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南海11000系電車

南海電気鉄道が保有する特急形直流電車。特急「りんかん」「泉北ライナー」の専用車両 ウィキペディアから

南海11000系電車
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南海11000系電車(なんかい11000けいでんしゃ)は、1992年平成4年)11月10日に営業運転を開始した南海電気鉄道特急形車両である。

概要 基本情報, 運用者 ...
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車両概説

要約
視点

1992年(平成4年)11月10日に運行を開始した、高野線難波駅 - 橋本駅間の特急りんかん」用の車両として、東急車輛製造(現:総合車両製作所)で4両編成×1本が製造された。10000系4次車(特急「サザン」増結用中間車)をベースに設計されている。

2015年(平成27年)12月5日からは、難波駅 - 泉北高速鉄道(現・泉北線)和泉中央駅間を結ぶ特急「泉北ライナー」としても運転されている。

車体

10000系を基本とした20 m級の普通鋼製車体で、前頭部は同系のデザインを踏襲しつつ半流線形とし、スピード感を持たせている。側窓は10000系4次車と同様の複層ガラスを使用した大型連続窓である。出入口は折り戸で、各車片側1か所備える。列車種別・行先表示器2000系と同様の個別表示式で、各車の出入口付近に設置している。前面貫通扉は当初非常用であったが、1999年(平成11年)の31000系登場に合わせて橋本方先頭車(モハ11201形)に幌受けアダプターを新設し、31000系との併結時のみ車内からの通り抜けを可能としている[1]

落成当初のカラーデザインは、10000系に準じたメタリックシルバー塗装に青とオレンジの帯()であった。その後の変遷については後述する。

なお2021年令和3年)1月には、前照灯シールドビームからLEDに変更している[2]

車内設備

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車内

客室照明はスリット入り半間接照明で、荷棚下には南海伝統の読書灯も設置されている。座席はフリーストップ式回転リクライニングシートで、センターアームレスト(中ひじ掛け)やひじ掛け内蔵テーブルのほか、足元には跳ね上げ式フットレストを備えている。シートピッチ30000系より30 mm拡大した1,030 mmとしている。車内案内表示器は10000系4次車と同型の3色LED式を装備する。

モハ11301形にはトイレと洗面所、モハ11101形の客室には車椅子スペースを設けている。モハ11101形の上り方には自動販売機を有するサービスコーナーがあり、かつては公衆電話やサービスカウンターも備えていたが、現在は撤去・閉鎖されている。

2014年(平成26年)以降には、天井照明と読書灯を昼白色LED照明に交換し、サービスレベルの向上が図られている[2]

なお、本系列は車載型の自動放送装置を搭載しているが、これは「りんかん」運用時にのみ対応するものである。

主要機器

制御方式は30000系と同じ抵抗制御であるが、制御装置は10000系4次車と共通設計とした超多段式バーニア制御日立製作所製 VMC-HTB-20H形 を採用している。高速度遮断器には真空遮断器を使用し、故障時の保護機能を向上させている。ブレーキ装置は全電気指令式電磁直通ブレーキ台車S形ミンデン台車である。電動機出力は145 kWで全電動車編成を組んでいるが、20 m級車体であるため橋本駅以南の山岳区間には入線できない。

補助電源装置には、絶縁形GTOコンバータ/トランジスタインバータ装置(出力75 kVA)を採用している。システムはDC-DCコンバータ部とインバータ部で構成され、コンバータ部で直流1500 Vから安定した直流330 Vを出力、インバータ部で直流330 Vを三相交流220 Vに変換する。冷房装置は、コンバータからの直流330 Vを電源とする、インバータ制御方式のユニットクーラーを各車3基ずつ搭載する[注 1]

このほか警笛は、従来の空気式に加え電気式のものを併設している[注 2]

1999年(平成11年)、30000系・31000系との併結対応改造として、制御装置の特性が変更された[1]

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編成表

電動車方式で、難波方先頭車がモハ11001形、難波方中間車がモハ11301形、橋本方中間車がモハ11101形、橋本方先頭車がモハ11201形となっている。

さらに見る ← 難波橋本・和泉中央 →, 形式 ...

