トップQs
タイムライン
チャット
視点

小川隆夫

ウィキペディアから

小川隆夫
Remove ads

小川 隆夫(おがわ たかお、1950年8月7日 - )は、日本の文筆家、音楽ジャーナリスト、音楽プロデューサー、作曲家、ギタリスト、整形外科医[1]。さまざまな音楽分野、特にジャズでの活動で知られ、ブルーノートのコンプリート · コレクターとしても著名[2]

Thumb
小川隆夫

幼い頃からクラシックギターを習い、中学でバンド結成。その後、ロックやジャズのバンドでギターを演奏しながら、医学部に進学した。

これまで3,000 枚以上のレコード、CDのライナーノートを書き、数多くのCDをプロデュースした[3]。また 1,000 人以上のミュージシャンや関係者にインタビューし、その中にはマイルス・デイヴィス(1985年 - 1990年)[4][5]アート・ブレイキー(1982年 - 1991年)[6]ソニー・ロリンズ(1986年 - 2001年)[7]オスカー・ピーターソン(1987年)[8]デクスター・ゴードン(1982年 - 1984年)[9]ハービー・ハンコック(1985年 - 2019年)[9]キース・ジャレット(2001年)[10]チャーリー・ワッツ(1989年、1990年)[11]秋吉敏子(1984年 - 2016年)[12]渡辺貞夫(1985年 - 2021年)[13]日野皓正(1983年 - 2021年)[10]アルフレッド・ライオン(1985年、1986年)[14]、ボブ ·ワインストック(1999年)[15]オリン・キープニュース(2000年)[16]クリード・テイラー(2009年)[17]などが含まれる。

1985年にマイルス·デイヴィスの知遇を得、彼について7冊の本を発表している[18]

これまでジャズに関する多くの記事や書籍を執筆し、2016年にはマイルス・デイヴィスの音楽を継承したエレクトリック・フリー・ジャズ・ロック・バンド、セリム・スライヴ・エレメンツを結成[19]

1991年以降、フラットアウト・プロダクションズ[20]でケニー · ワーナー [21]デニス・チェンバース[22]、マーク・コープランド、[23]アダム・ホルツマン[24]カーティス・フラーなどのアルバムをプロデュースした[25]

2023年時点では東京のセントラルクリニック整形外科部長を務める[26]

Remove ads

来歴

東京生まれ。小学3年からクラシックギターを習い、中学生の時アルバム『ゲッツ/ジルベルト』で聴いたジョアン・ジルベルトのギター・スタイルに感銘を受け、ボサノヴァに興味を持つ。その頃、中学の同級生たちとザ・ベンチャーズ・スタイルのバンドを結成。高校時代はフォークソングを演奏し、ラジオ番組やコンサートに出演。東京のディスコにはリズム&ブルース・バンドを結成して出演[27][28]

1970年、東京医科大学に入学。ロックやリズム&ブルースのバンド活動と並行してジャズ・バンドでも演奏。1971年に「アン・ミュージック・スクール」でジャズ・ギターと音楽理論を学ぶ。同校の生徒とジャズ・バンドを結成し、都内周辺のジャズ喫茶やホテルのラウンジなどで演奏。その後、学業が忙しくなり、バンド活動を全て断念[29][30]

1977年、医学部を卒業して、そのまま大学病院の医局に入る。1981−1983年、ニューヨーク大学院生としてニューヨークに在住し、[31][32]ソーシャル・リハビリテーション[33][34]を学ぶ。

ニューヨークでは、自宅アパートとなりの建物に住んでいたウィントン・マルサリスと兄のブランフォード 、アート・ブレイキーをはじめ、ヴィレッジ・ヴァンガードのオーナーであるマックス・ゴードンら多くの人々と知り合う[35][36]

