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平成敗残兵☆すみれちゃん

日本の漫画作品 ウィキペディアから

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平成敗残兵☆すみれちゃん』(へいせいはいざんへい すみれちゃん)は、里見Uによる日本漫画。『週刊ヤングマガジン』(講談社)にて、2024年8号より連載中[2]

概要 平成敗残兵☆すみれちゃん, ジャンル ...

次にくるマンガ大賞 2025」コミックス部門第5位受賞[3]

あらすじ

物語の舞台は、平成の時代より10年後の令和。平成期の売れない女性アイドルグループ「ファスラバ」こと「ファーストラバーズ」リーダーとして活動していた東条すみれは、酒、タバコ、ギャンブルに溺れた自堕落な三十路女と化していた[4]。すみれの従姉弟で、幼少からのファスラバのファンでもあった高校生の泉雄星は、すみれにかつての輝きを取り戻して欲しいという思いから彼女を同人アイドルとして再起させようと考え、すみれは不本意ながらもコスプレ写真の撮影をはじめとしたさまざまな芸能活動に挑むこととなる[4]

作中設定・用語

ファーストラバーズ(ファスラバ)
主人公の東条すみれが10年前にリーダーを務めていた5人組女性アイドルグループ。グラビア出演、ライブ、CDのリリースなどを行っていたが、まったく売れずに解散した。雄星からは「メンバーは粒ぞろいだったが、個性がバラバラだったにも関わらずグループ活動にこだわったために失敗した」と活動失敗の原因を分析される。
デビュー曲は「はちゅこい☆LOVEちゅ~ん!!」で、サードシングルの「うい恋☆すくーるDAYS!!」はショート動画SNSなどで令和の女子高生にも踊られて再ブームになっている。
スナックタイムス
すみれの叔母にして雄星の母親であるミカが経営するスナック。店舗が泉家の住居と一体化した構造をしており、すみれは住居内の部屋に下宿している。
ファムプロダクション(ファムプロ)
ファムファタ任三郎が立ち上げた芸能プロダクション。「女性のためのプロダクション」を標榜して2年前に設立され、芸能活動のサポートを行っている。雄星が加入する前は社員とスタッフ全員が女性で占められていた。ファムファタいわく「ダルいのなし」「対等な関係性」「有無を言わさぬ超実力主義」を掲げる。オリジナルのおこめ(米)引き換え券を発行している。
プレミアムピクチャー
すみれのファスラバ時代の同僚である前田安祐美が経営する映像制作会社。雄星が加入する以前は従業員の全員が女性となっている。
インペリアルプロ
元ファスラバプロデューサーの轟カナエが所属している大手芸能プロダクション。
MT-FIELD(MTフィールド)
4月に発売された山の擬人化ゲームで、世界の名峰をイメージした美女たちと冒険するPRG。すみれとファムファタがコスプレイヤーとして写真集を出すことに決める。
サイレント・リバー
中国メーカー製のホラー風ソーシャルゲーム。体調不良の海外のコスプレイヤーの代打ですみれがイベントに出演する。のちにすみれと颯子でコスプレ写真集を作成することになる。
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登場人物

主要人物

東条 すみれ(とうじょう すみれ)
本作の主人公[5]。31歳[2]。176センチメートルの長身と102センチメートルの豊満なバストが特徴の美女。10年前はファスラバのリーダー兼「グラビア番長」を務めていたが、グループは売れずにそのまま解散し、現在は叔母のミカが経営する「スナックタイムス」で接客のアルバイトをしつつ、酒とタバコとギャンブル(パチンコ、スロット)漬けの生活を送っている。特にタバコとスロットは、禁止すると極度の依存症が出るほどにのめり込んでいる。日々の不摂生ゆえの健康不安を抱えており、口内はドブに形容されるきついタバコ臭がしているが、外見の若々しさと抜群のスタイルは維持しており、従弟である雄星の説得を聞き入れ、同人アイドルとして再起を図る。もともとコミュニケーション能力には優れており、その美貌とそれに似合わない男らしい趣味嗜好の数々は、業界の男性たちへの接待の場において強い武器となっている。バイク好きでもあり二輪車免許を取得しているが、常時金欠のために安価な原付二輪に乗っている。ファムファタの不在時に「MT-FIELD」の同人コスプレ写真集の売り上げ金300万円を一時的に預かっていたところ、顔見知りの中古バイク屋に入荷されたCBR400Fに目がくらみ、先に売却されるのを恐れて預かった金で無断購入するも、車両を保管していた貸しコンテナがコンテナタタキに遭い、車両を失うとともに着服した300万分の借金を上乗せされるという散々な目に遭う。
たまに風呂キャンセルする。動物の物まね・ヨーヨーベース演奏・おしぼり折り紙・タバコ芸などがどれも結構なレベルの芸に達しているなど多才で器用。
「すみれちゃん」として動画配信デビューしており、チャンネル登録2万人[注釈 1]、動画の再生数は平均3万回ほど。
泉 雄星(いずみ ゆうせい)
男子高校生にして、同人アイドルプロデューサー。幼少期に憧れていたすみれの自堕落ぶりを見かね、自身をプロデューサーとした同人アイドルとして再起するよう説得する。金髪。学校では友人関係に恵まれていないことから、すみれの部屋に入り浸っている。
大人顔負けの発想で本業の芸能関係者達をもうならせるが、本人は未熟な自分がすみれの脚を引っ張って才能を潰してしまっているのではないかと苦悩していた。しかしカナエとの騒動やファムファタの助言を経て、自分の芸能事務所を立ち上げる事を新たな目標とする。

