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経営学
組織を営むこと、その目的を果たすために、組織の戦略を立てたり職員をまとめたりすること ウィキペディアから
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経営学(けいえいがく、英: business administration)とは、経営について研究する学問である。社会科学の一分野。
→「行政学」も参照
→「経営管理論」も参照
定義
効率的な組織運営を考える学問
経営学とは「いかにして自らが定めた目的を達成するか」や「常に変化する内外の環境において組織をいかに効率的に運営するか」について研究する学問分野である。より具体的には、「どのようにすれば組織は持続できるか」、すなわち企業であれば「どうすれば利益を稼げるか」、非営利組織であれば「どうすれば社会から信任されるか」を解明する学問といえる。こうした実践性の高さから、ビジネス書や経営コンサルティング・戦略コンサルティングとの関係も深く、後述するように経営学の黎明期には企業経営者や経営コンサルタントが大きな役割を果たした。
その対象は今日では広く、企業だけでなく、官庁組織、学校、NPOその他一般に組織といわれるものすべてを含むと考えられる。経営学の黎明期には、経営コンサルタント(能率技師)であったフレデリック・テイラーやニュージャージー・ベルの社長であったチェスター・バーナードなど経営実務家からの影響も大きく受けたほか、学問的には行政学・管理学からの影響を受けた。なお、行政学・管理学が主に政府の仕組みや政治プロセス等を扱うのに対し、初期の経営学は営利企業および(学校や病院といった)非営利組織の運営など、政治プロセスの影響が少ない経営を主に取り扱っていた。こうしたことから、前述のチェスター・バーナードの近代組織論を発展させた経営学者でありながら政治学者・行政学者・経済学者でもあるハーバート・サイモン等は行政学と経営学双方の学問分野に関連がある。
大学教育上は、商学という大分野の中に狭義の経営学、会計学、マーケティング(商業学)、ファイナンスやデータサイエンスなどその他の隣接学問といった小分野が含まれる。ただし、現代では商学と広義の経営学は同一の対象を指しており、商学部と経営学との差異は歴史的経緯以外にはほとんど存在しない。
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狭義の経営学に内包される2領域
狭義の経営学としては組織体の効率効果的な運営のための長期的視野に立った理論の構築を目的とする学問と捉えられるため、その際は会計学やマーケティングなどの分野は除外される。
経営学はいかにして目的を達成できるかについて考える学問であるから、下記のように目的=ビジョンについての研究と、手段=アクション・プランについての研究が存在する。
- ビジョン達成に向けて、企業(およびそのほかの組織体)の組織構造とその機能をどのように設計すればよいか、その方法論や根拠などを明らかにする研究。経営組織論は、こういった目的意識を共有する経営理論の分野である。前出のチェスター・バーナードなどがこの領域では有名である。近年では、コーポレート・ガバナンスなどへの応用も進んでいる。
- ビジョン達成を目的とした、持続的な競争優位を確立するためのアクション・プラン設計方法やその根拠などを明らかにする研究。経営戦略論が、こういった目的意識を共通のメインテーマとしている。経営戦略論には、全社戦略論と競争戦略論の2つの領域がある。前者の全社戦略論では、ボストン・コンサルティング・グループが開発したプロダクト・ポートフォリオ・マネジメントなどが有名。後者の競争戦略論ではマイケル・ポーターが理論化したファイブ・フォース・モデルやジェイ・B・バーニーのリソース・ベースド・ビューなどが実務でしばしば用いられている。
日本では、経営組織論、経営戦略論の2つをまとめて経営学と呼ぶ学問体系が確立している。日本で初めて経営学の概念を提唱したのは、商工経営学と名付けた上田貞次郎東京高等商業学校(現・一橋大学)教授とされる[1]。
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実践的な学問としての経営学
経営学とよく比較される経済学では、各主体(個人・企業、およびそのほかの組織体)の行動が市場原理にゆだねられた場合の帰結(均衡)と、そこでの資源配分の効率性や社会的総余剰の適切さについて分析したり、社会システムの構造を物象化の機序を明らかにしつつそこに生起する論理と動態を明らかにすることに重点が置かれる。
それに対し、経営学は、いかにすれば企業(およびそのほかの組織体)がその業績や効率性を向上させることが出来るかを明らかにしようとする[2]。つまり、社会全体を見るか・一組織を見るか、現象の解明を重視するか実践への役立ちを重視するかの違いがある。また、同じ「企業」を観察する場合でも、経済学では各企業が合理的な行動をとった場合にどのような状態が現出するかを考察することが多く、経営学では企業がどのような行動をとることが合理的かを考察する、という違いがある[3]。
