日、2014年7月25・26日・8月8・9・22・23・29・30日・9月5・6日、12月21・22日(クリスマス)、2015年8月7・21・28日・9月4・11日、2016年7月29日・8月5・19・26日・9月2日、2017年7月21・28日、2018年8月10・31日、2019年8月9日・30日、2022年9月9日、2023年9月2日、2024年9月7日運転
- 伊豆の国市の韮山反射炉の目の前に位置する蔵屋鳴沢と共同で開催される。ビヤガーデンとかけたネーミングで、同社による地ビール「反射炉ビヤ」が飲み放題である。2年目の2011年以降は「(西暦)反射炉ビヤガー電車」として運行。
- 2011・2012年は、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)及び福島第一原発事故に伴う電力使用制限令を逆に利用して、車両冷房を使用せずに側面窓を開放して運転した。また、2011年は車内販売のおつまみも、一部は被災地産の材料が使用された[6]。
- 2011年9月3日は、1100系引退イベントの一環として同車を使用する計画だったものが、都合により変更された[7]。
- 2020年8月28日・9月4日にも運転予定であったが、新型コロナウイルス感染症の拡大を考慮して運行が中止された。
- 2017 - 2019年・2024年は「イエローパラダイストレイン」が使用された。
- 中伊豆ワイン電車 - 2010年11月19・26日、2011年11月19・26日、2012年11月9・16日、2013年11月15・29日、2014年11月28日・12月5日、2015年11月27日、2016年11月4・16日、2017年11月10日、2018年12月21日(クリスマス)、2019年12月6日運転
- 日本酒電車「イズシカトレイン」 - 2011年2月18・25日、2012年2月18日・3月3日、2013年3月8・15日、2014年3月7・14日、2015年3月6・13日、2016年3月18・25日、2017年3月10・17日、2018年3月9・16日、2019年3月15・20日運転
- チューハイトレイン「ハイリキ電車」 - 2016年7月8日、2017年9月15日、2018年7月20日、2019年7月19・20日運転
- 「いずはこねふれあいフェスタ」 - 2017年・2018年11月23日運転
- 「伊豆の国いちご電車」 - 2019年4月6日運転
- 「いずっぱこ よしもとお笑い電車」 - 2019年6月29日運転
- 「韮山反射炉茶の庵 お茶エール電車」 - 2022年5月13日運転
- 「静コロ電車」 - 2024年10月5日運転
- 東平商会のみしまコロッケと長泉あしたカツが食べ放題になるほか、弁当が提供される。
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電車操縦体験
三島市のふるさと納税の謝礼品として、本系列を使用した操縦体験が実施されている。大場工場の線路約70mを2往復するもので、5km/h以下での運転となる。体験運転終了後に電車体験操縦修了証、手袋、伊豆箱根鉄道関連グッズがプレゼントされる。尚、このイベントでの動画撮影は禁止となっている[16]。
脚注
関連項目
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