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夏姫春秋
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『夏姫春秋』(かきしゅんじゅう)は、宮城谷昌光による、中国の春秋時代の夏姫を描いた長編小説。平成3年(1991年)第105回直木三十五賞受賞作。
あらすじ
春秋時代、小国鄭の公女である夏姫は美しい容姿であったが、兄の子夷と禁断の不倫関係にあった。また子夷のほかにも子宋・子家の2人と身体の関係があった。やがて不祥事は大臣にある子宋に看破され、鄭の君主で父親である蘭の耳にも入る。噂が広まるのを恐れた蘭は夏姫を陳へ嫁いで行かせることと決めた。
陳へ嫁いだ夏姫は夫の夏御叔と共に平穏な日々を送っていた。また一人の子供に恵まれ、夏徴舒と名付けた。しかし暮らしを維持することは難しく夫は痩せ衰えて夭逝してしまった。夏姫にとっては夢のようだった生活は終わり、子供を養うのは不可能になった。
夫の御叔の死去をきっかけに陳公国平を始め大臣の孔寧・儀行父も勢いを失った夏家を軽んじるようになった。息子の貴族地位を失わなせないよう、夏姫は陳公や大臣などとやむを得ず身体を捧げることとなってしまった。
時が経ち、成長した徴舒は母親の行為に対して、許すことができなくなっていた。ある日、陳公・孔寧・儀行父の三人が夏姫を伴い酒を飲んで楽しんでいた宴の席で、徴舒が彼らに似ているという言葉が君臣の口から出た。こんな恥辱にされる徴舒は堪えられなくついに爆発した。陳公は殺され、二人の大臣は他国へ逃げるように去った。
陳公を殺し、徴舒は自ら陳の国主になった。しかし楚の討伐軍隊が彼を倒した。息子を亡くし一人になった夏姫は虜として楚地へ連れ去られた。楚の荘王は夏姫の体内には風の神が居るという噂に興味を持ったが、部下の巫臣に諫止されて襄老の妻にさせた。
この巫臣は夏姫を一見してから深く彼女に愛着した。しかも彼は自分は他ならぬ夏姫を幸せにすることができる男だと思った。荘王が夏姫を「風の神を体内に宿している」という噂を信じて後宮に迎えたいと述べた時、巫臣が反対したのはいつか夏姫と一緒に楚から逃げて離れようと画策していたからである。大変なことを経験して来た夏姫としても信頼できる男を求めた。まるで奇跡のように、二人は互いに相手を認めた。最終的に策略を練って二人は晋へ遁走して結ばれる。
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登場人物
- 鄭
- 楚
- 陳
- 晋
評価
書誌情報
- 『夏姫春秋』 海越出版社、1991年、上巻 ISBN 978-4-876-97107-7 下巻 ISBN 978-4-876-97108-4
- 『夏姫春秋』 講談社文庫、1995年、上巻 ISBN 978-4-062-63066-5 下巻 ISBN 978-4-062-63067-2
- 『夏姬春秋』 実学社、1995年、上巻 ISBN 978-9-579-17521-0 下巻 ISBN 978-9-579-17522-7
- 『黑色春秋 夏姬情史』 上海文化出版社、1998年、ISBN 978-7-805-11979-3
- 『夏姫春秋』(改訂新版) 文藝春秋、2000年、上巻 ISBN 978-4-163-19710-4 下巻 ISBN 978-4-163-19750-0
- 『宮城谷昌光全集第五巻』 文藝春秋、2003年、ISBN 978-4-166-41150-4
出典
外部リンク
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