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日曹炭鉱天塩砿業所専用鉄道
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日曹炭鉱天塩鉱業所専用鉄道(にっそうたんこうてしおこうぎょうしょせんようてつどう)は、北海道宗谷支庁管内豊富町の日本国有鉄道(国鉄)宗谷本線豊富駅から、東方の日曹炭鉱天塩鉱業所までの16.7km[2]を結んでいた日曹炭鉱の専用鉄道で、同炭鉱の閉山に伴い1972年(昭和47年)7月29日に廃止された。日曹炭鉱は天北炭田最大の炭鉱として発展し、石炭輸送には国鉄払い下げの蒸気機関車8100形、9600形などが使用された。また豊富炭鉱鉄道とも称していた[3]。
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歴史
のちに日曹炭鉱天塩砿業所となる鉱区は、明治時代から試掘はされていたが、交通事情の悪さから放置されていた。日本曹達の子会社である日曹鉱業は、1936年(昭和11年)5月この鉱区の所有者であった東本願寺の大谷光暢から買収し、11月には第一坑の採炭に着手した。しかし交通機関未整備のため、冬季に馬橇で輸送するしかなく、それまでは山中で貯炭するしかなかった。さらに食料運搬も幌延より、馬車・馬橇で運搬したが、泥濘や積雪で妨げられることもあった。そこで、炭鉱より豊富駅まで鉄道を建設することになった[4]。タコを使い、犠牲者をだしながら突貫工事で完成させた[5]。
しかし竣工監査の結果、登龍隧道内は危険であるという報告により、内部に木枠で補強し隧道内は平均時速8キロ以下とし、かつ1940年7月31日までに改築することを条件として、運輸開始が認められた[6]。もっとも改築のため数ヶ月の運休をすることができないため[7]線路を登竜峠越えに変更した。この急勾配(25/1000[5])のため、9600形が入線することになった[8]。
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運輸および駅
豊富 - (社)豊富 - 温泉 - 駅逓 - 本町 - 一坑 - 三坑
車両
廃止時は9615・9643・49678、オハ31197、有蓋貨車4両、無蓋貨車13両、除雪車1両[8]
- 蒸気機関車
- 11 - 旧小湊鉄道 11。1923年、川崎造船所製。1939年11月入線。1953年6月廃車。
- 12 - 旧駄知鉄道 11。1897年、米ピッツバーグ製。1938年11月入線。1955年頃廃車。
- 1102 - 旧鉄道省 1102。1897年、英ニールソン製。1939年入線。1950年、藤田炭礦宗谷鉱業所へ譲渡。
- 5560 - 旧鉄道省 5560。1897年、英ベイヤー・ピーコック製。1939年入線。1950年、藤田炭礦宗谷鉱業所に譲渡。
- 7228 - 旧国鉄 7225。1925年、米ボールドウィン製。1948年入線。1958年休車。
- 9615 - 旧国鉄 9615。1913年、川崎造船所製。1949年入線。
- 9643 - 旧国鉄 9643。1914年、川崎造船所製。1949年入線。
- 8113 - 旧国鉄 8113。1897年、米ボールドウィン製。1951年入線。
- 19669 - 旧国鉄 19669。1917年、川崎造船所製。1959年入線。 1968年時点で廃車済み[3]。
- 49678 - 旧国鉄 49678。1921年、川崎造船所製。1961年入線。
- 客車
- 2軸客車
- フハ1(1889年神戸工場製) - 履歴は北海道フロハ1(1927年)←北海道フロハ926(1924年)←国鉄フロハ926←鉄道作業局ホ7。1968年廃車。
- フハ2(1889年神戸工場製) - 履歴は北海道フロハ2(1927年)←北海道フロハ927(1924年)←国鉄フロハ927←鉄道作業局ホ8。1968年廃車。
- フハ3(1882年神戸工場製) - 履歴は北海道ハ1(1927年)←北海道ハ2039(1924年)←国鉄ハ2039←鉄道作業局ハ71。1953年廃車。
- フハ4(1882年神戸工場製) - 履歴は北海道ハ2(1927年)←北海道ハ2044(1924年)←国鉄ハ2044←鉄道作業局ハ76。1953年廃車。
- ボギー客車
- その他[3]
- ラッセル車キ74(木製)- 1952年国鉄より譲受。国鉄時代の番号と同一。
- ラッセル車キ124(鋼製)- 1969年国鉄より譲受。国鉄時代の番号と同一。
その他
- テレビドラマ『東京警備指令 ザ・ガードマン』にも登場した[5]。
- 札幌市東区のサッポロビール園に本鉄道で使用された9643号機が保存されていたが、井門グループ社長の井門嘉博が取得し2017年6月3日に虻田郡ニセコ町へ移設[18]。補修のため非公開[19]の期間を経てニセコエクスプレスのラストランに合わせて同年11月4日に一般公開され、同列車の発車に合わせて汽笛吹鳴を披露した[20]。
- かつては町内の豊富町立自然公園内にて、49678号機が静態保存されており、客車を1両連結して図書の貸し出しを行っていたこともあったが、車両の保存費用等の負担が重くなったため、解体された。現在は動輪が同自然公園内に置かれている。
脚注
参考文献
関連項目
外部リンク
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