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最先端研究開発支援プログラム
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最先端研究開発支援プログラム(さいせんたんけんきゅうかいはつしえんプログラム、英語: Funding Program for World-Leading Innovative R&D on Science and Technology、通称:FIRST(ファースト))[1][2]は、3 - 5年で世界のトップを目指した先端的研究を推進することにより、研究開発成果の国民及び社会への確かな還元を図ることを目的として創設された「研究者最優先」の研究支援制度である。なお、本プログラムを構成する30名の研究者の中には、田中耕一(2002年、ノーベル化学賞)や山中伸弥(2012年、ノーベル生理学・医学賞)といった2名のノーベル賞受賞者が含まれている。
背景
FIRST[1][2]は、2009年(平成21年)に内閣府が主導して創設された研究支援制度であり、リーマン・ショック後の景気対策の一環として実施された。目的は、世界のトップを目指した先端的研究を推進し、産業や安全保障分野における日本の中長期的な国際競争力と底力を強化することである。また、研究開発成果を国民及び社会に確実に還元することを目指した。特に、「研究者最優先」のアプローチを採用し、研究者が自由に研究を進められる環境を提供することが特徴である。
特徴
- 研究者最優先のアプローチ: 研究者に大きな裁量権を与え、研究の方向性や進め方を自由に決定できるようにした。これは、後の「革新的研究開発推進プログラム」(ImPACT)[3]がプログラムマネージャー(PM)方式を採用するのに対し、FIRST[1][2]が研究者の自主性を重視する点で異なる。このアプローチは、行政負担を軽減し、研究者に研究に専念する時間を確保することを意図している。
- 大規模な資金支援: 30の研究課題に対して総額1000億円の予算が割り当てられ、1課題あたり平均約33億円の支援が行われた。これは、通常の日本学術振興会(JSPS)[4]の助成金と比較して非常に大規模であり、野心的な研究を可能にした。
- 幅広い研究分野: 基礎研究から応用研究まで、さまざまな分野及びステージの研究を対象とした。例として、iPS細胞、質量分析システム、サイボーグ型ロボットなどが含まれる。
- 世界トップを目指す: 3〜5年で世界のトップレベルの研究成果を出すことを目標とした。これは、短期間で成果を出すことを重視する点で、後のムーンショット型研究開発制度[5]などの長期的な研究プログラムとは異なる。
- 柔軟な研究支援: 中心研究者が研究支援担当機関を公募なしで指名できるなど、柔軟な運営が可能である。これは、研究の効率性と迅速性を高めるための措置と考えられる。
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予算
FIRST[1][2]の予算は、2009年度(平成21年度)第1次補正予算の見直しにより1500億円に減額され(2009年10月16日閣議決定)、そのうち1000億円が先に決定したFIRSTの30課題に、残り500億円が若手研究者支援のためのプログラムである「最先端・次世代研究開発支援プログラム(NEXT)[6]」に割り当てられた。この変更は、民主党政権(鳩山由紀夫内閣)の「事業仕分け」による科学技術予算の再評価の一環で、大規模プロジェクトの予算削減が求められた背景がある[7][8]。
プログラム内容
要約
視点
課題一覧
他のプロジェクトへの参加研究者
後に実施された類似研究プロジェクトへの参加研究者6名とその研究。
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沿革
研究推進法人
- 独立行政法人日本学術振興会(JSPS) - 管理・運営を担当。研究は、各研究課題の中心研究者が所属する大学や研究機関で行われた。JSPS[4]の役割は、資金の配分、運用管理、報告監視、資金の適切な使用を保証することである。
脚注
参考文献
関連項目
外部リンク
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