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草香八幡神社のつかいだんじり

兵庫県淡路市の郷土芸能 ウィキペディアから

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草香八幡神社のつかいだんじり(くさかはちまんじんじゃ の つかいだんじり)は兵庫県淡路市草香に鎮座する草香八幡神社の秋季例祭において、だんじりを用いて奉納される奉納芸能である。淡路島におけるつかいだんじりの一例で、地域資料では「遣いだんじり」として紹介されている。

奉納は本宮の前日の宵宮に実施される。

概要

草香八幡神社のつかいだんじりは、兵庫県淡路市に位置する草香八幡神社の秋季例祭で奉納される担ぎ系のだんじり芸能である[1]。淡路島では布団だんじりが主流であるなか、この祭礼は担ぎ棒で担ぐ形式の屋根だんじりを用いており、地域的に数少ない伝統芸能として位置づけられている[2]

奉納は毎年10月第1週の日曜日(本宮)の前日(宵宮)の夜間に行われ、祭礼団の若者たちが約30名の担ぎ手で、棒ばなの合図により、だんじりを上下左右に大きく揺らす「キリワイショ」などの妙技を披露する[1][3][4][* 1]。この所作は、かつての村人たちが豊作や大漁を願ったものとして伝承され、農業と漁業が生活の中心だった時代の信仰が表現されている。乗り子は姿の4人から2人である[4][5]

奉納の時期

草香八幡神社のつかいだんじりは、秋季例祭の中で奉納される[1]。祭礼は毎年10月第1週の日曜日を本宮とし、その前日土曜日が宵宮となる。つかいだんじりの奉納は宵宮の夜間に行われ、暦によっては宵宮が9月30日となる年もある[* 1]

だんじりの構造

使用されるだんじりは、分厚い段布団を積む「布団だんじり」ではなく、屋根彫刻を備えた「屋根だんじり」である[1]。また、人が曳く「引きだんじり」ではなく、担ぎ棒で担ぐ形式である[1]。屋根の曲線に沿って黒・赤・白などの薄い布団(化粧布団)を数枚重ねる意匠がみられるものの、構造的には布団だんじりとは異なる[1]

技法と所作

「つかいだんじり」の奉納演技には様々な技法と所作があり、代表的なものとして「キリワイショ」が知られている[6]。キリワイショは、だんじりを大きく揺らして横倒しする技法である[3][7]

衣装

祭礼団の正装は、地区ごとの鉢巻、白シャツ、まわし、バラン、白足袋を基本とする[8]ふんどしではなく、まわしにバランを合わせて着用する点が特徴であり、単なる伝統衣装ではなく、「つかいだんじり」の動作に適した機能的な構成となっている[3][8]。鉢巻は所属の識別に用いられ、衣装全体は統一感と安全性を重視したものである[8]

メディアでの報道

草香八幡神社のつかいだんじりは、地域内での認知度は高いものの、県外での報道は限定的である。2013年10月、神戸新聞は「違いだんじり豪快に 草香八幡神社 力合わせ伝統の技」との見出しで、つかいだんじりの技法と特性について詳細に報じた[3]。また、2025年10月には神戸新聞社のフォトコンテストで、同祭礼を撮影した作品が入賞し、紙面で紹介された[9]

地域文化としての位置づけ

草香八幡神社のつかいだんじりは、淡路島における担ぎ系だんじり芸能の代表例の一つである[1]。同じ淡路市内の山田八幡神社のつかいだんじりや、洲本市五色町長林寺のつかいだんじりとともに、淡路島で数少ない伝統芸能として、兵庫県の景観形成資料や文化会館の記録映像でも紹介されている[* 2][* 1]。布団だんじりが主流の淡路島において、担ぎだんじりによる妙技は地域的特色を示す芸能文化として位置づけられている[2]

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

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