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猫のフーガ

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猫のフーガ
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猫のフーガ(ねこのフーガ、: La Fuga del Gatto: Cat fugue)とは、ドメニコ・スカルラッティによるチェンバロ独奏用単一楽章ソナタ「ト短調フーガ」(Kk. 30、L. 499)の広く知られる通称である。

概要 ト短調フーガ, ドメニコ・スカルラッティ ...

由来

この通称は作曲者自身が名付けたものではなく、フーガを構成する風変わりなモチーフに関する伝説により、19世紀初め頃から使われ出した。伝説によれば、スカルラッティの愛プルチネッラは音が出るのに興味を持ち、チェンバロの鍵盤の上を横切る習慣があった。スカルラッティはこれらの「即興演奏」の中から1つのフレーズを書き出し、フーガの主要モチーフとして使用した(右上の楽譜参照)[1]

この通称は19世紀のコンサート演目に使用され、名付け親のムツィオ・クレメンティ[2]カール・チェルニーアレッサンドロ・ロンゴ英語版などの出版者も使っている[3]

影響

楽譜は1739年にロンドンで出版された。自身の旧作の再利用と他人の曲からの「拝借」で知られるゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルは、1739年9月下旬から10月下旬にかけて『12の合奏協奏曲集 作品6』を書き上げたが、第3曲第2楽章の奇妙な下って行く音程はスカルラッティのこの曲のモチーフを思わせる[4]音楽理論家で作曲家のアントニーン・レイハによる、1803年の「ピアノのための36のフーガ」第9番は猫のフーガと同じ主題をもとにしている[5]

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アントニーン・レイハ、フーガ 第9番

ハンス・フォン・ビューローは、この曲をピアノコンサート演奏用にアレンジしている[6]

演奏

19世紀には人気のある曲になっている。ローマの手稿コレクター、アッビ・サンティーニから楽譜をもたらされたフランツ・リストは1840年代初めにベルリンで演目に組み込んだ[7]イグナーツ・モシェレスもこの曲を演奏した。両者とも「猫のフーガ」のタイトルで演目に組み込んでいる[3]

脚注

外部リンク

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