「ファーストラバーズ」関係者

前田 安祐美(まえだ あゆみ)
「ファスラバ」の元メンバーで、現在は「プレミアムピクチャー」経営者。独身。喫煙者[注釈 2]
解散後に交際していた元カレ[注釈 3]に背負わされた借金返済のために働いていたクラブの客に羽振りの良い同人AV制作者がいた為、ノウハウを聞き出して更に借金を重ねて一か八かの勝負に出て「プレミアムピクチャー」を創業し、アイドル時代の人脈を生かして成功する。
背中に某ゲームの登場人物のような大きなタトゥーを入れている。筋トレ好き[注釈 4]
元カレに似た所がある雄星の事が気になっている。
御手洗 颯子(みたらい そうこ) / すしカルマ
「ファスラバ」の元メンバーで、現在は「すしカルマ」のペンネームで同人漫画家をしている。すみれやファムファタ任三郎からは「すしカル」のあだ名で呼ばれる。すみれより2つ年上の33歳で、ファスラバ内では最大級となるIカップのバストの持ち主。ボクっ娘。独身。
絵柄が古い[注釈 5]為に最近は同人誌の売り上げが低迷し、経済的にも困窮している。
コスプレ写真集の撮影の為のダイエットですみれと同居することになり、終了後もそのまま居着いてすみれ邸の押し入れで寝ている。
麻雀アプリで嗜む程度だったが、ハウススタジオの使用権を賭けた脱衣麻雀勝負では、脱衣への拒絶感から驚異の勝負強さを見せる[注釈 6]
カナエが仕込んだインペリアルプロの男性若手アイドルにはアッサリと籠絡されてすみれの情報を話してしまった[注釈 7]が、その後何故か動画配信者「恵方マキ」としてカナエにプロデュースされることになる。
イベントで声をかけられた際にナンパと勘違いして以降、雄星の事を「ゆうP」と呼び、男性として意識してしまっている。
頻繁に愛用の電マ自慰をしている。
さゆり
「ファスラバ」の元メンバー。容姿はツインテール。
学園祭のステージでうに仔がコスプレで再現した。
5人目(氏名不詳)[注釈 8]
「ファスラバ」の元メンバー。容姿は前髪無しの黒髪ミディアムボブ。
轟 カナエ(とどろき かなえ)
「ファスラバ」の元プロデューサーで、36歳となった現在ではインペリアルプロ株式会社のエグゼクティブA&R。13歳 - 20歳までみずからアイドル活動をしたのち、プロデュース業に転向した。
ファスラバ時代は頻繁な遅刻や連絡無視、さらには酩酊状態で出勤するなどといった社会人失格の行動を繰り返しており、ファスラバ解散の報告もすみれに押し付けるなど、メンバーからもその姿勢に疑問を持たれていた。
現代でも無断で他者の予約が入っている会議室を使う、タレントに色仕掛け営業をさせるなど、プロデュース手法やコンプライアンスがアップデートできていないが、自身は上手くやっているつもりでいる。
アリスと共演したすみれを発見すると、颯子を騙して彼女の情報を流させ、さらにアリスを利用してすみれを旅打ち営業で九州に隔離している隙に、雄星を丸め込んでインペリアルプロにすみれを移籍させようともくろむ。しかし、その手法から糸を引いていた黒幕が自身であることをすみれに見破られ、遠い九州から交渉場所に乗り込んできた彼女から、颯子を配信者としてプロデュースするようと逆に丸め込まれて取り込まれる。

