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子宮内膜症
子宮内膜やそれに類似した組織が子宮内腔や子宮体部以外の骨盤内で増殖する疾患 ウィキペディアから
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子宮内膜症(しきゅうないまくしょう、英: endometriosis)は、子宮内膜やそれに類似した組織が子宮内腔や子宮体部以外の骨盤内で増殖する疾患。
子宮内膜症のデータ | |
ICD-10 | N80 |
統計 | 出典: |
世界の患者数 | 約890万人 (20xx年xx月xx日) |
日本の患者数 | 約12万人 (2006年) |
子宮内膜症学会 | |
日本 | 日本産科婦人科学会 |
世界 | |
この記事はウィキプロジェクトの雛形を用いています |
![]() | この記事のほとんどまたは全てが唯一の出典にのみ基づいています。 (2021年9月) |
概念
子宮内膜が子宮外で増殖する疾患である。良性の疾患ではあるが、転移や浸潤するなど悪性腫瘍のような性質も併せ持っている。子宮外にあるとはいえ子宮内膜であることに変わりはないので、エストロゲンに依存して発育していく。月経のある女性の数%~10%程度がこの病気をもっていると推定される[1]。
病態
子宮内膜上皮細胞や間質細胞が正常な筋組織や結合組織の間に浸潤する。細胞は子宮内膜と同様の構造を持ち、ホルモンの周期にあわせて内膜の増殖や剥離が起こり、月経時には出血もする。なお、増殖のみが起こり出血しないものもある。
このとき出血した血液は組織間に貯留し、血腫を形成してブルーベリー・スポットと呼ばれる嚢胞を生じる。卵巣などではチョコレート嚢胞と呼ばれる強い癒着を引き起こす嚢胞が発生する。月経困難症はこれによるものである。
また、出血で周囲組織に血液が浸潤した結果、組織が線維化して癒着や硬結を引き起こす。その結果、凍結骨盤と呼ばれる骨盤内膿瘍が癒着のために一塊となる状態にもなる。
子宮筋層の中に生じたものは、特に子宮腺筋症と呼ばれる。子宮筋層の肥大化を起こし、子宮筋腫と見分けにくい場合もある。ただし、エストロゲンに依存する性質や身体症状・治療方法が似通っており、両者を併発しているケースも多いため、必ずしも明確な判別をつけなくても実務上の支障はさほど無い。
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分類
非直視下ではBeecham分類が使用されるが、基本は直視下でのRe-AFS分類を用いる。
Beecham分類
Re-AFS分類
腹膜や卵巣の病巣の深度や大きさ、癒着の程度、ダグラス窩の閉鎖をスコア化し、合計点数によってStage I~IVの4段階に分類する。
病因
さまざまな原因が考えられているが未解明の部分が多い。
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症状
月経痛と月経困難症が主要な症状。初経時には痛みがなく、年月の経過によって徐々に増悪していくという特徴がある(後天性月経困難症)。その他、腰痛、下腹痛、仙骨部への放散痛が見られる。
合併症
20~70%の割合で不妊症を合併する。
検査
診断
後天性月経困難症が見られたらまず子宮内膜症を疑う。その後CTやMRIなどで病巣を確認した後、腹腔鏡検査で確定診断する。
治療
大まかに分けて待機療法、薬物療法、外科療法の3種の治療法がある。
待機療法
Re-AFS分類でStage I、IIで無症状の患者が対象。不妊との関係は明らかではないため、しばらくは治療せずに経過を観察する。約50%の患者が妊娠したとの報告あり。補助療法として腹腔鏡下でブルーベリー・スポットの焼灼などを行う。
薬物療法
あくまで病変の退縮を目的とするもので、根絶は不可能。子宮内膜はホルモンの影響を受けることから、薬物療法もホルモン療法が基本である。
- プロスタグランジン合成阻害剤
- 子宮内膜症の疼痛は局所的なプロスタグランジン濃度の変化が考えられているため。長期の低エストロゲン療法を避けたい就学中の学生や不妊患者が主な対象。
- ゲスターゲン療法
- エストロゲン+プロゲステロン剤を投与する偽妊娠療法。いわゆるピルが用いられる。但し保険適用を受けた製剤は一種類(ルナベル配合錠:販売-日本新薬)だけで、それ以外の製剤は自由診療(全額自己負担)となる。
- 低エストロゲン療法
- ダナゾール療法とGnRH療法の2種類ある。低エストロゲン状態により骨量の低下が起こり、骨粗鬆症の危険があるので注意が必要。
- ダナゾール療法
- ダナゾールはテストステロン誘導体であるためアンドロゲン作用を持ち、抗エストロゲン作用と免疫系双方に作用して病変を退縮させる。
- GnRHアナログ療法
- 下垂体のGnRHに対する感受性を低下させ、ゴナドトロピンの産生、分泌を抑制することでエストロゲンの分泌を低下させる。
- プロゲスチン製剤(ジェノゲスト(ディナゲスト))
外科療法
診療科
脚注
外部リンク
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