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治験施設支援機関

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治験施設支援機関(ちけんしせつしえんきかん、英: Site Management Organization、略称: SMO)は、医療機関における治験の実施体制を支援する事業者とされる。治験コーディネーター(CRC)の配置、治験事務局業務の支援、治験関連文書の管理、被験者対応など、治験実施に必要な業務を担う[1][2]

SMOは、治験を実施する医療機関と、製薬企業や開発業務受託機関(CRO)との間に位置し、治験の品質確保および実施効率の向上を目的として、日本を中心に発展してきた[3]

概要

SMOは、治験実施医療機関と契約し、治験業務の一部または全部を支援・代行する。医師や医療スタッフの治験関連業務の負担を軽減するとともに、GCP(Good Clinical Practice)に準拠した治験運営を支える役割を果たしている[1]

日本における歴史

日本では1990年代後半から治験環境の整備が進められ、医療機関の治験実施体制を補完する仕組みとしてSMOが登場した。1998年以降、厚生労働省による治験活性化政策や新GCP施行を背景に、SMO事業は制度的に定着し、治験実施施設の拡大と治験の国際化を支える役割を担うようになった[4][5]

主な業務

SMOが担う業務は、治験実施医療機関における治験運営全般に及ぶ[1]

  • 治験コーディネーター(CRC)の配置:被験者への試験説明補助、来院管理、試験スケジュール調整、症例報告書作成支援などを通じて、治験の円滑な進行を支援する[1][6]
  • 治験事務局業務支援:治験審査委員会(IRB)運営補助、必須文書管理、契約手続き、モニタリングおよび監査対応などを行う。
  • 施設支援・体制整備:治験実施標準業務手順書(SOP)の整備、品質管理体制構築、治験実施環境の改善提案などを担う。
  • 被験者募集支援:地域連携や情報提供を通じて、被験者募集およびスクリーニング体制の構築を支援する。

関連する職種

課題

SMO業界は、CRC人材の確保、治験プロトコルの複雑化による業務負荷増大、医療機関ごとの体制差、分散型治験(DCT)やデジタル技術への対応などの課題を抱えている。これらに対し、業界全体での教育体制強化や治験プロセスの高度化が進められている[4]

代表的なSMO企業

代表的な治験施設支援機関(SMO)としては、日本国内で以下の企業が知られている。これらの企業は、医療機関と連携し治験の実施支援業務を提供している[7]

  • 株式会社EPLink — SMO業界の大手企業で、EPSグループの一員として全国の医療機関と広く連携し支援を行っている。
  • シミックヘルスケア・インスティテュート株式会社シミックグループの一員として大規模治験支援を展開。
  • ノイエス株式会社 — 全国拠点を構え、e化システムを活用した治験支援を提供。
  • 株式会社アイロム — SMO事業を含む医療支援企業。
  • 株式会社医療システム研究所 — 地域密着型 SMO の草分け企業。
  • 株式会社クリニカルサポート — 大規模病院中心の治験支援を行う。

関連項目

外部リンク

脚注

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