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奥田亡羊
日本の歌人 ウィキペディアから
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奥田 亡羊(おくだ ぼうよう、1967年6月5日[1] - 2025年4月11日[2])は、日本の歌人。歌誌『心の花』編集委員(2000年 - 2024年)。現代歌人協会理事(2017年 - 2021年)。相模女子大学、早稲田大学講師。朝日カルチャーセンター新宿校講師。篤志面接委員[3] 。本名は奥田 尚良(おくだ たかよし)[4]。
来歴
京都府京都市出身[5]。祖父は俳誌『高原』を主宰した口語自由律俳人・俳画家の奥田雀草[6][7]。
聖光学院中学校・高等学校卒業。早稲田大学第一文学部卒業[8]。1991年、テレビ局に入社し、文化・教育番組を制作(2002年退社)。担当番組で佐佐木幸綱と出会ったことがきっかけで、1999年、歌誌『心の花』に入会[9]。
2001年、文化庁「美しい日本語を語る会」評議員。2004年から群馬県の少年院で短歌指導を続けている。2005年、世田谷区日本語教育特区審議委員として「日本語」教科書の作成に参加。
受賞歴
著書・評論
歌集
- 第一歌集『亡羊』(短歌研究社 、2007年)ISBN 978-4-86272-038-2
- 第二歌集『男歌男』(短歌研究社、2017年)ISBN 978-4-86272-528-8
- 第三歌集『花』(砂子屋書房、2021年)ISBN 978-4-7904-1808-5
共著・編著
- 『論争奈良美術』(平凡社、1994年)(共著)
- 『美しい日本語のすすめ』(財務省印刷局、2002年)(共著)
- 『東大寺〜美術史研究の歩み〜』(里文出版、2003年)(共著)
- 『シリーズ牧水賞の歌人たちvol.2「佐佐木幸綱」』(青磁社、2006年)(編著)ISBN 4861980305
評論・鑑賞
作品
佐佐木幸綱の「男歌」の影響を受けつつ、過去を引きずる中年男を主題にした短歌などに特色がある[18]。台本の記法を取り入れた短歌など実験的な手法も取ることがある。
『亡羊』
- 宛先も差出人もわからない叫びをひとつ預かっている
- 砲弾がはるかな空をよぎる日のみずうみを脱ぐ蛇の恍惚
- 腕なくば箸を使わぬ食い方があるのだ天に揺れる向日葵
- 自転車を燃やせば秋の青空にぱーんぱーんと音がするなり
- 兵士1 ニンゲンは/兵士2 犬に食われてしまうほど/兵士3 自由なりけり/兵士4 空が青いな[19]
『男歌男』
- つわぶきの花の暗さを思いつつ体ひとつで落ちてゆく眠り
- 貝の裏とろりとろりと光りおり子を身籠もれる人の遊びに
- 石像となりたる夢に石の首落として千の椿咲かしむ
- 雨脚をほそほそと引く春雨に燃えているのは愛のある家
- 黒き傘さして運河を下りゆく 娘よ、父は雨に降る雪
『花』
- 鏡の奥にひと月ぶりの髭を剃る/空には竜の匂いがした
- 月光をもろ手ざわりに揉みしだく/菊ならば菊におい立つまで
- 鳥葬のような交わり重ねつつ/夜ごとに人の青空を見る
- アルバイトの経験をとえば俯きて/鹿の腑分けの熱さを語る
- フラワーなビューティフルなり/青空の下であなたと抱き合っていた
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論文
- 「蟹満寺本尊考」佛教藝術208号(毎日新聞社、1993年)
番組制作
参考文献
- 小見山輝 「奥田亡羊歌集『亡羊』」 - 『短歌往来』2015年7月号(特集「平成の名歌集を選ぶ」)
- 佐佐木幸綱論集『心の花の歌人たち』(ながらみ書房、2019年)ISBN 978-4866291369
- 梅原ひろみ「切り石・奥田亡羊『花』」(『フランス短歌』vol.2、2022年6月)
- 梅原ひろみ「奥田亡羊論」(『心の花』1500号記念号2023年10月号)
脚注
外部リンク
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