トップQs
タイムライン
チャット
視点

装着変身

日本の玩具 ウィキペディアから

Remove ads

装着変身(そうちゃくへんしん)は、かつてバンダイから発売されていた玩具アクションフィギュア)。アーマー部分に金属を使用しているため、同社の超合金シリーズとしてもラインアップされている。

概要

仮面ライダーシリーズ宇宙刑事シリーズなど等身大の特撮ヒーローを題材としており、劇中に出てくるキャラクターの造形を再現している。いわゆる「クロスタイプ」のフィギュアで、素体となるアクションフィギュアにアーマーを装着させて変身させる。武器を使うヒーローには、その使用武器も同梱されている。

フィギュアの大きさは平均130ミリメートルほど[1]

ヒーロー以外にも『仮面ライダー龍騎』に登場するミラーモンスターや、ライダーの搭乗バイクを商品化した「装着変身EX」というシリーズも発売されている。

歴史

要約
視点

バンダイによる東映ヒーローのアーマー装着型フィギュアの元祖は、『宇宙刑事シャリバン』(1983年)の「プラデラ宇宙刑事シャリバン」である[2]。素体へのアーマー装着によりヒーローの変身を再現するというコンセプトは、翌年『宇宙刑事シャイダー』(1984年)の「プラデラ宇宙刑事シャイダー」にも継承された[2]

その後、テレビアニメ『聖闘士星矢』(1986年-1989年)を題材とした「聖闘士聖衣大系」が発売[1]。商品サイズやダイキャスト製アーマーの装着法など、基本コンセプトは後の装着変身にも継承されている[1]

「聖闘士聖衣大系」のヒットを受け、バンダイは1989年の『仮面ライダーBLACK RX』の「3チェンジクロスセット」、翌1990年には『特警ウインスペクター』の「着化指令シリーズ」、1992年特捜エクシードラフト』の「トライジャケットシリーズ」と次々とクロス系フィギュアを展開[1]。「装着変身シリーズ」の前身ともなった。

2000年の『仮面ライダークウガ』の製作時に商品ラインナップの1つとして、番組担当だった野中剛が企画を考案[1]。数種類の形態に変身するクウガに合わせ、「1つの素体に数種類のアーマーを装着させて変身させる」という玩具が考案され、発売された。『クウガ』の装着変身は大ヒットし、発売当初は売り切れ店が続出。同シリーズの関連商品内でもトップクラスの売り上げを示し、翌年の『仮面ライダーアギト』でも継続された[3]

2001年には同年に放映された『仮面ライダーアギト』以外にも、『V3』や『アマゾン』など旧シリーズのライダーも商品化された[1]。しかしこの時は『百獣戦隊ガオレンジャー』関連商品の大ヒットの影響で『クウガ』時ほどの売れ行きは示さず、翌年の『仮面ライダー龍騎』はライダーのアクションフィギュアとミラーモンスターのフィギュアをセットにした「R&Mシリーズ」[注釈 1]を発売[3][1]。装着変身シリーズは、しばらく休止される[注釈 2]

日本では売り上げが伸びなかった装着変身だったが、バンダイホンコン(現:バンダイアジア)が販売するアジア地域では好調だった。2002年に香港での『クウガ』放送を機に発売された本シリーズは、既存商品だけでなく「桜島1号」などのカラーバリエーションを独自に発売[1]。さらには日本では商品化されなかったエクシードギルスや仮面ライダーG4も新規に商品化され、これらの商品が日本への逆輸入を経て発売された[1]。これが原動力となり、装着変身シリーズは大人向けのハイターゲット商品として再開された[1]

2004年、装着変身シリーズの再開第一弾として『仮面ライダー555』のファイズとカイザが発売された[1][注釈 3]当時は既に『555』の放映は終了しており、バンダイの社内では売上を危惧する声もあったが、結果は良好だった。[要出典]また、『龍騎』以後は長期シリーズ化が決定し、放送中に発売した『仮面ライダー剣』はさらに好調な売上を出したうえに以降の仮面ライダーシリーズも次々と商品化され、2005年と翌2006年には宇宙刑事シリーズも発売された[1]。2006年4月には装着変身シリーズの歴史をまとめた『装着変身マニアックス』(徳間書店・刊)、2007年1月には『装着変身大全』(ミリオン出版・刊)が刊行された。

2006年10月に発売された『仮面ライダーBLACK』からは商品の仕様が一部変更された[1]。頭部が変身前(人間の顔)と変身後(ヒーローの顔)の2つによる差し替え式となり、胸部アーマーの脇の下の連結部分(ヒンジ)が目立たないように改良された。2007年3月に発売された『仮面ライダー電王』のシリーズからは聖闘士聖衣神話をベースに素体も大きく改良され、可動箇所が大幅に増加された[1]。しかし、『カブト』など『BLACK』の発売以前に商品化されたシリーズに連なる新製品は、過去の商品と並べた際の違和感を無くすため、あえて旧方式のままで発売されている。

2008年4月の事業部の再編成により、従来の男児向け玩具はボーイズトイ事業部に、超合金魂や聖闘士聖衣大系などの大人向け玩具はコレクターズ事業部での開発となった。『仮面ライダーキバ』の玩具は装着変身も含めてボーイズトイ事業部から発売されたが、市販されたのは「キバ」の4形態のみに留まった。

現在は2度目のシリーズ休止状態にあり、コレクターズ事業部が2008年2月に開始した「S.H.Figuarts」が事実上の後継シリーズとして扱われ[5]、ボーイズトイ事業部→ボーイズ事業部(2019年7月の組織改変でブランドデザイン部、2022年2月にブランドトイ事業部に再編され、2024年4月に現在のトイ事業部に再編された。)は仮面ライダーシリーズの放送中に作品ごとのアクションフィギュアシリーズを展開している。

