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宋版
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宋版(そうはん)[1]は、中国宋代に出版された漢籍の刊本。木版印刷初期の刊本であり、その希少さや上質さから、現代の書誌学者や蒐書家に重要視されている[2][3]。


解説
木版印刷は、唐代頃から仏典や暦を中心に行われていたが、他分野に普及したのは宋代からである[3]。宋代には四川・浙江・福建を中心に、各地で官民により出版が行われ、書店による営利出版も行われた[1][2]。
宋版は、字体や紙質などの美術的価値だけでなく、校訂資料としての学術的価値も高い[1][2][3]。宋版に多い欧陽詢風の字体は「宋朝体」と呼ばれ、後世の印刷にも用いられている[1]。
日本
宋版は日本にも舶来し、寺院・大名・富豪・学者に蒐集保存された[1]。舶来は平安時代の日宋貿易に始まり、鎌倉時代から室町時代には五山版の覆刻対象にもなった[2]。
現存例の多くは重要文化財に指定されている[4]。国宝に指定されたものもあり、国立歴史民俗博物館蔵『宋版史記』[5]『宋版漢書』『宋版後漢書』、足利学校蔵『宋版礼記正義』[6]『宋版尚書正義』[7]、京都醍醐寺蔵『宋版一切経』[8]などがある。
宋元版の主な所蔵機関として、静嘉堂文庫・内閣文庫・宮内庁書陵部・天理図書館などがある[4]。静嘉堂文庫の宋元版は、清末の蔵書家陸心源の旧蔵書が基幹となっている[2]。
脚注
関連項目
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