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佐須の禅寺丸古木

調布市に生育するカキノキの古木 ウィキペディアから

佐須の禅寺丸古木map
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佐須の禅寺丸古木(さずのぜんじまるこぼく)は、東京都調布市佐須町に生育するカキノキ巨木である[1][2][3]。この木は「禅寺丸」(ぜんじまる)という甘柿の品種で、推定の樹齢は約380年とされる[4]。この品種における巨大な木の一例として、1964年(昭和39年)に東京都の天然記念物に指定された[1][3]

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地図
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全景(2025年2月撮影)

由来

この木が生育する調布市佐須町は、かつて農村地帯であった[3]多摩川の支流野川沿いに田畑が広がり、農家の庭先にはカキノキがよく見られていた[3]。カキノキは甘柿を食用にする他にも、渋柿を干し柿に加工したり染料や防水用に利用したり、材を建築用などに使うなど利用範囲の広い植物である[3]

品種は「禅寺丸」という甘柿の1種に属する[1][3][2]。禅寺丸は、神奈川県川崎市麻生区王禅寺が原産地とされるもので、同区王禅寺940所在の真言宗寺院王禅寺の木を原木とし、日本最古の甘柿といわれる[4][5][6][7]。王禅寺の原木は、2007年(平成19年)7月26日に国の登録記念物に登録されている[8]

伝承によれば、その起源は鎌倉時代にまでさかのぼる[2][5][6]。1214年(建保2年)、等海という僧侶が王禅寺の本堂再建の材木を探して山中に入り、これを発見した[注釈 1][1][5][6]。等海はその実が大変に美味であったために、木を持ち帰って寺の境内に移植したという[1][5][6][7]

禅寺丸という品種は「不完全甘柿」(種が十分に入ると甘くなる)といわれるもので、果実は小さく4センチメートル程度に育ち重さは100-120グラムほどである[5][9][10]江戸時代から多摩川両岸や武蔵野地域の農村地帯に栽培が広がり、明治大正の頃まで主要品種として盛んに栽培された[3][6][10]。やがて主要品種の座を降り、富有柿の受粉樹として利用されるようになった[10]

多摩武蔵野の旧家には、庭先に禅寺丸の古木が残っているのが時折見受けられる[2][7][11][12]。佐須町にあるこの木は推定の樹齢約380年とされ、カキノキの古木としては大きいものの1つである[1][4]。樹高は約12.0メートル、主幹は幹周り約1.9メートルを測る[3]。樹勢は盛んで毎年多くの実をつけているが、2007年(平成19年)に台風の被害に遭って大枝が折損した[1][4]。そのため所有者は、支柱を立ててこの木を保護している[4]。この木は1964年(昭和39年)4月28日に、東京都の天然記念物に指定された[1][3][2]

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交通アクセス

所在地
  • 東京都調布市佐須町1丁目7番3号(公開時間 9:00-16:00、所有者宅などは非公開)[3][12]
交通

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

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