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日産・P型エンジン

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日産・P型エンジン
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日産・P型エンジンは、1959年昭和34年)から2003年平成15年)まで民生デイゼル工業・日産ディーゼル工業(後の初代UDトラックス)によって製造された直列6気筒水冷ガソリンエンジンである。
ニッサン・パトロールニッサン・キャリヤーを始め、ニッサンブランドの中型・大型トラックや大型バスに搭載された。

概要 製造期間, タイプ ...

このエンジンは、日産製の古いサイドバルブエンジンに代わるもので[2]グラハム・ペイジ英語版が設計したものを戦前ライセンス生産した初代A型の各部を踏襲しつつ、動弁系OHVとしたシリンダーヘッドに刷新されている [1]。後継にあたるのは、日産工機製のTBエンジンである。

この記事では、P型エンジンに至るまでに製造された、トラックやバスに搭載されたすべてのエンジンについて解説する。

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NAK

概要 日産・NAK, 製造期間 ...

1950年に導入された。このエンジンは、ライセンス生産されたグラハム・ペイジ設計のユニットである、戦前のA型エンジンから直接派生したものである。

搭載車種:

  • 日産・290型バス
  • 1950年 パトロール 4W70型
  • 1951年 パトロール 4W60型
  • 1952年 - 1953年 日産・380型
  • 1952年 - 1953年 日産・390型バス
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NB

概要 日産・NB, 製造期間 ...

1953年に導入。排気量は3.7 L (3,670 cc)、最高出力は95 hp (71 kW; 96 PS)を発生する[1]

搭載車種:

  • 1953年 - 1954年 日産・480型
  • 1953年 - 1954年 日産・490型バス
  • 1955年 パトロール 4W61型

NC

概要 日産・NC, 製造期間 ...

1955年に導入。排気量4.0 L (3,956 cc)、最高出力105 PS (77 kW; 104 hp) / 3,400 rpmを発生する。ボアとストロークは 85.7 mm × 114.3 mm。初期のパトロールだけでなく、さまざまなバスやトラックにも使用された[2]

搭載車種:

  • 1955年 - 1959年 日産・482型トラック[7]
  • 1955年 日産・492型バス[7]
  • 1955年 - 1957年 日産・580型トラック
  • 1958年 - 1959年 日産・582型トラック
  • 1955年 - 1957年 日産・590型バス
  • 1958年 - 1959年 日産・592型バス
  • 1955年 - 1959年 キャリヤー 4W72(パトロールの派生モデル)
  • 1956年 - 1959年 キャブスター E590型
  • 1956年 - 1959年 日産・パトロール 4W65型

P / P40 / PF

要約
視点
概要 日産・P40, 製造期間 ...
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キャリヤー (4W73型) レッカー車
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日産・680型消防自動車
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日産・681型トラック

P型は、4.0 L (3,956 cc) の直列6気筒エンジン[2]で、当初は最高出力95 kWを発生する設計だった。ボアとストロークは 85.7 mm × 114.3 mm[2]、重量は295 kgである[12]。その後、最高出力は100.6 kWになり、1965年のさらなる改良によって108 kWに増加した。後に、エンジン排気量をリッター (4.0) 単位で名前に反映してP40型と呼ばれるようになった。160型パトロールに搭載されたエンジンはG60型パトロールとほぼ同じ設計であるが、インテークマニホールドが異なる[12]

より強力なオルタネーター、エンジンブロックヒーター、その他さまざまな改良を施した、特に消火任務に特化した改良型は、PF型エンジンと呼ばれた。

パトロールに載せられたPF型エンジンは、標準のP型エンジンに消防仕様として以下のような変更点が見られる。(比較参考にしたのは1975年式消防車と1971年式標準車)

  • ポンプの急激な負荷変動(空気を吸った場合など)に対し、エンジンの過回転(オーバーレブ)を防止する調速機(ガバナー)が取り付けられている。これはクランク軸からベルトで駆動させ、過回転を検出する遠心式メカニカルガバナーと、それによって操作され、強制的に吸気通路を閉じて回転の上昇を防止する、第二のスロットルバルブ(キャブレターインテークマニホールドの間に設置される)で構成されている。
  • 運転席計器盤に、上記のガバナーから駆動される機械式タコメーターが設置されているが、これには回転数表示のほか、エンジンメンテナンスの目安となる積算計が装備されている。この積算計は建設機械等で一般的な「時間」を基準としたアワーメーターではなく「累計回転数」であるのがユニークである。
  • 運転席計器盤に油温計が設置されている、この為オイルパンには油温センダが取り付けられている。
  • オルタネーター(発電機)も標準車の35 Aから45 Aに強化され、それに伴い、運転席計器盤に装備のアンメーター(電流計)もスケールの大きなものに変更されている。
  • 外部電源による冷却水(寒冷地仕様など一部の車両についてはエンジンオイル用も)の保温用ヒーターが取り付けられている。これは現在の車と違い、これらの装備がない場合、夏季であっても暖機運転が完了するまで息つき等を起こして、まともに走ることがままならないという事情から、即動を要求される消防車では必須装備であった。
  • 消火作業中は走行風による冷却が期待できないことから、放水用ポンプから導いた水を用いた水冷式エンジンオイルクーラーと、サブラジエターを追加装備している。これらの冷却に使われた水は車外に排出される垂れ流し式である。
  • エアクリーナーについては、標準車は1973年(昭和48年)以降は乾式フィルターになったとされているが、消防車については従来どおり、建機のようなオイルバス式(湿式)が選択できた。
  • ディストリビューターが防水仕様になっている。ただし海外仕様では通常のP型エンジンも同じく防水仕様だったため、高い評価を受けた[13]

搭載車種[12]

  • キャブスター E690型
  • 1959年 - 1960年 パトロール 4W66型
  • 1959年 - 1968年 キャリヤー 4W73型
  • 1959年 - 1968年 日産・680型トラック
  • 1960年 - 1968年 日産・690型バス
  • 1960年 - 1980年 パトロール 60型系
  • 1963年 - 1968年 日産・FR40消防自動車(ジュニアを消防車に改造した車両)[14]
  • 1968年 - 1969年 日産・681型トラック
  • 1968年 - 1969年 日産・691型バス
  • 1970年 - ? Nissan G780[7]
  • 1980年 - 1989年 パトロール 160型系
  • 1986年 - 2003年 パトロール 260型系
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脚注

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