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等価変分

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等価変分
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等価変分(とうかへんぶん、: Equivalent variation, EV)とは、価格変化に伴う経済的厚生の変化を測定する一つの方法で、所得水準を変化させずに価格が変化した場合に消費者に同じ効用水準もたらす、初期時点の価格で評価した所得の変化を指す[1][2]。初期時点の価格が比較の基準として適している場合に有用な手法である。ジョン・ヒックス1939年の論文が、等価変分および補償変分(ほしょうへんぶん、Compensating variation, CV)の概念を導入したとされている[3]

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初期時点の相対価格はの線で示されていて、この相対価格の下での消費点はで、の効用水準を得る。ここから相対価格がの線で示されたものに変化したとする。このとき、新しい消費点はとなり、効用水準を得る。この例では相対価格の変化で得られる効用水準が低下している。この損失を補填するためにどれくらいの金銭を渡せばいいのかを初期時点の相対価格に基づいて考えるのが等価変分である。初期時点の相対価格をの効用水準(無差別曲線)に適用するとと接する点で消費が行われることから、それに対応する「で測った所得水準」と「初期時点の所得水準」の差である図中のが等価変分となる。
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概要

要約
視点

等価変分の値は支出関数を用いて次のように表される[1]

ここで、 は初期時点の所得水準、 および はそれぞれ初期時点の価格と変化後の価格、 および はそれぞれ初期時点の効用水準と価格変化後の効用水準を表す。

さらに、所得水準が変化しない場合、 が成り立つ。なぜなら、初期時点の効用水準と価格変化後の効用水準のいずれにおいても、消費者はワルラスの法則により予算制約を使い切るためである。したがって、

が導かれる。ただし、この等式は消費者の所得水準が変化しない場合にのみ成り立つ特別なケースである(とはいえ非常に有用かつ広く利用される)[1]。例えば所得水準が外生的に与えられず価格に内生的に決定される賦存経済の場合には成り立たない。

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価値関数の形

要約
視点

同様に、間接効用関数を用いると次のように表される。

これが上記と同値であることは、両辺において で支出関数を取ることで示せる。

上の3つの同値式の1つである。補償変分は、厚生変化を測定する近縁の指標である。

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出典

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