芸能・仕事関係者

ファムファタ任三郎(ファムファタにんざぶろう)
本名は不明。芸能事務所「ファムプロダクション」代表取締役社長で、みずからグラビアモデルやコスプレイヤーも兼ねている女性。茨城県出身。年齢は安祐美より年下。17歳でミスマガジングランプリに選ばれて、その後テレビ・ドラマなどで活躍するも、仕事関係の男性との付き合い方に悩んでファムプロを設立する。同人イベントで騒ぎを起こしているすみれと雄星を見て、いきなり会うだけで100万払う[注釈 9]とDMでメッセージを送って呼び出してファムプロへの加入を持ちかける。
雄星のプロデューサーとしての才能を高く買っており、まだ高校生で無理して暴走しがちな雄星を大人として見守り助言している。
かなりの酒好きでよく昼間から飲酒しており、仕事の後の打ち上げも好き。
うに仔(うにこ)
28歳。本名は「日南(ひなみ)」。月収三千万円とも言われる、地上波テレビのバラエティなどにも出演している日本のトップコスプレイヤー。肉体関係のあるパートナーがいる。メイクの下の素顔は一重の三白眼で、地声は自称「ドブボ」こと「ドブに使ったような声」であるが、素の体型はすみれ級のナイスバディ。ファスラバ時代からのすみれの大ファンで、プライベートですみれたちと話すときは「小弟」という一人称を用いる。当初はすみれのような正統派のアイドルを目指していたが、自身の容姿では難しいと考えて断念し、コスプレならメイクや衣装でカバーできるのではという考えからコスプレイヤーの道に入る。結果的にその方面では大成功を収め、すでにファスラバを問題にしないほどの大人気を集めているが、ファスラバファンとしての思いはまったく衰えていない。雄星たちの高校の文化祭では、連絡が取れないメンバーに似せたメイクでファスラバ復活ステージに登壇するが、途中で観客たちに正体が露見したことで、意図せずしてすみれたち本来のファスラバメンバーから注目を奪う結果となる。
柊アリス(ひいらぎ アリス)
ゴスロリで金髪と赤毛の左右ツートンカラー。インペリアルプロ所属。
グラドルとして4年ほど鳴かず飛ばずの後、ゲーム配信・大食い等に転生するが上手く行かず、あわやAV落ちするところをパチスロ演者として落ち着く。
「パチスロ演者No,1ボディ」を自称していたが、それ以上のスタイルのすみれに危機感を抱き最初は敵視して「潰したろ」と思い、整理券不正トラップなどを仕掛けるが、すみれと絡むことで"百合漫才"で染みついたぶりっこが剥がされて己の素が引き出されて配信が伸びた事ですみれに懐く。
デビュー当時はカナエに指導を受けており、そのことが今でもトラウマになっている。
佐藤 裕子(さとう ゆうこ)
すみれの写真集の撮影を担当するカメラマン。色黒で快活な女性。独立後すぐ売れたことから「バブル」と呼ばれている。モデルはカメラマンの佐藤佑一
市川 あや・市川 さや(いちかわ あや・いちかわ さや)
コスプレ撮影時にファムファタが手配したスタイリスト(あや)とヘアメイク(さや)。
あやは「サイレント・リバー」の「ベティー・ハウル」と「ポピー・メルト」の衣装作りも担当した。
銅林(どうばやし)
コスプレ撮影時にファムファタが手配したロケバスの運転手。
小鳥遊 ひな(たかなし ひな)
「プレミアムピクチャー」社員。パチンコ店の前で逡巡しているすみれが金に困っていると見抜き、「女優」としてスカウトするべく声をかける。元々は「出る側」だった。
安達(あだち)
プレミアムピクチャーの撮影に応募した素人男優。40代。有休を取って北海道から上京したものの、モデルがドタキャンして撮影が中止になり落胆していたが、すみれのマッサージ[注釈 10]を受けて満足し、お土産に脱ぎたてパンツを貰って帰って行った。
職業は外科医で、 のちに人間ドックを受けたすみれから結果の解説を求められ、「5年後にどうなっているか分からない」とアドバイスする。
山口(やまぐち)
東大[注釈 11]で「サイレント・リバー」を展開するメーカーの広報責任者。
広報費を自由に使える立場から専属契約と引き換えにすみれに枕営業を持ちかけるが拒絶される。
しかし啖呵を切ったすみれを気に入り、その後もすみれと颯子の同人写真集を公式公認にしたり、イベントの企業ブースで格安のマージンのみでの委託販売を許可するなどの便宜を図っている。
神崎(かんざき)
ハウススタジオ「神崎邸」のオーナー。84歳。
元々は芝居好きな妻(故人)の発案で映画会社などに貸し出していた。以前コスプレイヤーに大切にしていたピアノに無断で乗られて激怒し、以後コスプレ撮影は断っていたが、麻雀好きと見抜いて脱衣麻雀勝負を仕掛けたすみれに興味を持ち勝負を受諾。勝負はすみれの敗北に終わったが、すみれの粘りと雄星の礼儀と熱意に免じて通常料金での貸し出しを了承した[注釈 12]。その後もたまにスミレたちと雀卓を囲んでいる。
インペリアルプロ社長
元タレントで、カナエと愛人関係にある[注釈 13]
カナエの策略をはね除けて信念を貫き通したすみれに理解を示す。
吉田(よしだ)
アリスの担当のインペリアルプロの女性マネージャー。
大島(おおしま)
テレビ局の元バラエティ班エースプロデューサー。番組のひな壇に呼んでいた素人の女子高生に手を出して親から訴えられそうになり、500万で示談して局上層部に土下座して隠蔽して貰い、以後閑職に回されている。すみれをダシに勝負に出ようとするカナエに"枠"を取るようにけしかけられる。
暮田 信雄(くれた のぶお)
広告代理店「白通」イベント企画部。雄星を丸め込む小道具として会談の場にカナエに呼ばれる。
神田 洋介(かんだ ようすけ)
講談テレビ 制作部。雄星を丸め込む小道具として会談の場にカナエに呼ばれる。伝説のバラP[注釈 14]。カナエのセンスの悪さを認識している。会談に乗り込んできたすみれのキャラクターに興味をもつ。