Remove ads

キャリア

1983年の帰国後、音楽ライター[37]、翻訳家、ジャーナリスト[38]、音楽イベント、特にジャズのプロデューサーとして活動を開始[39]。 

1985年にブルーノート・レコードの創設者アルフレッド・ライオンと出会い、翌年のライオン来日時は主治医として同行した[40]。その年はマイルス・デイヴィスにもインタビューし、これがその後の交流につながる。マイルスが1991年にこの世を去るまでに20回近くのインタビューとミーティングを重ね、これらの経験に基づき『マイルス・デイヴィスの真実』(2002年)とマイルス・デイヴィスが語ったすべてのこと~マイルス・スピークス』(2016年)を出版した[41]

1990年代は、グラス・ハウス(パイオニアLDC)[42][43] 、サヴォイ(日本コロムビア)[44]、Novus-J(BMGビクター) などのレーベルを立ち上げ、ニューヨークやシカゴなどでアルバムをプロデュースした。[45][46]

2010年以降、第二次世界大戦後の日本のジャズの状況とジャズの発展について、日本のミュージシャンや関係者のインタビューを積極的に行い、それらは『証言で綴る日本のジャズ』(2015年)、『証言で綴る日本のジャズ 2』(2016年)、『伝説のライヴ・イン・ジャパン 記憶と記録でひもとくジャズ史』(2019年)、『来日ジャズメン全レコーディング 1931-1979 レコードでたどる日本ジャズ発展史』(2023年)などで発表する。

2016年には日本を代表するクラブジャズ系ミュージシャンらとマイルス・デイヴィスをオマージュするバンド「セリム・スライヴ・エレメンツ」 を結成[47]。以後、 横浜「モーション・ブルー・ヨコハマ」[48]、 代官山「晴れたら空に豆まいて」[49]、渋谷「JZ Brat」[50]渋谷「WWWX」[51]新宿「ピットイン」[52]、などに出演。

2017年にデビューアルバム『Resurrection』(T5Jazz Records)発表[53]。2019年4月10日、渋谷「JZ Brat」でライヴレコーディングを行い[54]、2作目の『Voice』として、同年8月7日にUltra-Vybeからリリースした[55]

NHKで放送されるマイルス・デイヴィスのラジオ番組「JAZZ MILES」など、NHK-FM や他のラジオ局で定期的にラジオ番組に出演している[56][57]

Remove ads

受賞歴

2015年、「ミュージック・ペンクラブ音楽賞」『証言で綴る日本のジャズ』[58]

2024年、 「ミュージック・ペンクラブ音楽賞」ノミネーション:『決定版ブルーノート1500シリーズ完全解説』[59]