以上のような学問的出発点の違いから、経営学では個々の企業間の差異が注目されるのに対し、(特に新古典派の)経済学ではその差異にはあまり注意が払われない場合が多い[4]。
学術の動向
日本学術会議
25期 経営学委員会 (3名) 令和2年10月現在
24期 経営学委員会 (3名) 平成30年4月25日現在
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日本学術振興会産学協力研究委員会
要約
視点
経営問題108委員会
1947年、日本学術振興会が経営問題108委員会を設立した。学界委員と産業界委員が連携して活動している。 下記に事例として、2012年における日本学術振興会産学協力研究員会 経営問題108委員会委員構成を取り上げる。
産業構造・中小企業第118委員会
日本学術振興会は産学協力研究委員会として産業構造・中小企業第118委員会を擁している。日本学術振興会産業構造・中小企業第118委員会は日本における中小企業研究の中核的な組織である。戦前から活動してきた日本学術振興会第23(中小工業)小委員会に端を発している。日本学術振興会第三常置委員会に中小工業に関する研究を行う第二三小委員会を設置することとなる。昭和13年11月4日、第一回会議(如水会)で招集され、上田貞次郎委員長、 山中篤太郎幹事体制となる。
第23小委員会
第二三委員会は、国民経済構造第七七小委員会(昭和20年~22年)、中小産業復興第九〇小委員会(昭和21年~23年)を経て、昭和23年4月に現在の第118委員会として発足した。委員16名構成とした。
その他委員 磯部喜一、大塚一朗、小田橋貞寿、末松玄六、高宮晋、田杉競、豊崎稔、中西寅雄、中山素平、藤井茂、細野孝一、松井辰之助、美濃口時次郎、村本福松。
中小企業の本質を政策、経営の両面から多角的に分析することを目的としている。 — 産業構造・中小企業第118委員会 趣旨・目的[5]
委員の構成(平成31年4月現在)
委員構成については、時代によって社会経済環境の変化に応じて編成が異なる。下記に事例として、平成10年代、平成20年代と10年単位で遡り記載する。
委員の構成(平成18年)
委員の構成(平成24年)
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日本経営学会
| 理事長 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 西日本 主な大学:神戸大学、慶應義塾大学等 | 東日本 主な大学:一橋大学、慶應義塾大学等 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
- 日本経営学会理事長は平成初期まで一橋大学出身者と神戸大学出身者であった。
- 21世紀を迎える頃、慶應義塾大学出身者が一橋大学と神戸大学以外で初の理事長となる。
- 神戸大学経営学研究科・経営学部は公式サイトにて“地域別比較(神戸大学経営学研究科と一橋商学研究科の比較)[6]”を掲示している。
学術団体の人事組織論の観点から、事例として、令和5年の日本経営学会役員を記載する[7]。
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組織学会
日本の経営学の学術団体は、最大規模の組織学会(会員数約2200人)と最古の日本経営学会(会員数約1700人)の二つに分裂している状況にある。そのため社会科学領域における経営学以外の分野である社会学(日本社会学会・会員数約3600人)や経済学(日本経済学会・会員数約3200人)と比較してみても、組織学会と日本経営学会を足し合わせると同程度の規模となる[要出典]。
特定非営利活動法人組織学会(そしきがっかい)は、広く一般市民を対象として、組織科学に関する啓蒙・普及・教育事業と組織科学に関する調査・研究を行っている学術団体。1959年に設立され、2005年に特定非営利活動法人(NPO法人)となる。事務局は東京都千代田区丸の内2-5-2三菱ビルB1F B171区外に置いている。経営学領域で最大規模の会員数を持ち、学会誌『組織科学』は国内トップジャーナルとなっている[8]。
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進学
進路
経営学は多くの資格試験や公務員採用試験の受験科目となっている。下記に代表的な事例を記載する。
資格試験
- 公認会計士・監査審査会が行う国家試験である公認会計士試験の受験科目である。
公務員採用試験
下位分野
公共経営学
公共経営学は公共経営(英: public management[9])を研究する学問である。すなわち、行政組織や非営利組織の効率的運営を研究する学問である[10]。経営学の一種であり、同時に行政学の一種でもある。
出典
参考文献
関連項目
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