仕様の変遷

『仮面ライダークウガ』(2000年)
『クウガ』期の装着変身には、ディスプレイスタンドと紙製のバックパネルが付属した[6]
初期ラインナップのGD-22からGD-25にはクリア素材の素体フィギュアが付属[6]。可動素体があるのはGD-22「マイティフォーム&グローイングフォーム」のみで[6]、その後の3種はアーマーのみの追加オプションという位置づけであった[7]。バンダイの森安信一によれば、『クウガ』以前の数年はヒーローフィギュアが不調であったため、マーケティングで不安視されており、第1弾にボリュームを持たせ、その後は価格を抑えるという変則的な販売方法を取らざるを得なかったという[1]
GD-27「ライジングフォームセット」からはクリア素体が廃され、以後は各商品に可動素体が付属するかたちとなった[8]。GD-27の素体では手甲のパーツが追加された[9]。後に発売されたバンダイホンコン版では、初期フォームにもこの素体を採用している[10]
GD-29「アルティメットフォーム」では、大腿部のみの変更だが専用素体を導入[9]。一部アーマーにもPVC製のものが採用されるなど、後発シリーズにも採用される要素により造形が発展していった[11]
『仮面ライダーアギト』(2001年)
『アギト』期もディスプレイスタンドが付属[12]。可動素体は腰の可動が追加されたほか、手首の取り外しが可能となり、ギルスの腕アーマーの装着方法やG3の武器装着ギミックなどに用いられた[9]
昭和仮面ライダー(2001年)
『アギト』と並行して、昭和仮面ライダーも展開[1]。素体はGD-22と共通[9]。ディスプレイスタンドなどは付属しない。
『仮面ライダー555』『仮面ライダー龍騎』『仮面ライダー剣』(2004年)
ハイターゲット商品として再開した新シリーズでは、股関節をポリカーボネイトに変更、足首にボールジョイントを採用するなど、素体のプロポーションや可動域が向上しており、特に肩アーマーは専用の接続部を設けることで肩とは独立した可動が可能となった[9]。素体も専用のものが主流となり、アーマー数が減少した代わりに付属品が増加している[1]。GD-94「仮面ライダーファム&仮面ライダーリュウガ」の仮面ライダーファムでは、初めて女性素体を採用[9]
『仮面ライダー響鬼』、宇宙刑事シリーズ(2005年)
『響鬼』では肩や腰にボールジョイントを採用し可動部をさらに向上させている一方で、同時期の宇宙刑事シリーズでは従来型の回転式とするなど、キャラクターごとに仕様を使い分けている[9]
『仮面ライダーカブト』(2006年)
『カブト』期では、GE-17「カブトハイパーフォーム」以外はライダーフォームとマスクドフォームの2種類のアーマーを収録[13]。ディスプレイスタンドとディスプレイ用素体も復活した[13]。素体は、肘が二重関節となった[9]
『仮面ライダー THE FIRST』(2006年)
『THE FIRST』の2種は、従来の素体よりも頭一つ大きく、胴体も3分割構造になっているなど、独自仕様となっている[9]
『仮面ライダーBLACK』『仮面ライダーBLACK RX』(2006年)
『BLACK』系の3種では、頭部をマスク装着ではなく差し替え式に変更[9]。胸部アーマーは、初期からの難点であったヒンジを内蔵式にするなど、プロポーションを向上させている[14]
『仮面ライダー電王』(2007年)
『電王』では、「聖闘士聖衣神話」の素体を参考に、胴体は3分割構造、首は二重ボールジョイント構造となり、肩や股関節もボールジョイントとなった[15]。手首の可動域も増加している[15]
Remove ads

ラインナップ

要約
視点

参照装着変身大全 2007, pp. 124–125, 「装着変身リスト」

さらに見る No., 商品名 ...

装着変身EXシリーズ

「仮面ライダー龍騎」に登場したモンスターのアクションフィギュアセットや、ライダーが搭乗したバイクの模型など。超合金シリーズには含まれない。ミラーモンスターのセットは、新規造形された物と、以前R&Mシリーズで発売された物のリペイント品によって構成されている。

さらに見る 商品名, 発売 ...

限定品

イベントや特定の店、海外や誌上限定などで販売された商品。基本的に過去の商品のリペイント品だが、新規造形されたパーツが加えられた商品もある。

さらに見る No., 商品名 ...

バンダイホンコン発売アイテム

さらに見る No., 商品名 ...
Remove ads

関連フィギュア

装着変身×キューブリック

装着変身と『メディコム・トイ』の『キューブリック』とのコラボレーション企画。キャラクターのキューブリック化だけでなく、アーマー着脱の装着変身的遊びも取り入れられている。

装着変身×キューブリック 仮面ライダーVol.1(2007年12月)
  • 仮面ライダー旧1号
  • 仮面ライダー旧2号
  • 蜘蛛男
  • 仮面ライダー響鬼
  • 仮面ライダー斬鬼
  • 仮面ライダー轟鬼(シークレット)
  • 仮面ライダー響鬼紅(シークレット)
  • 仮面ライダー桜島1号(シークレット)

ライダーバイク関連

要約
視点

クウガおよびアギトでは装着変身と同スケールの連動アイテムとしてポピニカが発売された[58]

さらに見る 商品名, 発売 ...

このほか、書籍『装着変身大全』では装着変身が搭乗可能なライダーマシン玩具を紹介している[60]

Remove ads

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

Loading related searches...

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.

Remove ads