著作一覧

要約
視点
  • 『激白!JAZZ TALKIN'』(スイングジャーナル) 1992年 ISBN 4-880-67020-0
  • 『ジャズ・サックス決定盤』(音楽之友社)1994年 ISBN 4-276-35121-9
  • 『知ってるようで知らない~ジャズおもしろ雑学事典』(ヤマハミュージックメディア)2001年 ISBN 4-636-20750-5
  • 『JAZZウルトラ・ガイド』(平凡社新書)2001年 ISBN 4-582-85105-3
  • 『ニューヨークJazz―パーフェクト・ジャズ・ガイド200』(東京キララ社/三一書房)2002年 ISBN 4-380-02200-5
  • 『マイルス・デイヴィスの真実』(平凡社)2002年 ISBN 4-582-83127-3
  • 『マイルス・デイヴィス―コンプリート・ディスク・ガイド』(東京キララ社)2002年 ISBN 4-380-02210-2
  • 『新音楽解体入門 読んでから聴く厳選ジャズ名盤』(全音楽譜出版社)2003年 ISBN 4-11-880161-2
  • 『ブルーノート・ジャズ』(平凡社新書)2003年 ISBN 4-582-85198-3
  • 『ブルーノートの真実』(東京キララ社)2004年 ISBN 4-380-04206-5
  • 『ベスト・オブ・ジャズ・ピアノ』(平凡社新書)2005年 ISBN 4-582-85257-2
  • 『ジャズのたしなみ方』(全音楽譜出版社)2005年 ISBN 4-11-880171-X
  • 『はじめてのブルーノート』(音楽之友社 On Books 21) 2005年 ISBN 4-276-35209-6
  • 『マンハッタン・ジャズ・カタログ』(全音楽譜出版社)2005年 ISBN 4-11-880174-4
  • 『ブルーノート・コレクターズガイド』(東京キララ社)2006年 ISBN 4-380-06200-7
  • 『JAZZ TALK JAZZ』(河出書房新社)2006年 ISBN 4-309-26894-3
  • 『ジャズマンが愛する不朽のJAZZ名盤100』 (河出書房新社)2006年 ISBN 4-309-26912-5
  • 『となりのウィントン』(NHK出版)2006年 ISBN 4-14-081152-8
  • 『スタンダード・ジャズのすべて大辞典850』(全音楽譜出版社)2006年 ISBN 4-11-774030-X
  • 『愛しのジャズメン』(東京キララ社)2007年 ISBN 978-4-380-07208-6
  • 『ジャズ・マンはこう聴いた! 珠玉のJAZZ名盤100』(河出書房新社)2007年 ISBN 978-4-309-26952-8
  • 『愛しのジャズメン2』(東京キララ社)2007年 ISBN 978-4-380-07219-2
  • 『ジャズマンがコッソリ愛する ジャズ隠れ名盤100』(河出書房新社)2007年 ISBN 978-4-309-26989-4
  • 『知ってるようで知らないジャズ名盤おもしろ雑学事典』(ヤマハミュージックメディア)2008年 ISBN 978-4-636-82577-0
  • 『ジャズ楽屋噺~愛しきジャズマンたち』(東京キララ社)2008年 ISBN 978-4-309-90775-8
  • 『ジャズマンが語るジャズ・スタンダード120』(全音楽譜出版社)2008年 ISBN 978-4-11-774032-5
  • 『決定! JAZZ黄金コンビはこれだ!!』(河出書房新社)2008年 ISBN 978-4-309-27018-0
  • 『ザ・ブルーノート、ジャケ裏の真実 1500番台編』(講談社)2008年 ISBN 978-406-214784-2
  • 『証言で綴るジャズの24の真実』(P-Ryhtm)2008年 ISBN 978-4904231-03-6
  • 『モダン・ジャズの世紀―プレイバック! 10大ニュースで綴る』(春日出版)2009年 ISBN 978-486321-136-0
  • 『感涙のJAZZライヴ名盤113』(河出書房新社)2009年 ISBN 978-4-309-27078-4
  • 『ブルーノート大事典 1500番台編』(東京キララ社/河出書房新社)2009年 ISBN 978-4-309-90834-2
  • 『必聴!JAZZ 101』(河出書房新社)2009年 ISBN 978-4-309-27102-6
  • 【オーディオブックCD】『愛しのジャズメン』(パンローリング/東京キララ社)2009年 ISBN 978-4-7759-2838-7
  • 【オーディオブックCD】『愛のジャズメン2』(パンローリング/東京キララ社)2009年 ISBN 978-4-7759-2844-8
  • 【オーディオブックCD】『ジャズ楽屋噺』(パンローリング/東京キララ社)2009年 ISBN 978-4-7759-2756-4
