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死の発送
松本清張の小説 ウィキペディアから
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『死の発送』(しのはっそう)は、松本清張の長編推理小説。『渇いた配色』のタイトルで『週刊コウロン』に連載され(1961年4月10日号 - 8月21日号)、同誌休刊後、『小説中央公論』に掲載(1962年5月・10月・12月号)、加筆・訂正の上、1982年11月にカドカワノベルズより刊行された。
2014年にテレビドラマ化されている。
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あらすじ
25歳にして税金5億円を横領したかどで社会を騒がせ、服役していた元N省の官吏・岡瀬正平が、7年の刑を終えて出所した。警視庁では、岡瀬の費消した先を調べたが、その使いぶりが乱脈過ぎたか、約1億円が使途不明のままとされていた。
夕刊紙Rの編集長・山崎は、記者の底井に、岡瀬の匿し金の行方を追跡するよう命じた。山崎の意図に疑問を感じつつも、岡瀬の行動を日々張込み、尾行を続ける底井。しかし、2カ月近く経った時点で、岡瀬は福島県内の山林で死体となって発見された。犯人逮捕の報道が出ない中で、ひそかに単独行動を始めた様子の山崎に、底井は不審を抱く。
やがて山崎は、6月15日の朝に自宅を出て以来、消息不明となり、東北本線の五百川駅近くで、ジュラルミントランク詰めの死体となって発見された。ところが、トランクの発送元の田端駅に現れた男は、トランクに詰められた被害者の山崎自身であったという。
これは怪談か?犯人の仕掛けた重層的トリックが、事件の謎に挑む底井の行く手を阻む。
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主な登場人物
- 原作における設定を記述。
エピソード
- 本作の担当編集者であった宮田毬栄によると、清張は幸田文と共に『婦人公論』主催の講演旅行に講師として参加するため、『小説中央公論』掲載の原稿を蒲郡ホテルで執筆した。宮田は「幸田文さんは幸田露伴に拘泥していた清張さんにとって、憧れの目を向ける人だったろう。幸田さんには文学の話以上に、露伴の日常を尋ねたかったのではないだろうか」「急いで仕度をして食堂に行くと、もう幸田文さんと談笑している清張さんがいた。幸田さんは私に、「あなたは旅先で清張さんに五十枚も原稿を書かせてしまうのねえ、凄い」といわれた。清張さんが昨日からの経緯を話していたのだろう」「清張さんと私は、蒲郡や名古屋の風物を全然見ずに終るという変な旅だった」と回顧している[1]。
テレビドラマ
『松本清張ドラマスペシャル・死の発送』(まつもとせいちょうドラマスペシャル しのはっそう)は、2014年5月30日(金曜21:00 - 23:12。ただし『金曜プレステージ』扱いはされない)、フジテレビ開局55周年特別番組として放送された。本ドラマでは、トランクの発送先は岩手県に設定されている。また、原作中のトリックに関係する鉄道輸送は、自動車輸送(トランクの発送は宅配便による)に置き換えられている。
キャスト
- 底井武八:向井理[2] (「週刊ドドンゴ」の記者)
- 津村亜紀:比嘉愛未 (底井の同僚記者)
- 山崎治郎:寺尾聰 (底井の上司で編集長)
- 立山寅平:大杉漣 (代議士)
- 西田隆三:寺島進 (西田厩舎の厩舎主・調教師)
- 玉弥:伊藤裕子 (神楽坂の芸者)
- 岡瀬正平:矢柴俊博 (元・中央官庁の官僚)
- 末吉秀夫:山中崇 (西田厩舎の厩務員)
- 山崎文子:朝加真由美 (山崎の妻)
- 横川修:松尾諭 (馬運車運転手)
- 野島:玉置孝匡 (「週刊ドドンゴ」のデスク)
- 鈴木:中村靖日 (「週刊ドドンゴ」の編集部員)
- 長谷川:山崎画大 (競馬担当記者)
- 臼田与一郎:ベンガル (岩手県警の警部補)
- 桑原:阪田マサノブ(秘書)
- その他:井之上隆志、吉田ウーロン太、山崎千惠子、九太朗、中谷竜、田口主将、野村たかし、藏内秀樹、お宮の松、〆さばアタル ほか
- 競馬アナウンス:宇野和男
スタッフ
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脚注
外部リンク
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