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國寶 (映画)
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『國寶』(こくほう、英語: Lucille Love, Girl of Mystery, 「ルシール・ラヴ、神秘の少女」の意)は、1914年(大正3年)製作・公開、ユニヴァーサル・フィルム・マニュファクチャリング・カンパニー(現在のユニバーサル・ピクチャーズ)製作・配給によるアメリカ合衆国のサイレント映画、シリアル・フィルムである[1]。同社初のシリアルとして知られる[1]。日本では、本作の後に製作された『マスター・キイ』、『名金』の大ヒットの後で公開された[2][3]。日本での別題『ルシル・ラブ』[3]、また戦後の文献では、旧漢字・略字とりまぜての『國宝』とも表記される[3]。
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略歴・概要
本作は、当初、2巻ものの短篇西部劇として製作されたが、急遽全15巻のシリアル・フィルムに変更となったことで、ユニヴァーサル・フィルム・マニュファクチャリング・カンパニー初のシリアルとなった[1][4]。その背景には、本作が封切られた同年4月14日の直前である同年3月31日に、パテ・フレール(パテ)が、パール・ホワイトを主演としたシリアル『ポーリン』(別題『ポーリンの危難』 The Perils of Pauline)をリリースし、大好評を得た[5]ことが挙げられる[4]。
本作は、主演を務めたグレイス・キュナードとフランシス・フォードの男女2人の俳優がオリジナルシナリオを執筆し、フォードが監督したもので[1]、本作がシリアル・フィルムとしてヒットすることで、この2人のコンビがスターになり[4]、キュナードは「ザ・シリアル・クイーン」の異名をもつきっかけとなる[6]。本作には、フォードの実弟ジョン・フォードが、当時の芸名ジャック・フォードの名で出演しており、小道具兼スタント、製作助手として撮影クルーに参加している[1]。出演俳優の多数は、フォード=キュナードの次作シリアル『名金』にも引き続き出演している[1][7]。
日本では、まず1915年(大正4年)9月30日に浅草公園六区・電気館において、ユニヴァーサル・シリアルの第2作であるロバート・Z・レナード監督の『マスター・キイ』[2][8]、2週間後の同年10月10日、同じく浅草公園六区の帝国館で、ユニヴァーサル・シリアルの第5作であるフランシス・フォード監督の『名金』が連続して封切られて、いずれも成功を収め[2]、翌1916年(大正5年)7月に本作は公開されている[3]。配給は、1915年7月に東京市京橋区南伝馬町3丁目14番地(現在の東京都中央区京橋3丁目)に設立された播磨ユニヴァーサル商会[9]が行なった。
現在、本作の原版は散逸し現存しないとみなされている[10]が、第2-3話、第6話、第8話、第10話、第12-14話という合計8話分の上映用プリントだけは現存し、アメリカ議会図書館が所蔵している[1]。
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スタッフ・作品データ
- 監督 : フランシス・フォード
- 脚本 : グレイス・キュナード、フランシス・フォード
- 撮影 : 不明
- 小道具・スタント・製作助手 : ジャック・フォード (ジョン・フォード)
- 上映時間(巻数) : 約300分(2巻もの全15話 各話約20分、全30巻 [3])
- フォーマット : 白黒映画 - スタンダードサイズ(1.37:1) - サイレント映画
- 日本初回興行 : 浅草・帝国館 [2]
キャスト
- クレジット順
- グレイス・キューナード - Lucille Love
- フランシス・フォード - Loubeque / Hugo
- ハリー・シャム(Harry Schumm) - Lieutenant Gibson
- アーネスト・シールズ(Ernest Shields) - Thompson
- E・M・ケラー(エドガー・ケラー、Edgar Keller [11]) - Sumpter Love
- エディ・ボランド(Eddie Boland) - Government Aviator
- アルフレッド・ヒックマン(Alfred Hickman [12])
- バートン・ロウ (Burton Law [13])
- ジーン・ハサウェイ(Jean Hathaway [14])
- ビリー・ホワイト(ウィリアム・ホワイト、William White [15])
- ハリー・L・ラッテンベリー(Harry L. Rattenberry)
- ジャック・フォード(ジョン・フォード)
- 以下アルファベット順
関連事項
註
外部リンク
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