  • 『ブルーノート読本―アルフレッド・ライオン語録』(春日書房)2009年 ISBN 978-4-86321-179-7
  • 『改訂版 ブルーノート・コレクターズ・ガイド』(東京キララ社/河出書房新社)2009年 ISBN 978-4-309-90839-7
  • 『ザ・ブルーノート、ジャケ裏の真実 4000番台編』(春日出版)2009年 ISBN 978-4-86321-180-3
  • 『ピアノ・トリオ決定盤ベスト100』(東京キララ社)2011年 ISBN 978-4-309-90906-6
  • 『ジャケ裏の真実 ジャズ・ジャイアンツ編(JAZZ歴史的名盤)』(駒草出版)2015年 ISBN 978-4-905447-50-4
  • 『証言で綴る日本のジャズ』(駒草出版)2015年 ISBN 978-4-905447-71-9
  • 『ジャズメン、ジャズを聴く』(シンコーミュージック・エンタテインメント)2016年 ISBN 978-4-401-64266-3
  • 『証言で綴る日本のジャズ2』(駒草出版)2016年 ISBN 978-4-905447-53-5
  • 『マイルス・デイヴィスの真実』(講談社+α文庫)2016年 ISBN 978-4-06-281691-5
  • 『マイルス・デイヴィスが語ったすべてのこと~マイルス・スピークス』(河出書房新社)2016年 ISBN 978-4-309-27770-7
  • 『ジャズメン死亡診断書』(シンコーミュージック・エンタテインメント)2017年 ISBN 978-4-401-64341-7
  • 『スリー・ブラインド・マイス・コンプリート・ディスク・ガイド~伝説のジャズ・レーベル~』(駒草出版)2017年 ISBN 978-4-905447-79-5
  • 『おもしろジャズ事典』(ヤマハミュージックメディア)2017年 ISBN 978-4-636-94621-5
  • 『ジャズ・ジャイアンツ・インタビューズ』(小学館)2018年 ISBN 978-4-09-388616-1
  • 『ジャズ超名盤研究』(シンコーミュージック・エンタテインメント)2018年 ISBN 978-4-401-64605-0
  • 『ビバップ読本 証言で綴るジャズ史』(シンコーミュージック・エンタテインメント)2018年 ISBN 978-4-401-64652-4
  • 『ジャズ超名盤研究2』(シンコーミュージック・エンタテインメント)2019年 ISBN 978-4-401-64732-3
  • 『改訂版ブルーノートの真実』(東京キララ社)2019年 ISBN 978-4-903883-46-5
  • 『伝説のライヴ・イン・ジャパン』(シンコーミュージック・エンタテインメント)2019年 ISBN 978-4-401-64779-8
  • 『レーベルで聴くジャズ名盤1374』(シンコーミュージック・エンタテインメント)2020年 ISBN 978-4-401-64957-0
  • 『ジャズ超名盤研究 3』(シンコーミュージック・エンタテインメント)2021年 ISBN 978-4-401-65012-5
  • 『Blue Note Collector's Guide』(Jjokkpress)2021年、言語:韓国語 ISBN 979-11-89519-16-2
  • 『マイルス・デイヴィス大事典』(シンコーミュージック・エンタテインメント)2023年 ISBN 978-4-401-65118-4
  • 『来日ジャズメン全レコーディング 1931-1979 レコードでたどる日本ジャズ発展史』(シンコーミュージック・エンタテインメント)2023年 ISBN 978-4-401-65335-5
  • ジャズ · クラブ黄金時代 - NYジャズ日記 1981-1983(シンコーミュージック・エンタテインメント)2023年 ISBN 978-4-401-65424-6

主な共著

  • 『徹底攻略!超難問集 マイルス・デイヴィス編―史上最強の超雑学』中山康樹 (ヤマハミュージックメディア)2003年 ISBN 4-636-20661-4
  • 『ビートルズ アメリカ盤のすべて』中山康樹(集英社インターナショナル)2004年 ISBN 4-7976-7132-7
  • 『TALKIN' ジャズX文学』平野啓一郎(平凡社)2005年 ISBN 4-582-83290-3
  • 『われら六〇年代文化』品田雄吉椎名誠 他 (ネット武蔵野)2006年 ISBN 4-944237-92-8
  • 『マイルス・デイヴィスとは誰か──「ジャズの帝王」を巡る21人』平野啓一郎(平凡社新書)2007年 ISBN 978-4-582-85392-6
Remove ads

セレクト・ディスコグラフィー(プロデューサー)

Remove ads

脚注

外部リンク

Loading related searches...

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.

Remove ads