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儀礼称号

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儀礼称号(ぎれいしょうごう、英語: courtesy title)とは、儀礼的に名乗る称号栄誉称号のひとつ。主にヨーロッパの王族貴族において爵位、称号を有する当主以外の家族が、儀礼的にそれに準じる称号を名乗ることを言う。また、公的な貴族制度がなくなった国においては貴族の称号は全て儀礼的称号といえる。日本において戦後に旧華族がこのような儀礼称号を名乗る例は見られない。

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イギリス貴族の儀礼称号

イギリス貴族において正式な貴族(peer:有爵者)は当主一人であるが、その家族も身分に従った儀礼的な称号 (courtesy title) で呼称される。伯爵 (Earl) 以上の貴族で、主たる爵位より階級の低い爵位を有する場合、その法定推定相続人たる長男は主たる爵位より階級の低いいずれかの爵位を儀礼称号として名乗ることができる[1]。ただし、当該爵位の保有者であることを示す定冠詞 (the) を除外した形となる[2]。例えば、マールバラ公爵 (the Duke of Marlborough) はブランドフォード侯爵 (the Marquess of Blandford) でもあるため、その長男はブランドフォード侯爵 (Marquess of Blandford) を名乗り、そのさらに長男はサンダーランド伯爵 (Earl of Sunderland)を名乗る[2]。ただし、主たる爵位より階級の低い爵位を実際に保有しない場合にも儀礼称号を僭称する家系が存在する[2]

公爵侯爵の息子で法定推定相続人以外の場合はロード (Lord)の敬称が、伯爵の息子で法定推定相続人以外の場合はオナラブル (Honourable、略称The Hon)の敬称が許される[1]。公爵、侯爵、伯爵の娘の場合はレディ (Lady)の敬称が許される[1]子爵男爵の子女は法定推定相続人かどうかにかかわらず、オナラブル (Honourable) の敬称が許される[1]1963年貴族法に基づき有爵者が爵位を一代放棄した場合も儀礼称号に関する権利は変わらない[1]養子縁組の場合、養子に爵位継承権はないものの、2004年の軍務伯による特許状に基づき、法定推定相続人以外の子女と同様の儀礼称号を名乗る権利を有する[1]。例として第9代イーリー侯爵チャールズ・ジョン・トッテナムの養子アンドルーは「アンドルー・トッテナム卿」(Lord Andrew Tottenham)と呼称され、従属爵位のロフタス子爵は使われない[1]

有爵者たる貴族の夫人は、夫の爵位の女性形(自身の権利において爵位を有する場合と同じ称号。例えば、伯爵夫人の場合は女伯爵と同じcountess)を(正式な場合には夫の氏名とともに)名乗る。

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イタリア

イタリア1946年6月2日の国民投票によって王政の廃止が決まり、1948年1月1日イタリア共和国憲法施行で正式に貴族制度が廃止されたが、憲法の経過規定第14条は、「1922年10月28日以前に存在した貴族の爵位に付随する名称は、氏名の一部とみなされる」と規定している。基準日となる1922年10月28日は、ファシスト党ローマ進軍を受けて、国王ヴィットーリオ・エマヌエーレ3世ベニート・ムッソリーニに組閣を命じた日の前日である。

出典

関連項目

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