運用

本系列は高野線山岳区間に乗り入れ可能な17 m級車両(ズームカー)ではないため、高野線平坦区間の難波駅 - 橋本駅間を結ぶ特急「りんかん」に長らく運用されてきた。30000系の更新工事が完了した2000年(平成12年)12月23日ダイヤ改正からは、ラッシュ時に30000系・31000系を併結し8両編成でも運転されている[5]

2015年(平成27年)12月5日のダイヤ改正からは難波駅 - 和泉中央駅間を結ぶ特急「泉北ライナー」が新設され、本系列が充当されるようになった[6]。ただし、毎年1月から2月の冬季閑散期の車両定期検査期間中には、本系列が「りんかん」運用に復帰し、「泉北ライナー」運用を南海12000系(サザン・プレミアム)で代走するのが通例となっている[7]

2017年1月も上記の代走体制が開始された[8]が、1月27日より泉北高速鉄道が自社発注の特急車12000系を「泉北ライナー」に投入したため、本系列は暫く「泉北ライナー」運用から離れていた。同年8月26日のダイヤ改正で「泉北ライナー」が増発され2編成による運用体制となることから、再び「泉北ライナー」に使用されるようになった[9]

30000系の脱線事故に伴い、2022年(令和4年)11月3日から「りんかん」運用に臨時復帰した[10][11]。「泉北ライナー」運用へは、予備編成に余裕のあった50000系が投入された。30000系の復帰後も暫く代走体制が継続されていたが、2023年(令和5年)10月1日より本系列の「泉北ライナー」運用が再開された[12]

車両カラーデザインの変遷

  • 1992年(平成4年):メタリックシルバー地に青とオレンジの2色帯()で登場。
  • 1999年(平成11年):31000系デビューに合わせて、白地に赤帯の塗装()に変更[1]。「りんかん」8両編成運転に備える。
  • 2015年(平成27年)
    • 12月:「泉北ライナー」用として、出入口付近に列車愛称ロゴ入りの識別ステッカーを貼り付け[6]
  • 2016年(平成28年)
    • 1月:「泉北ライナー」運用を一時離脱[7]。識別ステッカーを撤去。「泉北ライナー」運用は南海12000系が代走。
    • 3月:「泉北ライナー」運用復帰に合わせ、赤帯の一部を金色にラッピング[13])。列車愛称ロゴ付近はグラデーション模様とした。
  • 2017年(平成29年)
    • 1月:「泉北ライナー」運用から一時撤退。ラッピングを剥離[8])。「泉北ライナー」は1月27日までの間は南海12000系で代走、以降は泉北高速12000系での運用となる。
    • 8月:増発に伴い「泉北ライナー」運用を再開、赤帯部に泉北高速12000系準拠の金色ベースに青と黒の2色帯を纏った2代目ラッピングを貼り付け[9])。
  • 2018年(平成30年)
    • 1月:30000系30001編成の検査入場に伴い、「泉北ライナー」運用から離脱。ラッピングを剥離[14])。
    • 2月:30001編成の運用復帰に合わせて「泉北ライナー」運用を再開、デザインを一部変更した「泉北ライナー」3代目ラッピングを貼り付け[15])。2代目から青帯の一部や列車愛称ロゴが省略された。
以降、毎年1月から2月の高野線特急車の定期検査時には「泉北ライナー」運用から離脱するため、ラッピングを剥離。復帰時は3代目ラッピングを装飾。
  • 2022年(令和4年)
    • 11月:30000系30001編成脱線に伴う運用調整のため「りんかん」運用に臨時投入、ラッピングを剥離[11])。「泉北ライナー」運用には50000系が入る。
  • 2023年(令和5年)
    • 10月:「泉北ライナー」運用に復帰。ラッピングは省略され、識別ステッカーのみ貼り付け[12])。
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脚注

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参考文献

関連項目

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外部リンク

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