雄星の周囲の人物

ミカ
雄星の母親。すみれを自身の経営するアパートに住まわせ、「スナックタイムス」で働かせるなど、生活を世話している。ファスラバの現役時代にはメンバーのヘアメイクや衣装の直しを引き受けていた。
涼川 ひより(すずかわ ひより)
雄星の同級生。眼鏡をかけた女子高校生。雄星に好意を抱いており、コスプレネタ探しに協力する。クラスの学級委員長を務める真面目な少女だが、実はオタクであり下ネタ好き。
桜井先輩(さくらい)
生徒会長兼文化祭実行委員。ショート動画SNSで8万人のフォロワーがいるインフルエンサー。文化祭で毎年恒例の学校OBのお笑い芸人「大島ますらお」のライブが父母からのクレームで中止となり、その埋め合わせとして配信者「すみれちゃん」の出演を雄星に依頼する[注釈 15]
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読切版

『週刊ヤングマガジン』2023年14号に掲載された読切[6]。タイトルは『平成敗残兵☆すみれちゃん(31)』[6]。大筋は連載版第1話と同じだがキャラクター設定が異なっており、雄星は同人アイドルのプロデューサーではなくフィギュアの造型師を目指している。

書誌情報

  • 里見U『平成敗残兵☆すみれちゃん』講談社〈ヤンマガKCスペシャル〉、既刊7巻(2025年9月5日現在)
    1. 2024年5月7日発売[4][7]ISBN 978-4-06-535215-1
    2. 2024年8月6日発売[8]ISBN 978-4-06-536540-3
    3. 2024年10月4日発売[9]ISBN 978-4-06-537269-2
    4. 2024年12月6日発売[10]ISBN 978-4-06-537902-8
    5. 2025年3月6日発売[11]ISBN 978-4-06-538915-7
    6. 2025年6月6日発売[12]ISBN 978-4-06-539949-1
    7. 2025年9月5日発売[13]ISBN 978-4-06-540849-0

コラボレート

『週刊ヤングマガジン』2024年23号にて、グラビアアイドルの篠崎愛とコラボレートを行う[1]。「平成優勝兵あいちゃん」と称して写真が掲載された[14]。篠崎は本作について「とにかく展開が激しく」、「続きが気になる作品」であると話している[14]

脚注

外部リンク

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